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iOS 9の隠れた目玉機能、「広告ブロック」とは何か? - モバイルWeb広告における影響を考える

複数の「コンテンツブロッカー」を試す

 本稿は、当初「Peace」のみを例にコンテンツブロッカー導入方法について紹介していたが、作者のMarco Arment氏が同アプリを公開から2日でApp Storeより取り下げてしまい、その後の更新も行わない意向だと伝えている。詳しくは後ほどフォローするが、詳細な経緯は同氏のBlogの「Just doesn’t feel good」というエントリに記されており、興味ある方は読んでみるといいだろう。Arment氏はTumblrやInstapaperの開発でも知られるiOSアプリの人気デベロッパーであり、今回の結果は残念だ。

設定不要、“ブラックリスト”を順次拡張する「Crystal」

 Arment氏はPeaceの乗り換え候補として「Purify Blocker: The Best, Simplest, and Fastest Blocker for Safari」(480円)と「Crystal」(120円)のふたつを挙げているが、ここではまず、日本でも人気アプリとしてランキング上位に位置している「Crystal」を簡単にフォローしておく。

「Crystal」は、日本の有料アプリランキングでも上位に位置する人気コンテンツブロッカー

Crystal - Block Ads, Browse Faster.App
価格120円 作者Dean Murphy
バージョン1.0.1 ファイル容量2.5 MB
対応デバイスiPhone 5s以降、iPad mini 2以降、iPad Air以降、iPad Pro 対応OSiOS 9以降
Purify Blocker: The Best, Simplest, and Fastest Blocker for SafariApp
価格480円 作者Chris Aljoudi
バージョン1.0.1 ファイル容量10.4 MB
対応デバイスiPhone 5s以降、iPad mini 2以降、iPad Air以降、iPad Pro 対応OSiOS 9以降

 「Crystal」は英国のアプリ開発者Dean Murphy氏の開発したコンテンツブロッカーで、その最大の特徴は「設定は基本的に不要」というシンプルさにある。先ほどの「Peace」と同じ手順でApp Storeにアクセスしてアプリをインストールし、後はSafariの設定で「Crystal」を有効化するだけでいい。

 設定が不要な一方で、広告ブロックを適用するサイトの報告フォームがアプリ内に用意されており、審査の後に「ブラックリスト」(ブロックリスト)を順次拡張していく方式のようだ。そのため、今後の改良でさらに使いやすくなる可能性を秘めている。

「Crystal」は設定が一切不要。インストールして機能を有効化するだけで利用できる。一方で広告ブロックを適用するサイトや広告ブロック機能により表示が壊れたサイトなどを申請できる仕組みがあり、ユーザーらの手によって機能強化していける

 ただし、「Crystal」はインストール直後は広告ブロック機能が働かない。アプリを起動してしばらくするとネットワーク経由で「ブラックリスト」が自動更新されることでバージョンが上がり、ここで初めて広告ブロックが有効になる。もし現時点で広告ブロックがうまく働かないサイトがあったとしても、今後の更新で順次適用されていくことだろう。

Crystalのインストール直後は広告の「ブラックリスト」が更新されておらず、機能を有効化してもブロック機能は働かない

起動後しばらくすると「ブラックリスト」のバージョンが上がり、先ほどは効果がなかった広告ブロックが可能になる

Web行動履歴の追跡も除外、「1Blocker」

 今回はこれとは別にもうひとつ「1Blocker」(無料、アプリ内課金)も紹介しておく。

基本機能は無料だが、複数機能を同時に利用するためにはアプリ内課金が必要な「1Blocker」

1Blocker - Block ads, tracking scripts, anythingApp
価格無料(アプリ内課金) 作者Salavat Khanov
バージョン1.0 ファイル容量4.8 MB
対応デバイスiPhone 5s以降、iPad mini 2以降、iPad Air以降、iPad Pro 対応OSiOS 9以降

 「1Blocker」も基本的にはほかのふたつと同様だが、アプリそのものは無料であり、アプリ内課金で同時に利用できる機能(フィルタ)の数を増やせるという特徴がある。広告フィルタだけでなく、Webの行動履歴の追跡などの除外も可能なため、使い方次第では強力なツールになるだろう。

アプリを起動して機能を有効化し、さらにSafariの設定を有効化することで利用を開始できる。個々の機能の有効/無効や細かいルールのカスタマイズが可能(複数ルールの同時適用はアプリ内課金が必要)

 また、個々のルールのカスタマイズや拡張も可能なようなので、興味ある方はApp Storeにアクセスしてみてほしい。なお、コンテンツブロッカーは複数を同時に利用することが可能で、これによってブロック可能な機能を相互補完することもできる。

実際に「1Blocker」で広告ブロックを適用してみると、一部バナーは排除できているものの、「Peace」の例と比べてみると除去範囲は狭いように見える

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