1kgアンダーの5in1 PC「dynabook V8/P」を触って理解
ノートPC選びで迷ったらIntel Evoプラットフォーム対応PCで間違いない理由
定番ベンチマークで性能をチェック
では、定番ベンチマークソフトを利用してdynabook V8/Pのパフォーマンスをチェックしてみよう。今回は特に比較対象を設けず、“こんな値が出た”程度の感覚でご覧いただきたい。
まずは「CINEBENCH R23」と「PCMark 10」を回してみた。CINEBENCHはPC系レビュー記事ではフルスレッドでCPU使用率100%で動くテストがあるため、CPUコアの地力を測る定番のソフトとなっている。では実際にどんな処理をしているのかというと、MAXONの3D CGソフト「Cinema 4D」のエンジンを用いて3D CGレンダリング処理を行ない、それをスコアー化している。
とはいえ、3D CGレンダリング用途で一般的な軽量ノートPCを求めるユーザーは多くはないだろう。誰もが試せる無料のベンチマークソフトなので、あくまで手持ちの古いノートPCと比べる指標として、購入時の参考にしてほしい。
一方で、PCMarkは文書作成やWebブラウジング、軽い写真編集など、ビジネスシーンや普段使いといった幅広いシチュエーションにおいて求められる総合的な性能を測るソフトだ。その結果から考えれば、dynabook V8/Pは十分快適な性能が得られたと言える。
余談になるが、第11世代Coreプロセッサー搭載ノートPCに関して興味深い資料がある。それは、ACアダプター接続時とバッテリー駆動時の挙動の違いだ。まずはその資料を見てみよう。
上記の資料はIntelが調査した、ACアダプター接続時とバッテリー駆動時におけるPCMark 10のスコアー差を示したもの。ご覧の通り、Core i7-1165G7などの第11世代Coreプロセッサー搭載ノートPCはどちらの環境でも差が少なく、バッテリー駆動時でも十分なパフォーマンスを発揮していると言える。
その一方で、AMDのRyzen 4000シリーズ搭載ノートPCは軒並み大幅に性能が下がっている。下がり幅が大きなモデルだと実に38%もダウンしているのだ。これは一体どういうことなのだろうか? もうひとつの資料も見てみよう。
こちらはCINEBENCH R20のスコアー差を示したもの。不思議なことに、こちらのテストではRyzen搭載ノートPCのスコアーの下がり幅が極端に減っている。つまり、ACアダプター接続時とバッテリー駆動時で結果が大きく変わる類のベンチマークソフトがあるということだ。そして、この理由は次の資料がカギとなる。
上記の資料によれば、AMD CPU搭載ノートPCは動作クロックが高くなる(burstと表記)=電圧と消費電力が増えるタイミングが、バッテリー駆動時においてはACアダプター接続時から7~10秒遅くなっているのだ。
最初からCPUの持てる力を全力で回転させる設計のCINEBENCHならこの遅れの影響は少ないが、オフィス系のアプリやウェブ会議などを模したテストを断続的に繰り返し、現実世界の作業をシミュレートするPCMark 10では致命的だ。テストシーンが遷移するたびに動作クロックを上げるのが遅れて、結果大きくパフォーマンスを落とすことになる。そして、それはベンチマークソフトだけではなく、今日のビジネスシーンでも同じだ。
リモートワークが叫ばれる中、多くのビジネスパーソンは様々な資料を閲覧・作成しながら、クラウドサービスにアクセスし、オンライン会議に出席。ライター業や編集者ならば、その傍らで記事で扱う画像や動画の処理なども並行、あるいは断続的に繰り返している場合すらある。そんな複数の作業シーンにおいて、ACアダプターにつないでいないとフルパフォーマンスで作業できないというのは、ノートPCとしていかがなものだろう。
気分転換に作業場所を変えて、作業効率を上げている人もいると聞く。おそらくそんな時のほとんどがバッテリー駆動のはずだ。Intel Evoプラットフォームで採用している第11世代Coreプロセッサーであれば、バッテリー駆動時でもACアダプター接続時に近しい性能で効率的に作業できる期待が高い。そういった意味では、Intel Evoプラットフォーム対応PCは時流に合った、世間が今求めている仕様を叶えているとも言える。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります