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Amazonが作ったオーディオ「Echo Link」は、音楽のある生活を少し変える

2019年05月05日 10時00分更新

ハッキリとしてクリアな音質、まず十分な品質

 自宅のオーディオ機器につないで、いろいろなソースを聴いてみました。いいスピーカーにつなげば、一般的なスマートスピーカーでは実現できない高音質が狙えます。

 まずはアナログ出力でストリーミング再生してみましたが、想像を上回るものでした。音にメリハリ感がありますし、低域は締まり、高域もよく伸びてクリアです。残響成分など細かなところに注意すると、もの足りなさも出てきますが、価格を考えれば相応か、それ以上だと思います。2万4980円で買えるEcho Linkは、オーディオ機器としては安価な部類に入ります。

 ハイエンドのセパレートアンプと30万円クラスのスピーカーなどでも試聴してみました。上を見えればきりがありませんが、こうした機器と組み合わせても大きな不満を感じにくい実力を持っている印象です。

Alexaアプリを使えば、音量、低域・中域・高域のイコライジング、音量バランスなど、簡単な調節が可能です。サブウーファー接続時はクロスオーバーの切り替えもできます。

声で音楽を再生するメリットは、考えずに済むこと

 オーディオ機器もネットワーク接続機能を持つものが増えてきました。多くはスマホを使って操作します。Echo Linkはアプリ版の「Alexa」「Amazon Music」「Spotify」からも操作できます。しかし、声の操作にはこれらとは異なるシンプルさがあると思っています。

 スマホの操作では目と手の両方が埋まってしまいますが、音声操作はハンズフリーなので、ながら利用に便利です。読書の合間やパソコンでの作業中に、視線を動かさずに済みますし、コーヒーを入れたり、部屋の片付けをしながらなど、少し離れた場所にいるときも、ノールックで音楽の再生や停止ができます。

もちろん、Spotify Connectなどを利用したスマホからの操作にも対応します。音声操作がスマホより常にいいというよりは、必要に応じて使い分けられる点がメリットでしょう。

 曖昧な希望にも応えてくれます。「今日は、このアルバムやプレイリストをがっつりと“ヘビロテ”しよう」など、明確な目的はなく、「なんでもいいから音楽が欲しい」気分のときもあるでしょう。その際も、「静かな音楽を流して」「最新のヒットチャートを聴きたい」などと言うだけで済みます。

 音声操作に慣れると、スマホを取り出して、画面でメニューをたどったり、文字を入力する手間がまどろっこしく感じる面があります。充電などでスマホを別室に置いている場合は取りに行かないといけません。

 音声操作は、短いフレーズだけでダイレクトに音楽の再生が始まるので、多くの場合、スマホで操作するよりスピーディーです。

シンプル過ぎる面もあるが、最初の一歩としていい

 結果、慣れると手放せなくなるのが、スマートスピーカーです。特にBGM用途には適しており、リビングや寝室など、複数の場所に設置して活用しています。

 唯一の不満は音質でしたが、Echo Linkを使えば、この問題も解決できるでしょう。好きなスピーカーを選べますし、いい機器とつなげば、ただ聞き流すだけだった音楽が、しっかりと向き合えるものに変わるはずです。

ヘッドホンの接続も可能です。アンプのICはTI製の「TPA6120A2」だそうで、十分にハイクオリティに思えました。

 Echo Linkは、多少ニッチな層を対象にした機器ではありますが、いい音にこだわりを持つ人もまた確実にいるはずです。音声操作は、すでに書いたように、オーディオ機器との接し方を変える潜在力を持っていますから、音楽のある生活をより一層充実させたい人にはおすすめの機器です。

 国内でスマートスピーカーの販売が始まって、1年半ほどの時間が経ちました。Echoシリーズが連携できるデジタル製品が増え、再生できるストリーミングサービスも自社の「Amazon Prime Music」や「Amazon Music Unlimied」だけでなく、「Spotify」が加わるなど、機能が着実に進化しています。

 「音声操作はあまりピンとこない」「ちょっと恥ずかしい」という声も聞きますが、必要なのは、デジタル機器に話しかける自分への「抵抗感」を取り除くことかもしれません。食わず嫌いで、声の操作にネガティブなのだとしたら、とてももったいない気がします。

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