発熱も改善! ソニーマニアがXperia 1 Vと歴代Xperiaを比較してその進化を検証!
逆光時にフレアやゴーストが発生しやすいが
AI処理も自然でエモい写真が撮影できる
実際にXperia 1 Vを手に入れて、24mmカメラを中心に撮影してみました。木陰の中に咲く紫陽花を撮ってみると、木漏れ日の当たる明暗部も自然に表現されていたり、背景の自然なボケ味もあって奥行きも感じられます。コンピュテーショナルフォトグラフィーにありがちな意図的に作られた絵作りにならず、センサーの性能でこうした写真が撮れるので撮影するモチベーションが跳ね上がります。
この作例は6月に撮ったもの。6月は梅雨のシーズンということもあって、雨が降ったりやんだりで、本格的なカメラだと濡れてしまったらどうしよう? と躊躇しがちです。しかし、こういう時こそ防水性能があるXperiaだと、雨も水しぶきも気にせず撮りたいときにガンガン撮れます。作例はレンズのヌケの良さも手伝って、みずみずしさが伝わってきていいですね。
使っていて気になったのは、逆光のときに結構フレアやゴーストが入りやすいところ。同じシチュエーションでXperia PRO-Iで撮ると、そこが抑えられていたので、それぞれの得意不得意もあるようです。
日が落ちきっていたので、こんなときこそ重ね合わせを使えばもっと暗部が持ち上がった写真になって、Xperia 1 Vの作例としては良かったのかな? と思いつつ、これはこれで気に入っています。
Photoshopで暗部を持ち上げてみると、さすがにノイズはありますが、ちゃんとディティールが残っていて、これならあとから自分好みに編集してもいい感じの写真にブラッシュアップできそうです。まだ使い始めて間もなく、気の利いた写真が少ないのですが、デジタル一眼カメラに匹敵するとは言い過ぎとしても、ポケットに入るスマホでここまで撮れるようになったのかと感心するとともに、撮影するモチベーションも上がってきます。
また、Xperia 1 Vのカメラの魅力は、機能のゴリ押しだけではなく、写真や動画を楽しめる機能が投入されていること。その1つが「クリエイティブルック」で、撮影するタイミングで好みの色味(雰囲気)にして撮れる色のプリセットであり、「Photography Pro」でも「Videography Pro」でも、静止画でも動画でもどっちにも適用できます。6つの効果の中から選ぶことで、見た目にわかりやすく色味が変わり、自分の好みの雰囲気にして撮るというカメラの基本の醍醐味が味わえます。下の動画はVideography Proで撮影した動画ですので、参考までにご覧ください。
それからもうひとつ備わった「S-Cinetone for mobile」。元をたどれば、映画の世界で使われているソニーのCineAltaカメラ「VENICE」の画作りを参考に作られたピクチャープロファイル「S-Cinetone」を、デジタル一眼カメラ「α」シリーズやVLOGCAMにも使えるようにしたというところからスタートしています。
さらにスマホで使えるようにと搭載されたものが「S-Cinetone for mobile」です。ものすごい雑に説明すれば、このモードにして撮ればエモい映画っぽい色味になるよ、というものです。フィルムライクな絵作りに加えて、120fpsのスローモーションをかけ合わせると、より日常のシーンが非日常の動画になる。これもまた動画を撮ることが楽しくなる要素です。
そのほか、画面が視認しづらい時にお役立ちの「ピーキング」表示や、大きく表示して微細にフォーカスをあわせやすい「ピント拡大機能」が備わって、精度高く撮影できるようになりました。こうした痒いところに手が届くというか、遠回りしているようで“カメラを使いこなせてる感”こそが、フルオートであっけなく生成してしまうスマホとは異なるアプローチなのだと思います。
事実、のめり込めばのめり込むほどに、もっとこだわりたいという気持ちが芽生えてきて、結局かたわらに巨大な一眼カメラをぶら下げているので、いい具合に誘導されているなと思います。
マニアックといえば、筆者のハートをガッチリつかんだのが、「外部モニター」アプリです。これはUSBケーブル1本でαカメラ・VLOGCAMと接続して、Xperiaの画面をそのまま大きなモニターとして利用できるという機能なのですが、もう進化のフリ切れっぷりがすごいです。モニター表示にして、 ピーキング、ゼブラパターン、波形表示とかフォルスカラーといった、動画撮影をする際に実用的な機能を備えて、しかもプリセットで変更できるとかプロ用モニターに迫る機能なのです。
しかも本体とは別に、モニターと化したXperia 1 Vのストレージに、カメラの映像をバックアップ録画までできてしまいます。さらに屋外の太陽光下でもしっかり視認できる輝度も持ち合わせているので、ガチ撮影時の最高のオトモとなります。誰が使うんだこんな機能! とツッコミを入れながら、いやもう、使っていて楽しくて仕方ありません。
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