G-Master Hydro Z790 Mini/D4をレビュー
120mmラジエーターでも大丈夫? 13700K&RTX 4070 Tiのデュアル水冷ゲーミングPCで検証
ゲームベンチマーク中のGPU温度もチェック
水冷クーラーはビデオカードにも装着されている。こちらも十分な性能が発揮できているのか、別のテストで確認してみよう。試したゲームベンチマークソフトは、重量級となる「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF15ベンチマーク)。GPUはさることながらCPUの負荷も高いソフトなので、ビデオカードのGPU温度だけではなく、CPUの温度にも注目したい。
結果は15363スコアーで、最高評価の「非常に快適」となった。GPU温度はテスト開始時から温度が上がり始め、74度近くでストップ。その後は70度前後で安定しているため、かなり余裕があると言える。間違いなく十分に冷却が間に合っている状態だ。
一方で、CPUのパッケージ温度はなかなかに興味深い結果になった。80度超えが連発するという、高負荷なCGレンダリングよりも高温になる頻度が多かったのだ。高負荷が連続すればPL1動作になるが、ゲームのように負荷が短いスパンで変化する場合は、ほぼPL2で動作するためと考えられる。実際、CPUの消費電力の大部分は125W以下となっているものの、シーンによって140W前後まで高くなっていることがあった。
もちろん、冷却不足が懸念される90度台まではまだ余裕がある。しかし、PL2設定を上げると、ゲーム中にCPU温度が危険域まで達してしまう可能性もある。性能と安定性のバランスを考えれば、サイコムによるPL1:125W、PL2:160Wという設定は、かなり絶妙なものだったと言える。
定番ベンチマークソフトで総合性能も検証
高負荷な処理やゲームでも十分性能が発揮できることがわかったところで、定番のベンチマークソフトもチェックしておこう。まずはPC総合性能を測る「PCMark 10」から。
このベンチマークソフトはブラウザーからビデオ会議、オフィスソフト、CGレンダリングまで多くのソフトを動かし、その性能をスコアーにしてくれる。そのため、極端な偏りがなく、PCの総合的な性能を計測する上で都合の良いソフトだ。
結果は総合スコアーだけではなく、ブラウザーやビデオ会議といった一般用途の「Essentials」、オフィスソフトの性能を測る「Productivity」、CGレンダリングや動画・画像編集といったクリエイティブ用途の「Digital Content Creation」といった3つのサブスコアーもチェックできる。
総合スコアーは8958と高めで、Core i7-13700KとGeForce RTX 4070 Tiという、アッパーミドルコンビにふさわしい成績だ。サブスコアーも優秀で、ゲームはもちろん仕事や動画編集まで、どんな用途でも快適に使えるポテンシャルがあることは明白だ。
続いてはストレージ性能を見てみよう。試用機は標準構成と同様、Crucial製PCIe SSD「P5 Plus」(500GBモデル)を搭載している。SSDの情報は「CrystalDiskInfo」、速度は「CrystalDiskMark」で確認していこう。
PCIe 4.0×4接続のSSDだけあって、実効速度はかなり高速だ。特にシーケンシャルリードは約6729MB/sと速く、ファイルコピーや動画編集などで有効に働くだろう。
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