2018年10月10日14時00分

コンタクトセンターを変革する「Amazon Connect」、東京リージョンで提供開始へ

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 2018年10月10日、アマゾン ウェブ サービス ジャパンはコンタクトセンターサービスである「Amazon Connect」の東京リージョンでの提供開始を発表した。今後数ヶ月以内の提供を予定しており、データの国内保存、低遅延でのネットワークや0ABJ番号の利用などが可能になる。

Amazonのコンタクトセンターの要望にどこも応えられなかった

 2017年3月に発表されたAmazon Connectは従来高価で複雑だったコンタクトセンターを使った分だけ迅速に提供できるクラウドサービス。発表会で登壇したアマゾン ウェブ サービス ジャパン 事業開発本部 本部長 安田俊彦氏は、Amazon Connect開発の背景や日本での事例について説明した。

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アマゾン ウェブ サービス ジャパン 事業開発本部 本部長 安田俊彦氏

 Amazon Connectは、Amazonのカスタマーサービスを前提に自社開発されたシステムをサービス化したもの。数百万の顧客に対し、8万4000人以上のサービススタッフで対応しているAmazonのコンタクトセンターに対する要求を既存のソリューションで解決できなかったのが自社開発された背景だ。

 「Amazon Prime Dayのときは、需要を満たすため、数千人のスタッフを追加して、翌日には元の規模に縮小するような柔軟性が必要になる」(安田氏)。しかし、既存のコンタクトセンターソリューションには「複雑で使いにくい」「インテグレーションが困難」「構築コスト」「ハードウェアの設置が必要」「複雑な価格体系」などの課題があったため、ソフトウェアで自社開発したのがAmazon Connectになる。

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既存のソリューションではAmazonの要求を満たすのは困難

迅速で連携もしやすく従量課金で使えるAmazon Connect

 Amazon Connectのメリットは多岐に渡る。まず既存のコンタクトセンターソリューションに比べて、迅速な立ち上げが可能で、「数ヶ月の構築がわずか数分で」実現するという。また、GUIからドラッグ&ドロップでコンタクトフローも容易に作成できるという。

 さらにオープンプラットフォームという特徴も持っており、AWSの各種サービスやSalesforceなどのサードパーティ製品と連携することで、データ分析やAI活用など先進的な使い方が可能になる。安田氏は、「たとえば、お客様のログを分析するデータレイクのサービスや音声や感情の分析、自動応答できるチャットボットなどを実現できる」とアピール。

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サードパーティ製品や各種AWSサービスと連携できるオープンプラットフォーム

 クラウドならではのオートスケールや接続時間に応じた柔軟な従量課金制を採用しているのも大きな特徴。「従来の席数やエージェント数ではなく、お客様と会話した接続時間に応じて課金される」(安田氏)とのことで、利用料と電話料金を分単位で課金する仕組みとなっている。2018年だけでも21の機能を追加・アップデートされており、SOCコンプラインス対応、アウトバウンド用APIなど日本からの要望も組み込まれているという。

ユーザー事例や協業関係の案件を整理

 現在、アジアパシフィックでAmazon Connectを提供しているのはシドニーリージョンのみだが、今後数ヶ月以内に東京リージョンにおいてもAmazon Connectが提供される。これにより、国内でのデータを保持できるほか、音声通話に必要な遅延の少ないネットワークが利用可能になる。0ABJ番号や無料通話番号の0120なども利用できるという。

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Amazon Connectが東京リージョンで提供へ

 国内での事例も披露された。たとえば、チケット予約を提供するイープラスはAmazon ConnectでIVR(自動音声応答)のシステムを3ヶ月で構築。短期間にトラフィックが集中するチケットの抽選結果の応答を、Amazon Pollyで読み上げられるようにしている。オンプレミスに比べ、初期費用、維持費、人件費など90%以上の削減を実現したという。

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イープラスでのIVR構築事例

 また、AOKIでは社内スタートアップ事業として立ち上げられたスーツのサブスクリプションサービス「suitsbox」のCTIをAmazon Connectで実現。さらに琉球銀行でも検証中で、支店ごと分散していた受電をAmazon Connectで集中させることにより、支店業務の軽量化を狙っているという。

 前述の通り、顧客管理やBPM、ワークフォース最適化、コミュニケーションなどのサードパーティ製品との連携や、導入支援のパートナーの拡充などエコシステム作りも進めている。今回はトランスコスモス、ベルシステム24、りらいあコミュニケーションズなどがAmazon Connectを用いたコンタクトセンターを検証しているアウトソーサーとして発表された。発表会では同社のIT推進本部 本部長代理 大瀧智氏が登壇し、人材採用窓口でAmazon Connectを利用した事例を披露。また、アドバンスト・メディア取締役 執行役員 CTI事業部部長 大柳伸也氏も登壇し、音声認識技術であるAmiVoiceにより、Amazon Connectの音声データをリアルタイムのテキスト化するデモ動画が披露された。

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