2013年01月11日16時28分

気づけば会場は4K&有機ELのテレビ祭りだった:CES2013

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 デジタルAV業界的には、薄型テレビの販売不振からCESの目玉不在が毎年ささやかれている。2013年は最も悲観的になっていたが、フタを開けてみれば会場内で4K(北米ではUHD=Ultra HDと表記される)とOLED(有機EL)のテレビが各社から発表され、超高画質テレビ祭りの様相を呈していた。


4Kテレビは手の届く製品を目指す

CES 2013 AV機器

↑北米では“Ultra HD”がキーワード。東芝のテレビ商品企画を担当する本村氏も4Kテレビに自信を見せていた。

 4Kテレビ自体は昨年から日本でも東芝、ソニーが製品を発売しているので目新しさはないのだが、今年新しいのは“実際に手が届きそうな価格まで下がる”ということ。

 日本発売のトップバッターとなった東芝は、84インチ、65インチ、58インチの3モデルを発表。「1インチ1万円を目指す」(深串社長)という低価格化宣言が行なわれ、シャープも超高級モデルではない70インチの『AQUOS Ultra HD』を発表(価格未定)。ソニーも、従来の168万円もする84インチに対して、65インチ、55インチのモデルは「求めやすい価格にする」(平山社長)とのこと。さらにLGエレクトロニクス、サムスンも4Kテレビを発表(いずれも価格手未定)し、CES会場では大手AVメーカーの4Kテレビ展示エリアは連日盛況だった。

CES 2013 AV機器

↑ソニー、東芝、LGとも55インチクラスから手の届く製品をラインナップ。

 1インチ1万円で50インチが50万円でも全然安くないじゃないか! とツッコミが入りそうだが、実は2013 International CESで4Kテレビを展示していたのは日本の大手家電メーカーだけではない。近年、技術力を高めつつある中国メーカー各社も会場で普通に4Kテレビを展示していた。

 各社、試作機も多いなか突出していたのが、中国テレビメーカーの雄・Hisense(ハイセンス)だ。展示していた110インチと84インチの4Kテレビは価格未定だが、65インチは4000ドル(約35万円)、55インチは3000ドル(約26万円)、50インチは2000ドル(約17万)で今年中に発売する予定と教えてくれた(1ドル87円換算)。発売地域は米国とアジア(中国)に限定されるが、一般的な液晶テレビの製造原価の約半分はパネルなので年末ごろまでには他社も近い価格まで下落する可能性はありそうだ。

CES 2013 AV機器

↑中国Hisenseも4Kに積極的で、低価格化を期待できそう。

 4Kの映像ソース側については、ソニーが米国内でネットワーク配信によるダウンロードで4K映像の映画を直接届けるシステムを計画している。このほかソニー、パナソニック、JVCが民生用4Kカメラを展示。LGブースでは韓国KBSと地上デジタル放送を使って4K試験放送のデモ、サムスンブースでは米映像配信大手のNETFLIXが4K配信のデモもしていた。

CES 2013 AV機器

↑パナソニックが展示していた4Kカメラの試作品。

CES 2013 AV機器

↑韓国KBSはLGと共同開発し、日本のスーパーハイビジョンより先に4K放送の実用化を目論む。

有機ELテレビも続々

 OLED(有機EL)も会場内のあちこちで見られた。特にLG電子は昨年からアナウンスしていた55インチモデルの受注を開始し、韓国では2月、米国では3月に出荷される予定。価格は1万2000ドル(約104万円)になる見込みだ。LGは、白色有機ELにRGBWと4色のカラーフィルターを取り付ける比較的生産しやすい方式で、販売競争も一歩リード。サムスンも有機ELの発売を発表したが、具体的な発売スケジュールは明かされていない。

CES 2013 AV機器

↑LG、サムスンはフルHDで有機ELテレビを発売へ。LGは日本でも投入予定。

 ソニーは4K、56インチの有機ELテレビを参考展示。台湾AOUとの共同開発によるもので、酸化物半導体TFT技術と蒸着方式によって有機ELパネルを製造している。あくまで参考展示品の感想だが、4Kの高精細と有機ELの広色域により今まで見たことのないような高画質を実現している。パナソニックも有機ELで4Kの56インチを展示しており、こちらも台湾AOUとの共同開発で酸化物半導体TFT技術だが印刷方式で製造。参考展示の扱いだが、こちらも非常にコントラストの高い画質を実現していた。

CES 2013 AV機器

↑ソニーの有機ELで4Kの56インチは会場トップの高画質だった。

CES 2013 AV機器

↑パナソニックはソニーと有機ELの開発で提携しており、製造工程の途中までは共通と思われる。

 このほかにもグラスレス3Dのデモも東芝が進化した技術の参考展示をしていたり、スマートテレビや薄型テレビ関連の展示は多数あった。特にLGとサムスンのクラウドと融合するスマートテレビ攻勢はすさまじく、今後も要注目だ。

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↑ひっそりと参考出品していた東芝のグラスレス3D。視差画像を従来の9から増やして、自然に見える幅を広げている。

■関連サイト
東芝 CES2013特設サイト
ソニー 2013 International CES出展について
シャープ CES2013出展について(グローバルサイト)
LGエレクトロニクス CES2013展示のプレスリリース
サムスンCES2013特設サイト(グローバルサイト)
Hisense CES2013プレスリリース(グローバルサイト)
パナソニック 4K2K有機ELパネル プレスリリース
JVC 4Kビデオカメラ 製品ページ

CES2013まとめ:世界最大家電ショウ

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