リアル社長、地獄の憂き目にあう
ゲーム終盤、ターン数は残りわずかというとき。
なんと全員が「あと一歩で夢がかなう!」状況になり、わたしも第3ステージに進み「不老不死になる」とかいうとんでもない夢をかなえつつあった。
正直、頭の回らないわたしはたいした交渉をすることもなく、みなさんの温情に支えられてなんとかゴールに近づいたようなイメージだった。ああ、たしかに現実もこんな感じなのかもしれないな、と感じる。それにしても不老不死って。
一方、最後の最後で歩みが止まってしまったのが社長だ。あと一歩というところでなかなか条件がそろわず、無情にもターン数だけが消費されていく。
最終ターン、わたしをふくめてみんなが次々に「夢」をかなえていくのを見ながら「うそだろ!」と絶叫しながらサイコロを振る社長。しかしさすがの社長は最後の最後で条件を満たし、タイムマシンをつくることに無事成功した。
ようやくゴールだ……夢をかなえた社長は最後の「プロジェクト」マスに止まり、安いプロジェクトをちゃちゃっとこなしていく。その直後、悪夢が起きた。
「これなんですかあ?」
さっきの「イベントでトラブルを抱えてくる人」が、イベントカードをぴらぴら振っていた。引き当てたのは、ステージ上の全員が強制で「夢」をリセットするという地獄のようなイベント。せっかくかなえた夢を捨てなければならない。
ほとんどのプレーヤーは研修を済ませていたので夢は変わらず。青ざめたのは研修を受けなかった社長だ。「えっ……」と顔色を変えて焦りはじめる。
新しく引いてきた「夢」を最後のターン内にとにかく実現しなければならない。社長はいままでの夢に必要だったスター社員を他人に売りまくり、夢の実現に必要な条件を、すでに夢をかなえたプレーヤーたちと猛烈な交渉をしてかき集める。
ちなみにわたしも無研修で、夢をリセットさせられたひとり。おなじように夢をかなえたみんなからカードを分けてもらい、なんとか夢をかなえることに成功した。なんかほどこしで夢をかなえられたような感じになっている。
ともかくギリギリで夢をかなえた社長(とわたし)。疲れた表情の社長は、あらためて手元のミッションカードを見て「これ……」と苦笑していた。見せてもらうと、プレーヤーのみんなが爆笑した。
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