メールや電話と比べチャットアプリのほうが社内コミュニケーションのスピードが圧倒的に早く、業務もより効率化するという声もあるが、社外とのやり取りはどうだろうか。
Wantedly(ウォンテッドリー)は5日、Sync(シンク)でのメッセンジャー機能の稼働を正式に発表。Syncはもともとブラウザベースでのビジネス連絡先管理ツールとして2015年4月にリリースされたものだが、社内外のビジネスコミュニケーションを促進するグループチャットアプリとして本格化した。
ビジネスSNS『Wantedly』がメッセンジャー市場に本格的に乗り込むわけだが、狙いは社内ではなく社外にあるようだ。
メンション機能・検索も備えたグループチャット
Syncはブラウザ、PCアプリ、スマホアプリの区分けなく利用できるメッセンジャーアプリ。
Syncのグループチャットとしての機能は下記のとおり。グループチャットにおいて便利なメンション機能やファイル共有など、グループワークでのチャット機能に必要な部分は、FacebookメッセンジャーやSlackなど先行するアプリのいいところを押さえている。
●Syncメッセンジャーアプリの主な機能
1.名指し機能(@メンション)
グループ内のメッセージで、特定のユーザーに向けて名指しでメッセージを送信することができる。同様に自分宛てのメッセージを一覧で確認することも可能。グループでのメッセージやり取りが多くなっても、自分に優先順位の高いタスクから確認できる。
2.招待機能
URLやQRコードから手軽にSyncに招待ができ、打ち合わせの場で出会ったビジネス上のつながりの人とも簡単にグループチャットを始めることができる。
3. 全文検索機能
タイトルだけではなく、メッセージの中身も含めての検索が可能。文章量の制限は現状なし。過去のメッセージの全文検索は有料プランに含まれているものだが、当面は無料で使えるようだ。
4.ファイル共有機能
当面はファイル共有は無制限・無期限。スマートフォンからでもパワーポイントやワードなどOfficeファイルの閲覧ができる。
5.知り合い検索機能
Wantedlyのプロフィールと連携しているため、名前、会社名や役職、学歴などからの知り合い検索も可能。
6.デバイス・OSを選ばずに利用が可能
ウェブブラウザのほか、Windows、Mac、iPhone、Android向けアプリの提供を開始。
利用にはWantedlyのアカウントが必要だが、メールアドレスがあれば簡単に登録できる。取引先や社外のメンバーと簡単に利用可能なため、Facebookメッセンジャーでの機能的な面に不満を持っていたユーザーなどは、業務効率化が達成されると同時に、プライベートとビジネスの使い分けができる。
さらに、もともとSyncが持っていたWantedlyプラットホームでの連絡帳としての機能もあるため、正式リリースによって、月間70万人が利用するWantedlyの登録会員も利用可能となる。
今回が本格稼働となったが、じつはステルスでのメッセンジャー稼働は10月ごろから行われていた。「テスト期間での利用はのべ10000人弱。リリース後は、Wantedly全体70万人のうち20000人が利用する想定」と語るのはSync開発を率いたWantedlyの川崎禎紀CTO。
同社が従来進めてきた人材マッチングに関係する転職・採用領域からさらに広い、ビジネス領域でのサービスのプラットホーム化が進むわけだが、その狙いを聞いてみた。
(次ページ、WantedlyがSyncをリリースした狙いとは)
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