週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

速さ100万倍! 光子コンピューター時代はすぐそこに

2015年10月01日 15時48分更新

 光によって、コンピューティングは最終的に100万倍ほど高速になる──。

 そう書いているのは、アメリカ・ユタ大学で電気・コンピュータ工学を研究しているラジェッシュ・メノン准教授。同大学の研究チームが開発している光子コンピューター技術について同大学の学内報で紹介している

 同チームが研究しているのは、プロセッサーに搭載するための超微細ビームスプリッターだ。これまで約100ミクロンほどだったビームスプリッターを2.4ミクロン、髪の毛のおよそ50分の1ほどに超小型化した。

 光子を使えば超高速に情報をやりとりできるが、コンピュータに情報を表示するとき光子を電子に変換する必要があり、遅れが出る。しかしコンピュータのプロセッサーそのものが光子を扱えるようになればボトルネックは解消できる。

 同チームの研究では今までのコンピューターチップが使えるため、コストが安いこともメリットになる。もし「光子スマートフォン」「光子タブレット」ができたら、さらに充電は長持ちし、発熱も少なくて済むだろうという。

 光子コンピューターは遠い未来の話ではない。

 すでにIBMやインテルは電子・光子ハイブリッド型コンピューターの開発をはじめているといい、メノン准教授は、およそ3年後には同チームで開発したビームスプリッタをハイブリッド機に搭載できると考えている。

 初めはスーパーコンピューターやデータセンター、次に自動車やドローンの自動衝突防止機構、そして最終的には家庭用コンピュータやモバイルデバイスへと、徐々に光子が普及していくだろうという観測だ。

 すぐそこにある光子の時代、人間はいったい何をしているのだろう──そう考えたけど、相変わらずゲームをやったり、メールを打っているような気もした。テクノロジーに合わせて人類も進化していくのかな?


この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります