スフレ、プリン、ソースのそれぞれは普通
でもバランスが取れていて最高、大勝利です
食べてみた感想ですが、バランスの勝利とでもいいましょうか。かなーり、よくできています。
まず、スフレですが、正直にいえば、コンビニスイーツとしての平均を大きく上回るレベルのものではありません。悪くはないですが、食感も甘さも、これぐらいかな……という感じでしょうか。特筆すべき点はないかもしれない。さすがに、焼きたてのスフレの食感にはかなわない。
ただ! このスフレだからこそ、活きてくるものがあります。まず、いちごソースと果肉。やや酸味が強いいちごの風味は、スフレによく合う。ストロベリーホイップの香りも口の中でちゃんと広がります。とはいえ、それは予想の範囲内、スフレにいちごソースで悪いはずがない、と考える人もいるでしょう。
そんな人たちを(よい意味で)うならせてしまうのが、スフレの下から出てくるプリン。かなり、やわらかいのです。個人的にはプリンは固めが好きなのですけれど、これはやわらかくて正解。スフレ部分はそれほどふわふわではない。だからこそ、とろけるプリンがカスタードソースのような雰囲気となり、スフレと一緒に口に運ぶと、固さとやわらかさが調和するのです。固めのプリンではこうはいかない。
さらに、スフレとプリンに絡まるソースが甘ずっぱいので、食べ進めてもくどくならない。スフレ部分とプリン部分は、当然ながらどちらも甘いため、ソースも甘いとなるとちょっとしつこい味になりかねません。しかし、いちごの酸味によって、きちんとバランスが取れている。はい、大勝利です。
このスイーツ、「プリンの上にスフレをのせたらおもしろくないですか?」という飛び道具的なものに見えるかもしれません。しかし、食べ進めていくうちにプリンに到達し、スフレの中からクリームが出てくるような雰囲気が生まれ、口の中で完成するという、理にかなった構造なのです。
さらに、スフレとプリンの間をいちごソースと果肉に取り持たせたことで、後味にほどよく酸味が残る、絶妙な甘さが完成しました。スフレ、プリン、ソース……いずれも格別にすぐれているかといわれれば、そうではないでしょう。ただ、3つの組み合わせは、かなり完璧に近い。これが290円でコンビニで買えると考えると、ただものではありません。
スフレがなくてもダメ、プリンが固くてもダメ、ソースが甘すぎてもダメ。とくにすぐれたところはないようでいて、実はこの三要素がないと、出来上がらないものがあります。完成度が高いです。もし偶然の産物だとしても、結果としてこのバランスが取れているのは称賛されるべきでしょう。
群雄割拠のコンビニスイーツ界にあらわれた三位一体の奇跡として、とりわけ高く評価したい。ぜひチェックしてほしいです。ファミリーマート、見直しました。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。
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