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銀行口座と他社クレカの一体化も

APIエコノミーで新しい世界広げる、IBM FinTech Meetingから

2015年11月12日 09時00分更新

レガシーな業界をオープンAPIで活性化させるデジタルポスト

 3人目の登壇者は、デジタルポストで代表取締役を務める磯村康典氏。

デジタルポストで代表取締役を務める磯村康典氏

 同社が提供しているのは、ネット上でデザインしたハガキや封筒を郵送できるサービス。ひと言で表すとネットプリントサービスの会社です。

 デジタルポストは、ネット上でオーダーされたデータを印刷、発送するまでのインフラをオープンAPI化したことで注目されています。従来はスマホアプリやウェブブラウザーからのオーダーを処理するだけでしたが、APIをオープンにしたことで印刷や発送の部分を他社のサービスと組み合わせることが可能になります。

 すでに、一部の年賀状ソフトにもこのAPIを使ったサービスが組み込まれており、プリンターもハガキも自分で購入せず、郵便局に行かずとも年賀状を出せるようになっています。なおこのAPIでは、写真なら富士フイルム、一般的な印刷物なら提携している印刷工場にデータを引き渡し、印刷後に郵便局に投函するという仕組みになっています。

 磯村氏は、「日本郵便では年間190億通の郵便物を取り扱っているが、取扱量は少しずつ減っている」とのこと。郵便物で最も多いのは、クレジットカード明細や請求書、支払い証明などの金融取引にかかわる書類で、これらはウェブで参照できるようにするなど送付側としては今後も量を減らしたいと考えている分野。取扱量で2番目に多いのはDM(ダイレクトメール)だそうです。意外に思いましたが、電子メールを読まなくなったユーザーが多くなったことで最近は逆に増えているんだそうです。そして3番目に取扱量が多いのは年賀状です。

 デジタルポストのAPIを利用することで、DMや年賀状の送付などを自動化できるメリットがあるわけです。また、クレジットカード会社なども、督促状などの送付に活用したいというニーズがあるそうです。一般企業でも発送業務の自動化を考えるなら、自社の業務アプリにデジタルポストのAPIを組み込むだけでOKです。デジタルポストではハガキだけでなく封書の発送も可能なので、かなりのコスト削減になると思われます。

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