Media Encoderは9980XEよりも40秒も速かった!
続いては動画エンコード系として「Media Encoder 2020」を試す。「Premiere Pro 2020」で編集した約3分半の4K動画を「Media Encoder 2020」にキュー出しし、H.264 80MbpsまたはH.265 50Mbpsで1パスエンコードした時間を比較した。
Adobeのエンコーダーはインテル製CPUと相性が良い、などと言われていたが、18コア36スレッドのCore i9-9980XEよりもRyzen 9 3950Xが40秒近くタイムを短縮している。BlenderやV-Rayでは負けたが、Media Encoder 2020ではインテル製HEDT向けCPUを打ち負かしている。
特にPremiereやMedia Encoderで使われているエンコーダーはZen+世代のThreadripper 2990WXの設計と相性が悪く、エンコードが遅くなることが知られているが、内部構造を激変させたZen2世代のThreadripperはどうなるか……今から楽しみである。
次は「Lightroom Classic」でRAW100枚(DNG形式、6000×4000ドット)にレンズ補正や色補正を施し、それを最高画質のJPEGに書き出す時間を計測する。書き出し時にシャープネス処理(スクリーン用、適用量“標準”)を付与している。シャープネス処理はCPUパワーを食うため、コア数の多いRyzen 9 3950Xでどうなるかが見ものだ。
このテストでは意外とCore i9-9980XEが健闘。コア数の多さを見せつけた形だが、むしろCore i9-9900KSの遅さが気になる(これはCore i9-9900Kでも同傾向)。Ryzen 9 3950Xだけでなく、全体にRyzen勢の方が安定して速い印象がある。
続いては「Unreal Engine」でのビルド速度で対決させてみる。ビルドシーンは「Infiltrator」を使い、ライティングを“プロダクション”設定にした状態でビルド時間を計測した。
コア数が増えても劇的に処理時間が短くならないのは、ビルド処理中のCPUの使用率にムラ出てしまうせいだが、それでもRyzen 9 3950Xは僅差でトップ。Core i9-9980XEのクロックがもう少し高かったら、Ryzen 9 3950Xを越えた可能性もあるだろう。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう