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VAIO のレジェンド開発者たちに訊く

ブレイクスルーを目指した4面カーボンボディが生まれるまでのぶっちゃけ秘話

2021年05月28日 11時00分更新

チルトアップ機構を保ちながら180度に開くようになったディスプレイ

使い勝手とカッコよさを両立したデザイン

――デザイン面では液晶ディスプレイを開く際、スムーズにキーボードがせりあがるギミックがかっこいいですよね。

武井 「我々はチルトアップヒンジと言っていますが、ここがデザインの妙です。VAIO Zでは特徴的なオーナメント形状とも相まってディスプレイを開いて側面から見たときにセット後方が浮いているかのように見えるんです。一方、せり上がりつつディスプレイが180度開く構造は今までになく工夫しました。軸のヒンジ軸位置を移動して実現しましたが、ボトム部分にかまぼこ状の突起があるのは迫ってきたヒンジ軸を収めるためだったのです」

見る角度によっては、浮いたように見える

ヒンジ部分をかまぼこ状の突起部分に収めることで、180度開閉を実現している

――ボトム部は非常に開口部が少ないです。例えば、スピーカーの音はフロント部の細いスリットから出る仕組みで、非常に目立たないようになっていますね。

武井 「スピーカーは今まで、ボトムに穴を開けて、テーブルに音を反射させる仕組みにしていました。ただ、そうするとテーブルの材質や手に持って使用する際に、音質が変わってしまうのです。新しいVAIO Zでは、テレワークやステイホームが増える中、ビデオ会議や映画の鑑賞などを想定して音圧がありクリアな音を出したいと考えました。カーボンファイバー筐体であるパームレストの手前を鋭角に曲げて、切り欠きを設けることでそこからセット手前にむけてダイレクトにスピーカーの音を出せるようになりました。これによりVAIO Zならではの迫力のあるスピーカーに仕上がったと思っています」

――天板もパームレストも指紋がつきづらく、非常に扱いやすく感じています。

武井 「塗料を一新して、耐指紋にも考慮しています。パームレストはこれまでのようにアルミではなくカーボンファイバーなので、塗装でも傷がつきにくい処方にし、そのうえで手触りもよく、しっとりした感じに仕上がっていると思います」

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