価格.com×アスキー対談
2019年のデジタル製品トレンド、いま支持されているスマホ、PC、AV機器は?
御三家の中でデザインの良さが評価されたHP
小林 次にパソコン。2019年は各メーカーとも、非常に調子が良かったという声が多いようです。
鎌田 パソコン市場は基本横ばいで、成熟しきっていますが、実は昨年から今年にかけてじわじわと上がり続ける傾向があるんです。もちろん、増税前の駆け込みといった要素もあるのですが、インテルのCPUが世界的に供給不足だという話題が年明けに出て、「パソコンが高騰するかもしれない」「その前に購入したほうがいい」という空気が広がったことも影響しています。結果、3月に一度、山ができ、Windows 7のサポート終了というトピックスとも連動しながら、6月、7月、8月……になってもあまり売り上げが落ちず、消費増税前の駆け込み需要に合流していった形ですね。また、大型テレビなどは、ほかの高額商材とは異なり、増税後に比較的堅調に推移している点も特徴です。
小林 アスキーとしては、軽量モバイルや二画面ノートなど特徴ある仕様の製品が多く発表され、充実感のある1年だったと思います。有機ELを採用したゲーミングノートなども増えはじめています。とはいえ、実際に購入されている機種はまた異なる面があるとも思います。
鎌田 コモディティ化したパソコン市場で、いま重視されるのは「価格」と「ほどほどのスペック」、そして「(恥ずかしくない)見た目」でしょうね。価格.comで見た場合、売れ筋は5~7万円程度のスタンダード機です。ブランドとしては、デル、HP、レノボが御三家で、価格もスペックも似通っています。その中でHPは人気のブランドになっています。出荷が早く、性能が高く、価格も抑え、質感も凝っているため評判を上げています。
小林 国内ブランドは少し高価になる面があるのですが、いかがでしょうか。
鎌田 目立っていたのは「LAVIE Note Standard」のNEC Directモデルです。ダイレクト限定ではありますが、6万円前後でオフィスが付くモデルや、11万円程度で必要なスペックを満たす製品が販売され、戦略的な値付けが功を奏したと言えます。(NECパーソナルコンピュータはレノボ傘下ではありますが)「なんだかんだ言って、国内ブランドがいい」という声は根強くあります。
小林 2in1の分野では、Surfaceシリーズも非常に元気です。
鎌田 Surfaceは価格.comではタブレットという分類になります。Android搭載タブレットが市場からほぼ消える一方で、もともと一定数のユーザーがいるiPadシリーズは機種も増え、復活の兆しがあります。また、WindowsではSurfaceでほぼ一択という状態で、高価格ながら安定した人気を得ています。
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