エアバスA380は「空飛ぶホテル」と呼ばれ
ホテル仕様の豪華な設備を備えた機体
エアバスのA380は、ANAでは特別塗装機で運用されていますが、ほかの航空会社では大きなキャビンスペースを活用して、独自のサービスをしているところも多くあります。たとえばエミレーツ航空では、ファーストクラス用にシャワーブースが用意されており「空飛ぶホテル」とも言われています。
シンガポール航空では独立型ベッドを備えたファーストクラスを超える「スイート」を設置。また筆者も搭乗経験がありますが、カタール航空ではビジネスクラスとファーストクラス向けに、機内ラウンジとして本格的なカウンターバーを用意しています。
このように旅客機のなかでも特別感があるA380。ですが2007年のシンガポール航空でのデビューから16年が経過するなか、大型機のため旅客需要が大量に見込まれる路線への投入が限定され、また2階建てのため乗り入れる空港もボーディングブリッジなどの改良が必要となるなど、運用には難しい面も。
また航空路線もコロナ禍前から中型機をメインに多頻度で飛ばすというのがトレンドになってきたこともあり、A380の受注は激減。2020年9月に最終機の組み立てが完了しついに生産終了となってしまいました。また、納品された機体もコロナ禍により運航停止をする航空会社も増えており、各社では徐々に退役も進んでいます。
というわけで、仲間がどんどん減っていくなか、やっと初便に就航できたANAのフライングホヌ3号機。これからA380に乗れる機会もどんどん減っていくので、興味のある人は是非お早めに搭乗して、巨大な旅客機を体験しておきましょう!
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヶ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう