4804Mbpsの実力をチェック─Wi-Fi速度ベンチ
それでは、早速、「TUF-AX5400」の速度を計測してみよう。
計測地は、筆者宅である都内3階建ての戸建て木造家屋。WAN側は光回線だが最高通信速度は1Gbpsだ。「TUF-AX5400」の最高速度である4808Mbps、つまり4.8Gbpsでの通信速度をインターネット回線を利用して計測しようと思うと、WAN側の速度がボトルネックになってしまう。一方、LAN内のスループットを計測した場合、今度はLAN内に設けたサーバー側のイーサネットボード(NIC)が1000BASE-Tであるため、こちらも1Gbpsで頭打ちとなる。本来であれば10GbE環境を用意したいところだが、実際に導入するにはまだ価格的にもこなれいないことから一般に普及しているとは考えづらく、実態に即した計測にはなりにくい。
なんだ、それでは4804Mbpsの通信速度なんてあまり意味がないじゃないか、とお思いになる方もいるかも知れないが、実はそういうわけでもない。
「TUF-AX3000」の2ストリーム環境から「TUF-AX5400」の4ストリーム環境へと乗り換えるだけで、1000BASE-Tネットワーク下でも、十分な速度アップが見込めるのだ。
今回計測に用いたのは「iPerf3」。「iPerf3」は、クライアントとサーバーの間のネットワーク帯域幅と実効速度を測定するためのツールで、第8世代のCore i7を搭載したデスクトップ機をサーバーにし、1000BASE-Tケーブル(カテゴリ6)でルーターに有線接続。クライアント側はWi-Fi 6での通信が可能なノートPC、第8世代Core i7搭載の「HP ELITEBOOK」を使用し、Wi-Fi接続している。
テスト機環境 | ||
---|---|---|
サーバー機 | クライアント機 | |
CPU | Core i7-8709G(3.1GHz) | Core i7-8565U(1.80GHz / 1.99GHz) |
メモリー | 16GB | |
OS | Windows 10 Pro(バージョン20H2) |
なお、「iPerf3」はサーバー機側のスペックによって通信速度に差が出るため、計測環境によっては、今回の検証結果とは相違があることをご了承いただきたい。
次に、計測作業環境を説明しておこう。
筆者宅には2階の書斎(マップ内「Home Office」)にサーバー機があり、光回線のONU、ルーターである「TUF-AX5400」もここに設置してある。
まず、我が家でもっとも通信機器を使うこの部屋での計測ポイントを「A」とし、続いて同じく2階にある寝室を計測ポイント「B」としている。
1階は、Android TVである大型テレビや家人のスマホやタブレットの利用、最近では在宅勤務時の作業部屋としても利用される20畳ほどのリビングルームを計測ポイント「C」、スマホでゲームを遊びながら入るとつい長居してしまう(笑)トイレを計測ポイント「D」、そしてたぶん我が家でもっともWi-Fiが入りにくいと思われるキッチンを計測ポイント「E」とした。
最後に3階。3階は子ども部屋とカミさんの書斎の2部屋があり、子ども部屋を計測ポイント「F」、書斎2を計測ポイント「G」として、合計7箇所で、「TUF-AX5400」での通信、「TUF-AX3000」での通信の両方の計測を行った。
結果は以下の通り。
速度計測結果 | |||
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計測ポイント | TUF-AX5400 | TUF-AX3000 | 倍率 |
A (2階 書斎) |
740Mbps (min:652 / Max:765) |
467Mbps (min:403 / Max:496) |
1.58 |
B (2階 寝室) |
608Mbps (min:530 / Max:646) |
414Mbps (min:374 / Max:467) |
1.47 |
C (1階 リビング) |
436Mbps (min:335 / Max:498) |
273Mbps (min:200 / Max:306) |
1.60 |
D (1階 トイレ) |
253Mbps (min:175 / Max:315) |
104Mbps (min:90 / Max:115) |
2.43 |
E (1階 キッチン) |
230Mbps (min:180 / Max:264) |
161Mbps (min:95 / Max:206) |
1.43 |
F (3階 子供部屋) |
456Mbps (min:425 / Max:513) |
198Mbps (min:123 / Max:259) |
2.30 |
G (3階 書斎2) |
617Mbps (min:561 / Max:649) |
300Mbps (min:93 / Max:462) |
2.06 |
流石に、すべて倍速とはいかないが、すべての場所でおおよそ1.5~2倍強の速度アップができている。
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