2019年04月16日06時00分

Deep Techスタートアップのエコシステム創成へ J-TECH STARTUP認定の7社が表彰

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株式会社Aster(マテリアル)

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 Asterは、地震から命を守ることを目標に、高強度樹脂の開発・製造を行なっている。れんが造りのような組積造の建物は、ピラミッドをはじめ歴史が古く、いまだに世界で利用されている。組積造は地震に弱いため、倒壊する危険が高く、それによって命を落としかねない。

 これまで、組積造の建物を揺れによる構造崩壊のシミュレーションをしたとき、なかなか精密な計算ができず設計に生かされなかった。負荷のかかる部分を補強することで、地震に強い構造にできるものの、コストの問題や特別な職人も必要な部分もあった。

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 そこで、簡単にかつ低価格で補強するコーティング剤を開発。新築やリフォームにも対応でき、塗るだけで強固になるため、職人も不要。これにより、吹付けコンクリートや一般的な高強度樹脂に比べても耐震性は高くコストも安くできる。

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 発展途上国にも導入しやすく潜在規模は40兆円に上るとしている。

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各企業にTEP代表理事である國土晋吾氏より認定証が授与された

特許庁による技術系スタートアップのための知財戦略

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 特許庁 総務部企画調査課 企画班長(スタートアップ支援チーム)の菊地陽一氏が登壇し、短時間ながら「技術系スタートアップのための知財戦略」と題した知的財産(知財)の必要性と特許庁の取り組みを紹介した。

 スタートアップ企業は信用も設備もマーケットも何もない状態から始めている。ただ破壊的な技術やアイデアを持っているはずで、こういうものは知的財産として守られるべきものであり、企業価値を決める大きな部分である。

 日本はアメリカに比べて知的財産に対する意識がまだまだ低く、特にIT関係の特許取得件数の低さが目立つ。一方、今回受賞した企業の多くは知的財産に対する意識は高いようなのでこれには該当しないかもしれないが。

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 「自分のもの」と証明できるから実現することは、独占、連携、信用である。独占とは、自社の技術を他の人に使われないようにすることで、事業を差別化し、模倣されたときに戦うことを、連携とは、知財を大企業等との事業連携のためのツールとして用いることを、信用とは、資金調達やM&Aの評価、ブランドや技術力の裏付けとして利用することをいう。これらを踏まえると、知財はスタートアップにとって必須なツールであるといえる。

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 とはいえ、すべてに対して特許を取るべきではなく、知財戦略が必要だ。特許取得にはお金もかかるし、中身が公開されてしまうため、無駄に情報を外へ出してしまうことにもなりかねない。何を知財化するかは計画的に考える必要がある。

 たとえば、参入障壁として多数の特許をとったり、他社から知財を侵害された場合にその侵害を暴けるものは徹底的に権利化し、暴けないものは秘匿化するといった使い分けをしたり、あるいはパテントマップを作って、ライバル企業をウォッチするために使っていたりする。

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 ただ、スタートアップに通じた知財専門家が少なくなかなか適切な知財専門家に出会えないケースも多い。このため、知財は難しく何をしていいかわからないという声も多く聞く。まず、最低限考えるべきは、商品名を決めるときに他人の権利を調べること。これを行なっていないと、ローンチ語に訴状や警告を受けて、商品名の見直しやプロダクト再開発、損害賠償に発展する可能性が大きい。

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 また、コア技術を守るためにどうするべきかを考えること。出願する際の書き方によって、情報が漏れてしまうためテクニックが必要。権利をとるなら公開されてもいいのか、どの国の権利を取得するのか、権利をどう使うのかをよく考える必要がある。

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 特許庁ではこうした悩みをお持ちのベンチャー企業を支援するため、ベンチャー支援チームを作り、短期間で審査したり、料金の減免、知財アクセラレーション・プログラムIPASを用意するなどの活動を行なっている。特許庁のサイトでも情報を公開しているので、参考にしてほしい。

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スタートアップの知財コミュニティポータルサイト“IP BASE”:https://ipbase.go.jp/

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