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貴重な対面の時間をつまらない会議でつぶすのは悲劇

Evernote創業者によるビデオコミュニケーションツール「mmhmm」

2022年06月27日 09時00分更新

コロナ禍で沈みがちな気分を写真が癒してくれた

 mmhmmは、Evernoteの創業者であるフィル・リービン氏が設立した企業であり、リービン氏が率いるAll Turtlesの社内会議がきっかけで開発がスタートし、スピンアウトした。

mmhmmは、日本の写真を社内で紹介することがきっかけだったという

 「コロナ禍になって約1カ月を経過した2020年5月頃は、Zoomの退屈な会議の連続で、みんなの気分が沈みがちだった。その時に、ビデオ会議でも、人々を笑顔にしたいと思った。そこで考えたのが、私がこれまで日本で撮影した写真を見せることだった。サクッとアプリを作り、日本で撮影したインスタグラムの写真を仕事の合間に表示してみせた」と、mmhmmのフィル・リービンCEOは振り返る。

社内で紹介した日本の写真

 実は、リービンCEOは、大の親日家としても知られる。

 「コロナ禍前には、ほぼ毎月のように日本に行っていた。日本が恋しくて仕方がない。数カ月以内には、再び、日本に行けると思っている」と、日本への思いを寄せる。そのリービンCEOが、かつて、日本を訪れたときの写真を、社員に見せたいと考えたのがきつかけだったという。

かつてのEvernote本社の様子。ベイエリアのレッドウッドシティにある

 筆者は、いまから10年前に、米シリコンバレーのEvernoteの本社を訪問したことがあった。社内ではペッドボトルや缶の飲み物が無料で飲めるようになっていたが、そのなかにリービンCEOがお気に入りだった伊藤園の「おーいお茶」が含まれていた。しかも、冷蔵庫の横には、「おーいお茶」の立て看板を用意するほどのこだわりだった。

社内では「おーいお茶」が定番であった

 リービンCEOは、「会議で写真やビデオを見せることが、パワフルなアイデアであることがわかった。人に役立つ製品であり、コロナ後もずっと有効に活用できる。コミュニケーションに、スーパーパワーを提供しつづけられる製品になると考え、それ以来、情熱をかけて作ってきた」と語る。

 2020年7月に、Mac向けにプライベートプレビュー版をリリース。mmhmmを独立させるとともに、資金調達を開始。約1年間で、シードラウンド、Aラウンド、Bラウンドをあわせて、約1億3600万ドルの資金を調達した。日本からの出資も多く、ソフトバンクビジョンファンド、WiL、デジタルガレージ、Mistletoe、スクラムベンチャーズが名前を連ねている。

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