コスパ重視の格安エントリーPCの実力はどのくらい?
エントリーPCの構成であれば、B660とH610で性能に差がないことは確認できたが、そもそも、このエントリーPCの実力はどのくらいなのだろう。
ここからはより実用途に近い、ゲーム性能、動画エンコード性能、写真現像性能についてチェックしていこう。もちろんチップセットによる違いも確認しているが、先に結論を言うと、これらの用途でも性能差はなかった。
まずはゲーム性能を調べるため、「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」の2つを試してみた。
ちなみにこのゲーム性能は、ビデオカードを使用した場合の参考として、GeForce GTX 1660を搭載した「GV-N1660GAMING OC-8GD」を挿した状態でも試している。
3DMarkで試したのは、DirectX 11を使った「Fire Strike」。軽めのゲーム性能を見るのに向いているテストだ。
CPU内蔵グラフィックが足を引っ張り、スコアは1243とかなり低い。残念ながら、ゲームを快適にプレーできるほどの3D性能はない。
同じCPUでも、GeForce GTX 1660搭載のビデオカードを搭載するとどうなるかといえば、次の結果を見て欲しい。
遅いのはあくまで内蔵グラフィックで、CPU性能としてはゲームで遊ぶのにそこまで遅いわけではないというのがわかる結果となった。
続いて人気MMORPGのデータを使ったベンチマークソフト、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」を試してみよう。
CPU内蔵グラフィックでギリギリ動作するラインを探ってみたところ、解像度を「1280×720」、画質設定を「標準品質(デスクトップPC)」に落とすことで、なんとか評価を「普通」にまで引き上げることができた。
なお、フレームレートをチェックすると、平均で約41fps、最低で16fpsとなかなか厳しい。キャラクターが増えるとそのぶん負荷が高くなるため、頻繁なカクツキを覚悟した方がよさそうだ。
ちなみに、GeForce GTX 1660だとどうなるかといえば、解像度を「1920×1080」、画質設定を「最高品質」まで引き上げても、スコアは13518。評価は「とても快適」という結果だった。フレームレートも平均で約131fps、最低で51fpsと高く、滑らかな表示でゲームが楽しめるだけの実力があるのは間違いない。
もう少し軽めのゲームではどうなるか気になったので、「Rainbow Six Siege」のベンチマーク機能を使って性能を見てみよう。
APIに「Vulkan」、解像度は「1280×720」、画質は総合品質を「低」にした場合の結果がこれだ。
明らかに3D性能が足りていないのは間違いないが、解像度と画質を下げることで、なんとか遊べなくもないレベルとなった。と言っても、とりあえずひと通りの動作はできそうだ、というくらい。一瞬の判断が勝敗につながるシューティングでは、このフレームレートは明らかに不利。ゲームが動いても、楽しめるとは言い難い状況だ。
3D性能が重要ではないブラウザーゲームやストラテジーといったものであれば遊べるが、MMORPGやシューティングは厳しい。
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