週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ベンチで知る“第14世代”、Core i9-14900K/Core i7-14700K/Core i5-14600Kは何が変わった?

2023年10月17日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

消費電力はガッツリと増加

 前編の締めくくりは消費電力や熱関係の検証といこう。まず消費電力だが「Powenetics v2」を利用し、ATX/ EPS12V/ 12VHPWR/ PCIe x16スロットを流れる電力を直接計測する。計測のシチュエーションは前掲のHandBrakeテストにおける1本目、即ちSuper HQ 1080p30 Surroundでエンコード開始から終了までとした。その間の電力をPowenetics v2で追跡し、平均値と最大値を計測。またアイドル時は1分間の平均値を計測した。

システム全体の消費電力:エンコード時におけるシステム全体の実消費電力

CPUの消費電力:Powenetics v2で得られたシステム全体の消費電力から、CPUの消費電力だけ抽出したもの

 Core i9-14900Kの消費電力はCore i9-13900KSと同等以上。つまり電力を注ぎ込んで強引に高クロックで回しているのがCore i9-14900Kといったところか。Core i9-13900KSはPBP150W設定に耐え、電気的な素性の良いダイで構成されたエリート中のエリートであるため、Core i9-14900Kよりも電力のスパイク(最大値)も低いし、平均値でもCore i9-14900Kを下回る。

 Core i7-14700KはCore i9-13900Kに迫る性能を出しているが、電力消費的には相応といえる。Core i5-14600KはCore i5-13600Kに対し性能微増といったところであまりパッとしない印象だが、消費電力も微増にとどまっており、上位モデルとは正反対の大人しいマイナーチェンジ版といった印象だ。

 そしてこのエンコード中のCPUクロックやCPUパッケージ温度を「HWiNFO Pro」で追跡してみた。時間の制約上、Core i9のみに絞って解説する。

エンコード中のCPU Package温度

 Core i9-14900Kも13900Kも、エンコードを開始したらあっと言う間に100℃に到達。そこから先はブレの差はあれど、ほぼ同じような所で変動しており、特にこれといった差はない。ただCore i9-14900KにPPPを適用し電力制限下で運用すると、温度は20℃近く下がる。この状態でもエンコード速度は電力無制限運用のCore i9-14900Kと大きく変わらないのだから、1分1秒が惜しい状況でなければ、電力制限をかけて運用するのが良いのかもしれない。

エンコード中のCPUクロック(Core i9-14900K):全コアの平均値、およびPコア/Eコアの最大値をプロットした

エンコード中のCPUクロック(Core i9-14900K (PPP)):全コアの平均値、およびPコア/Eコアの最大値をプロットした

エンコード中のCPUクロック(Core i9-13900KS):全コアの平均値、およびPコア/Eコアの最大値をプロットした

エンコード中のCPUクロック(Core i9-13900K):全コアの平均値、およびPコア/Eコアの最大値をプロットした

 電力制限をかけたCore i9-14900K (PPP)を除外すると、Core i9-14900K/Core i9-13900KS/Core i9-13900Kのクロックはどれも似たような印象を受ける。Core i9-14900KとCore i9-13900KSはともにブースト設定が最大6GHzで並んでいるが、Pコアのクロック推移を見るとCore i9-13900KSのほうがわずかに高いクロック(5.5GHz近辺)で頑張っており、反面Core i9-14900Kはそれよりやや下、5.4GHzに降りてくる時間がより長い。

 クロックの設定が一見同じでも、Core i9-13900KSよりCore i9-14900Kのほうがわずかに遅いテスト結果が出たのは、PBP設定やダイの電気的特性の違いによるもの(もっと言えばKSのスペシャル性)といえる。

後編はゲーム検証

 駆け足だが以上でCoreプロセッサー(第14世代)の検証は終了だ。後編はゲームの検証をお届けする。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事