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ボーカロイドもニコ動も、すでにMetroに移植されてた!?

クラウディアもななみも踊る Windows 8 Metroアプリ開発への誘い

2012年04月27日 08時30分更新

 Windows 8ではタッチ操作がメイン。従来のマウスとキーボードで操作するデスクトップは脇役に周り、スマートフォンのようなタッチ操作に最適化された新UI(Metro Style)になる……。

 4月24日と25日に、東京・芝のザ・プリンス パークタワーで開催された、Windows向けのアプリやサービスの開発者を招いたイベント『Microsoft Windows Developer Days(WDD)』の基調講演は連日、最新情報に目をキラキラさせた開発者で埋め尽くされた。

WDDクラウディアMMD
エレキ・ヴァイオリンとエレキ・ベースの二重奏で始まったWDD 2日目の基調講演。
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2人の奏者の生演奏と、色とりどりなレーザーが会場を盛り上げる。
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そこへ満を持して、クラウディア窓辺が巨大スクリーンに登場! でかい、でかすぎる!!(胸的な意味で)

 そんな開発者たちの度肝を抜いたのが、2日目の基調講演で突如始まった、クラウディア窓辺の3DCGキャラクターによるダンスだ。初音ミクなどの3DCGキャラを比較的簡単な操作で踊らせたり、思い思いのカメラアングルで撮って動画を作成できる『MMD(Miku Miku Dance)』を使ったデモとして、著名ボカロPのまさたかPがELECTROCUTICAとコラボして作成したもの。

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ELECTROCUTICA(Treow)のボーカロイド楽曲に乗って、クラウディアが踊る踊る!
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クラウディアのダンスは、Windows版Kinectを使って、実際のダンサーの振りをキャプチャーしたものだという。

 クラウディア窓辺は、マイクロソフトのクラウドサービス『Windows Azure(アジュール)』のPR役を務めるため、日本マイクロソフトが独自に作り出した公式キャラクター。Windows 7のPR役を担っている“窓辺ななみ”(ただし、こちらはマイクロソフト非公認)とは従姉妹という関係だ。

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町を彩るいくつもの線が、やがて8もしくは∞へと形を変え、クラウディアが駆け寄ると……
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Metro StyleなUIに入り込むクラウディア。ネットワーク接続やクラウド利用に最適化した新OS Windows 8のPRにつながる。

 そのクラウディアやななみのMMDデータが添付された、『Windows 7 DSP版付きKinect(Windows用)』が発売されたのは、今月16日のこと(関連記事)。つまり、あれが伏線となって今回の“踊るクラウディア”の基調講演へと、点と点が一本の線につながったわけだ。
 

■ ななみでも、クラウディアでもない、この少女はいったい!?
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動画の終盤では窓辺ななみがゲスト的に出演したが、最後にシルエットだけ現われた少女は、ななみでもクラウディアでもなくて……!?
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このMMD動画を作ったアプリケーションを、Windows 8のMetro Styleで紹介していく。

 もちろん単に、踊るクラウディアを見せて、(初音ミクの楽曲や動画が大好物であろう)開発者たちの興味・関心を誘ったわけではない。ヤマハの最新合成音声ソフト『Vocaloid 3』をMetro Styleに移植した開発版を見せ、音楽編集→楽曲の制作→動画共有サーバーへのアップロード(デモではニコニコ動画とYouTubeに送信)までを、タブレットPC上でスムーズに操作して見せたのだ。

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ボーンやウェイトなどが設定された、クラウディア窓辺のMMD(PMD)データ。ここは従来のデスクトップ画面だ。
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MMDにクラウディアの3Dモデルデータを読み込んで、動きを設定していく。ここも従来のデスクトップ。
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一部では売り切れも出ているようだが、16日に発売されたWindows版Kinect(Windows 7 DPS版付き)を使えば、自宅でモーションキャプチャーも可能!
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Vocaloid Editorで楽曲を作り込んでいく。ここまでは従来のデスクトップアプリと同じだが……
■ Metro Styleに移植されたVocaloid 3
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まだ開発中ではあるが、Metro StyleのUIに移植されたVocaloid 3の画面。
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Metro Styleのエディター画面。操作系のボタンもずいぶんシンプルになっている。
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Windows 8のアプリ購入機能に対応したVocaloid Storeから、新しいVocaloidを試用し、購入してみる。

 続いて、ニコニコ動画のMetroアプリをデモ。こちらはわずか1週間で開発したという。今週末に幕張メッセで開催される大イベント“ニコニコ超会議”でもこのアプリがデモ展示されるとのこと(ニコニコ超会議の超まとめ記事)。

■ ニコニコ動画もMetro対応アプリが!
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ニコニコ動画のMetro Style版もデモされた。先ほどアップロードしたばかりのクラウディアのMMD動画がピックアップに登場している!
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キーボードを持たないタブレットPCでも、ソフトウェアキーボードでコメントの入力が可能。

 このほか、ムビチケがWindows Phone用に現在提供中の映画チケット配信サービス『ムビチケ』のMetro版のデモも行なわれた。このアプリは映画館に足を運ぶまでの、次に見たい映画探し→上映している映画館探し→チケット購入までを一連の“楽しめる動作”にすることで、より映画に親しんでもらおうという仕掛けだ。

 具体的には、予告映像などから好みの映画タイトルを探す。次に選んだ映画を上映している映画館の一覧から、行きたい場所を選択。すると地図アプリと連動して映画館までの道のりや近隣の飲食スポットなどが提案される。最後のチケット購入は電子チケットで、紙のチケットを残しておきたいコレクター向けに“ハイブリッドサービス”(発券もするが、裏面が購入した映画チケットのデジタルコードになっている)も提供するという。

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ムビチケが提供している、Windows Phone用のチケット配信サービス『ムビチケ』をMetro Styleに移植した。
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ここで映画を選ぶとトレーラームービー(予告編)が流れ、内容を確認できる。
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見たい映画が決まったら、どこで見るか劇場を選択。地図アプリと連動して、映画の後の食事や遊びスポットも探せる。

 この基調講演でデモされたMetro Styleアプリは、短いものなら1~2週間、長くても1~2ヵ月で開発されたものばかりだ。Metro Styleに対応するアプリケーションは、年内予定というWindows 8の登場までに加速度的に増えそうだ。

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Windows PhoneとWindows 8(Metro Style)のUIの共通性をアピールし、移植作業の容易さを強調していた。

■関連サイト
WDD公式サイト
ニコニコ超会議サイト
ムビチケ
 

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