クアルコムは、中国・北京で開催された「Snapdragon 820」ローンチイベントで、同チップセットのベンチマーク結果を公開した。製品版のチップセットが搭載された状態で、メディアがベンチマークを実行することができた。あらかじめインストールされていたアプリ、サイトに限られてしまうが、ここではその結果をお届けしよう。
ベンチマークに利用したアプリ、サイトは合計で5つ。アプリは「AnTuTu Benchmark v6.0」と「Geekbench v3.3.2」、「GFXBench 4.0」の3つ。JavaScriptの処理能力などを測る、ブラウザー系のベンチマークは「Kraken」と「Octane」で行なっている。
AnTuTuではXperia Z5と比べ約2倍の性能差に
AnTuTu Benchmarkでは、トータルのスコアが12万1861となった。内訳をみていくと、3Dが5万4495、UXが3万5691、CPUが2万8082、RAMが3593となる。このうち、特にSnapdragon 820の影響が強く出る、3D、UX、CPUは、いずれも高得点をマークしている。
ほかのデバイスと比較するとわかるが、「Exynos 7420」を搭載した「Galaxy S6 edge」や「Galaxy Note5」(日本未発売)が、ともに8万点台であることを考えると、そのパフォーマンスがいかに高いかがわかる。
同じSnapdragon同士では、どうか。筆者が所有しているSnapdragon 810を搭載した「Xperia Z5」とも比較してみた。結果は、以下の写真のとおり。Xperia Z5は6万8283となっており、Snapdragon 820を搭載したデモ機の半分強のスコアだ。3D、UX、CPUの3項目とも、Snapdragon 820が大きく上回っており、これがスコアの違いに直結した格好だ。2倍のパフォーマンスを誇るという、クアルコムの売り文句が、誇張ではないことがわかる結果となった。
Geekbenchではシングルコアでのスコアに差が生まれた
次に、Geekbenchでの結果を見ていこう。こちらの結果は、シングルコアスコアが2011、マルチコアスコアが5419となり、いずれも高い結果を出している。Xperia Z5との比較においても、Snapdragon 820の方がスコアは上だ。
ただし、マルチコアスコアに関しては、シングルコアスコアよりも差が開いていない。結果を見る限りでは、シングルコアの性能向上の方が、大きいことがうかがえる。
GFXBenchで内蔵GPU「Adreno530」の実力を確認
グラフィックス性能は、Adreno 530の実力を発揮する格好となった。Xperia Z5との比較からわかるように、とくにオフスクリーン時のスコアに大きな開きが出ている。たとえば、GFXBench の「カーチェイス」ではオンスクリーンが9.4fpsなのに対し、オフスクリーンが18fps。Xperia Z5では、ともに6.6、6.4だった。オフスクリーン時は解像度の条件が1920×1080とそろえられるためで、3倍弱のスコアが出たことになる。
OctaneとKrakenの結果も大きく違う
JavaScriptのパフォーマンス測定でも、高い結果が出た。Octaneでのスコアは、1万1742を超えており、Krakenは24644.3ms。Xperia Z5がそれぞれ7802、4167.1msであることを踏まえると、JavaScriptの処理能力も大きく向上していると言えそうだ。
このように、いずれのベンチマークでも高い結果を残すことができたSnapdragon 820。Snapdragon 810との差は、歴然と言えるだろう。
ただし、これらのスコアにはチップセット以外のデバイスが影響を与える可能性もある。メモリーやストレージ、放熱構造なども異なるため、厳密な比較というより、あくまでも参考値と捉えた方がいいだろう。また、ベンチマークテストは、チップセットの実力値を引き出し、測定するためのもので、実利用環境とは異なる点にも留意しておきたい。
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