週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

フォレスターのFRチックなテールスライドと氷点下二桁台の燃費

2023年02月12日 09時00分更新

リアから滑り始める愛いヤツ……という落とし穴

 このホイールに履かせたスタッドレスタイヤは北の定番、ブリヂズトンの「BLIZZAK DM-V3」です。サイズは純正と同じ225/60R17。重心の高いSUV専用に開発されたという触れ込みのタイヤで、先ほどのディーラーで取り付け工賃込み11万円。他よりお高いですが、年数を経てもゴムが硬化しにくく、長く使えて結局お得というのがこのタイヤの評判です。

 舗装路面ではトレッド面が柔らかいおかげで乗り心地は良好。にも関わらずハンドリングはシャープで横方向の腰砕け感もなく、車重のある腰高なクルマであることを意識させません。スタッドレスタイヤは横に細かいサイプが切られているため、ピッチを伴うノイズがつきものですが、それもほどほどに抑えられています。ノーマルタイヤより排水性は劣るので雨の高速をすっ飛ばす気にはなれませんが、それ以外は夏タイヤと変わりません。

 しかし、たとえタイヤの性能が十分でも、雪が降ると車重1.7トンというフォレスターの弱点は隠せません。今までの感覚で減速しても止まれず、日陰になった坂の下りや路面の磨かれた交差点ではザザザーッとABSが顔を出します。普段より手前から微速に落とす癖を付ければ済むとはいえ、冬はやっぱりSUVの運転はつまらないんだなあというのが第一印象でした。

 ただうっかり滑らせてしまった際の挙動はちょっと面白い。アクセルオンで滑るのは必ずリアから。おお、まるでFRのようではないか、愛いヤツよのう。もしかしたら冬でも運転楽しめるんじゃないのフォレスター。うほほほほ。

 問題はそんな浮かれた心持ちから大急ぎでカウンターを当ててしまう私の癖です。このクルマ、後輪が滑っても直ちにハンドルを切った方向へ進もうとするようで、あまり慌ててカウンターを当てても、またリアが逆方向へ滑りはじめる。おわわわわっ。

 駆動力の配分やらスタビリティーコントロールやらで、挙動を制御しているのでしょうか。実際、滑ると外へ膨らむだけのビスカス四駆に比べて御し易いですが、身についた動作もなかなか捨てられません。リアが滑りはじめたらハンドルは中立付近に戻すだけ。そもそもリアが滑るような加速やコーナリングはしない。そういったことを心がけつつ、まだフォレスターとの対話は継続中です(楽しい)。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事