強力な手ぶれ補正とトリミングに耐える高画素がウリ
EOS R7のウリはフォーカス以外にもボディー内に5軸手振れ補正を持ち、また一部のレンズではレンズ側の手振れ補正と協調して手振れ補正をするということも挙げられます。EFレンズ群では協調した手振れ補正はありませんがレンズ側で横回転と縦回転の軸手振れを補正し、ボディー側で上下左右と光軸を中心とした回転軸の3軸の手振れ補正をします。これにより実質的に5軸手振れ補正が効いているのと同じ状態となり、レーシングカーの流し撮りでもレーシングカーをフレームの中に的確に収めることに集中できることが強みになるのです。
実はEOS R系の中ではEOS R5に次いで高画素な3250万画素の撮像センサーを持つEOS R7は、トリミング耐性にも優れます。長さ比で1.5倍程度のトリミングであれば元々が3250万画素もあるのでトリミング後の仕上がりは1600万画素相当となり、トリミングをした状態であっても十分に解像感のある写真を得られます。
続いてEF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USMで撮影した写真をご覧ください。歩きながらの撮影でも大きな手振れが起きずにきれいな写真を撮影できます。ただし、APS-Cの一眼レフ機専用に作られたEF-SシリーズなのでEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMに比べれば解像感は劣りますが、フォーカス性能と実質5軸となった手振れ補正機能でEOS R7用の標準ズームとして「とりあえず」使うことに躊躇はないと思われます。
こちらはEF-S18-200mm F3.5-5.6 ISという高倍率ズームレンズで撮影したものです。フルサイズ換算で29mmの広角から320mmの望遠までをカバーする便利ズームですが、望遠側ではレンズに搭載される手振れ補正機能でも効きにくく、個人的な評価では扱いにくいレンズとしていました。またフォーカス速度もあまり速い方ではないのでレースなどを撮影するには不向きなレンズです。しかしEOS R7のボディー側で3軸分の手振れ補正が機能追加されることで俄然このレンズの利便性が際立ってきました。
フォーカス速度があまり速くなくてもいい、表彰式などでは表彰台全域とアップを1本のレンズで撮影できるということが大いに役立ちます。
結論としてEOS R7は連写性能、フォーカス性能、手振れ補正と言う3点で自動車レースなどの動くものを撮影するのには最適なカメラと言えます。ベストは最新で専用のRFレンズを使用することですが、高解像度、フォーカス性能、手振れ補正の3点をもって既存のデジタル一眼レフ用だったEFレンズ群を使うこともオススメできます。それもこれまでのデジタル一眼レフのどの機種よりそのEFレンズ、特にAPS-Cフォーマット専用のEF-Sレンズの性能を引き出し、ベストの状態で撮影できるカメラだと言い切れます。
このEOS R7の唯一かもしれない最大の弱点は「納期」でしょう。7月に注文をしてギリギリ年内にEOS R7を受け取ることができるかどうか。コロナ禍での生産拠点の稼働や半導体不足など様々な要因があるとは思いますが、待たずに買えるようになれば本当にオススメできるカメラなのです!
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