2015年08月11日07時00分

ななふぉ出張所

ポストPC時代にタブレットの売上が依然として伸びないのは何故か?

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 2015年第2四半期、またしてもタブレット市場の減速が報じられています。これまで何度も売上の伸びが鈍化してきたタブレット市場ですが、当初の勢いが復活する素振りはありません。

 その背景にはなにがあるのでしょうか。

PC+タブレットでレノボがアップルを抜く

 英国の調査会社Canalysが8月6日に発表した調査によれば、PCとタブレットを合わせた出荷台数として、レノボがアップルを僅差で抜いたとしています。

 両者のシェア差はわずか0.2ポイント程度で、取るに足らない違いのようにも見えますが、ここ最近のアップルはレノボの猛追を受けており、ついに追いつかれたという意味で、注目を浴びています。その主な理由は、iPadの出荷台数が下落したことが原因とみられます。

タブレットの売上が伸びないワケ
PCとタブレットを合計したCanalysによる市場調査より。レノボがついにアップルをつかまえたことが注目を集めた。

 7月29日に米IDCが発行した2015年第2四半期の調査においても、世界のタブレット市場は7%縮小しており、アップルが首位を維持しつつも、その出荷台数とシェアの両方が前年同期比で下落しています。2位のサムスンも同様の傾向にあるものの、トップ2社を追うレノボ、ファーウェイ、LGはいずれも出荷台数を伸ばしており、タブレット市場の細分化が進んでいます。

 まとめると、iPadの売上が下がっているものの、別のタブレットが代わりに売れているわけではなく、全体的に市場が縮小しているのが特徴といえます。

タブレットは買い替えの必要性が薄い?

 タブレット市場が縮小しているとはいえ、iPadは四半期ベースで1000万台以上出荷されています。実生活の中でもiPadを見かける機会は増えており、筆者も飲食店やショップ、金融機関などで業務に使われているiPadを目にしない日はありません。

 また、個人利用においても、都内の電車の中でiPadを始めとするタブレットを使っている人は少なくありません。ただ、どうも気になるのは、筆者の周囲でもiPadを持っている人は多いものの、買い替えたという話はあまり聞かないという点です。

 たしかに電子書籍を読んだり、決まったゲームをプレイするだけなら、必ずしも最新のiPadを使う必要はありません。Retinaディスプレーを搭載した後のiPadは、薄型化や軽量化が進んでいるものの、明確な機能向上としては指紋認証のTouch IDくらいではないでしょうか。

 一方でスマホは、コミュニケーションや決済に欠かせない存在であり、家に忘れたときはすぐにでも取りに帰りたくなるほど重要なデバイスです。また、2年も使い続ければボロボロになるため、常に最新機種に買い換えたくなる意欲の高い状態といえます。

 小型のAndroidタブレットもいろいろと新機種は出ており、筆者もいくつか購入して試しているものの、結局手元に残っているのは2013年版のNexus 7(LTE版)という状況です。ただ、ASUSが8月下旬以降に日本でも発売するという『ZenPad S 8.0』には注目しています。

タブレットの売上が伸びないワケ
COMPUTEX 2015では、ASUSがこれでもかというほど多数のAndroidタブレットを発表した。その中でもデジタイザーペンに対応したハイエンドモデル『ZenPad S 8.0』は、かなり欲しくなるスペックだ。

“ポストPC”も追い風にはならない?

 このようにタブレットは、スマホほど重要なデバイスではない、という地位に甘んじていることになります。それでは、逆にPCを置き換えることはできないのでしょうか。

 かつてスティーブ・ジョブス氏は“ポストPC”時代の到来について、「PCはトラックのようなもので、数人に1人は必要とするかもしれないが、その他大勢の人にとっては普通の乗用車(=スマホやタブレット)で十分になる」と語っていました。

 たしかにPC市場は縮小が続いています。そして多くの人は、高機能な代わりに重くて複雑なPCではなく、簡単に使えてどこにでも持ち運べるスマホでインターネットに接続するようになりました。これは大型コンピューターがPCへと小型化したダウンサイジングの歴史からすれば、当たり前のことにも思えます。

 ただ、スマホでは少しでも複雑なことをしようとすると、途端にやりづらくなってしまうのも事実です。複数のホテルを比較しながら検討し、部屋を予約するといったタスクだけでも、スマホだけでは非効率に感じます。こういう場面ではタブレットではなく、まだまだPCを使ってしまうのが現実です。

 結局のところ、現在のタブレットは大型のスマホにとどまっており、スマホの弱点をうまくカバーすることができていません。WindowsタブレットのSurfaceシリーズが、ノートPCとタブレットを1台に集約するという方向性からiPadに挑戦しているのも、こうした状況を踏まえてのものです。

9月の注目は大型iPadとWindows 10タブ

 タブレット市場で次に期待されているのは、9月との噂が高まっている12インチクラスの大型iPadです。この大型iPadがビジネス需要に応えることで、iPadの下落傾向が反転することがあれば、再びタブレット市場が活気を取り戻す可能性があります。

 ただ、現行のiPadを単に12インチに大画面化すればいいというものではありません。WWDCで披露されたiOS 9の新しいマルチタスクや、何度も噂に上るペン入力への対応、国内ではATOKなどサードパーティIMEのサポート強化など、大きな新機軸がなければ、話題性だけで終わってしまうでしょう。

タブレットの売上が伸びないワケ
仮にiPadの画面が大きくなるとしても、それだけでは厳しいところ。大画面を活用できる新機能に期待したい。

 一方、Windowsについても、9月のIFAにおいて、Windows 10世代の2 in 1やタブレット製品が期待できます。これまで、Windows 8はストアアプリがなく不振に終わっており、連携するWindows Phoneが冴えないという状況も相まって、Windowsタブレットは日本など一部を除いて、世界的に低迷してきました。しかし10により、ようやくWindowsがタブレットとして見直される日が来るかもしれません。

タブレットの売上が伸びないワケ
9月からWindows 10の新デバイスが続々登場する。ただ、企業へのタブレット導入という面ではスマホのOSと揃えるというケースも多く、Windowsベースのスマホが普及していない現状では一筋縄ではいかないかもしれない。

山口健太さんのオフィシャルサイト
ななふぉ

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