週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

「トップは社員の下につけ」「競合は友と思え」フィンランド逆転の発想法

2015年11月20日 09時00分更新

競合は「家族」成功も失敗もみんなで共有する

 IDGAナイトはヘルシンキで毎月のように開かれたイベントで、コンセプトはとてもシンプルに「地元のゲーム開発者を1つのテーブルに集めよう」というもの。

 最大500~600人が参加するようになったという開発者イベントだが、イルッカ・パーナネンCEOは「大事なのはそこにあるスピリット」だと熱く語る。スピリットとは何かといえば、イベントの参加者はみな“ファミリー”だという考えだ。

IDGAナイト。ゲーム開発者同士が失敗と成功を分け隔てなく語り合う

 イベント参加企業は競合ではなく「友であり、家族であり、メンバー」だ。成功や失敗などの経験をすべてコミュニティー内で共有し、助けあい、おたがいの成長速度を高めることで、おたがい利益を生むことが大事なのだとみなす。

 コミュニティー参加企業の共通目標は、世界で成功すること。コミュニティーの中で成功者だけが生き残るというような「ゼロサムゲームではなく」(イルッカ・パーナネンCEO)メンバーの成功はコミュニティー全員の利益となる。

 地元全体が1つのスタートアップであるかのように振る舞うことで、現在の成功につながったというわけ。フィンランドのゲーム市場は2008年から2014年までに8700万ユーロから18万ユーロ(約2364億円)規模までふくらんだそうだ。

「これが、何が地元ゲーム開発者コミュニティーを特別なものにしているか。1つの家族になっているということなんです」(イルッカ・パーナネンCEO)

 成功の基本は「家族」であること。独立していながら、知識を分け合い、助け合い、それぞれの成功をめざす。じつはスーパーセルの経営モデルもこの考え方によるものだ。通常の企業とはまったく逆の発想でゲームを開発している。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります