2019年01月16日09時00分

日本のオープンイノベーションの現状と展望、「Scrum Connect 2018」を開催

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オープンイノベーションを成功に導くための鍵

 各社の取り組み紹介の後には、オープンイノベーションを成功させる鍵というテーマでディスカッションが行なわれた。過去と比べて変わったことと今後どのようなことを検討するかという問いについて本間氏は「パナソニックはこれまで家電を高機能化して届けるというビジネスモデルであったが、今後は情報技術の進展もあり、お客様に合わせてカスタマイズできるようにしている」と述べ、「それには自分たちだけではなく、専門のパートナーと一緒に進めるほうがうまくいく確率は高くなる」とオープンイノベーションを重視していることを語る。

 工藤氏は「大企業は意思決定プロセスが煩雑で見づらく、スピードが遅い。スタートアップからも情報提供のみで、大企業の目的や情報がうまく共有されない」という問題を紹介。それを解決するのに「大企業はスタートアップ側のマインドを理解しながら社内の責任者を決めて、社内イントレプレナーを作り、その人がいかにうまく動けるかが重要」と提言した。これに対し本間氏は「大企業は最初に出した戦略をなかなか修正しにくいことがあるが、アイデアをぶつけて躊躇せずに戦略を修正していくことがオープンイノベーションではもっとも大事」と述べた。

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三者それぞれの経験・立場などからオープンイノベーションについて語られた

 最後に、今後スタートアップに期待することを質問され、下記のように述べてパネルディスカッションは終了した。

工藤氏:スタートアップとの関係は競合でなくパートナーです。スタートアップが市場を切り開いて、大企業が安心感を持ってその技術やサービスを広げていくという役割分担が望ましいと思っています。

 大企業もどんどん変わっており、社内で新しいことを実施するにはどうしたらいいかという点で、権限委譲したり、分社化したりという形で受け入れる体制を作っています。レガシーがあって失敗する文化を受け入れられないところはありますが、変わろうとしている企業があります。スタートアップも、大企業の組織、事情を理解しながら、お互いに目標とするところを胸襟を開いて話しながら、新しいビジネスを生み出せるようにしていただきたいと思います。

渡辺氏:Windows 95が登場した当時は、インターネットをクリエイトするのがベンチャー企業という感じだったが、今は、既存のマーケットをデジタルでリストラクチャするようになっている。違うマーケットを作る、新しい技術を使って社会問題を解決して新しいマーケットを作るんですというアプローチだと、我々も肩肘張らずにもう少し話せるかなということがある。

 リストラクチャリングなのか、クリエイトなのかというところがこの後すごく大事になるので、大企業とベンチャーという組み合わせが、そうした少し目線を上げたベクトルになると付き合いやすくなりますね。

本間氏:かつてサンディスクという小さな企業がフラッシュメモリを開発するIPだけが頼りのスタートアップで、物が作れないからということで東芝と協業していまの隆盛を築きました。そうした観点でみると、信頼性の高い物を作って世界にデリバリしていくというのは我々のような大企業は得意です。

 スタートアップの持っているアイデアやIPについて、そうしたものを持っていない我々が持っていってしまうということでなく、ビジネスを一緒に大きくしていくパートナーとして見ていただいて、いろいろな提案をいただけるとありがたいです。

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