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女子限定ケータイから折り畳みスマホ、CM1まで実は“変態端末メーカー”のパナソニック

2015年05月09日 10時00分更新

  1インチセンサーの本格的なカメラを搭載したパナソニックの『CM1』は、10万円を超える高価格ながらも、日本では限定2000台に予約が殺到、一躍人気機種となりました。その大人気を引っさげて5月からは香港で正式に発売開始、海外市場へ攻勢をかけています。パナソニックは日本はもちろん海外でもこれまでフィーチャーフォンやスマホを数々出していました。ですが、その過去の歴史を振り返ると、海外では意外にも変態系やちょっと不思議な端末なども販売していたのです。

パナソニック
↑着々と販路を広げる『CM1』。香港でも販売開始。

 パナソニックは4月30日に香港でCM1の販売開始発表会を開催しました。これでCM1の販売国はフランス、ドイツ、イギリス、日本に次いで4ヵ国目になります。マカオでも同時に販売開始とのこと。日本ではあまりの人気ぶりに入手が困難となっていますが、日本での安定供給販売もぜひお願いしたいところ。

パナソニック
↑価格は約13万円、香港に買いに行こう。

 香港での販売価格は8490香港ドル、日本円で約13万1000円。日本との価格差はあまりありません。香港では台数の限定はなく、家電量販店やパナソニック取扱店舗へ行けばどこでも買える状況になっています。日本でCM1の購入を逃した人は、思い切って香港までLCCで飛んで買うというのも十分ありかもしれません。なお、香港販売品にもしっかりと技適マークは記載されています。

パナソニック
↑実はインドでスマホを出しているパナソニック。

 香港のCM1発表会にはカメラ関連だけではなくスマホ関連の記者も来ていたのですが、「パナソニックの端末だなんて懐かしいね」という声があちこちから聞こえてきました。パナソニックは海外市場でもスマホ事業から撤退して久しいのです。ですが、実はインドではスマホメーカーとして今も多数の製品を販売しています。

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↑2〜3万円のミッドレンジ製品が多数。

 インドで販売されているパナソニックのスマホは日本円で2〜3万円台のミッドレンジクラスの製品を中心としたラインアップ。インドではマイクロマックスなどの地元メーカーが1万円台の格安スマホでシェアを広げていますが、パナソニックは価格競争には乗らずに質感のいい、日本メーカーならではの製品を販売しています。製造は恐らく自社ではなくOEM/ODMでしょうが、質感も悪くなくインド以外でもぜひ販売してほしいもの。

パナソニック

 パナソニックがインドで頑張っていることは日本ではあまり知られていませんが、今年になって台湾でスマホの販売開始。それだけならば話題にならなかったものの、これが某MVNOから販売された製品の兄弟モデルと言うことで、日本でもちょっと話題になりました。この『ELUGA U2』はLTE対応で性能も価格相応によく、これなら日本でもSIMフリーモデルとして販売しても十分アリかもしれません。

パナソニック
↑存在感高まるパナソニック、過去の歴史を振り返る。

 このようにインドにはミッドレンジモデル、台湾にはLTEモデル、そしてCM1をヨーロッパやアジアに展開するなどパナソニックのスマホの種類は着々と増えています。なおCM1はスマホなのか、という議論はここでは省くことにしますね。

 さて、香港で「懐かしい」という声が聞かれたように、パナソニックは海外でもこれまで多数のスマホやフィーチャーフォンを出してきました。その中からちょっと特徴的な製品を振り返ってみてみましょう。

パナソニック
↑折り畳みスマホも出していた。『X800』。

 一見すると普通の折り畳み式のフィーチャーフォンにしか見えない『X800』。2005年のモデルで日本で発売された『P900i』のデザインを汲むモデル。P900i同様にカスタムジャケットで着せ替えも可能です。ところが、このX800は普通の携帯電話ではなく、中身はノキアが採用していたOS『Symbian S60』を搭載。こんな形でもスマホだったんです。ワンボタンで画面が開くワンプッシュオープンも可能。ヨーロッパや中国では結構人気のある製品でした。

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↑コンパクトケータイが大人気。『A100』。

 まだまだ携帯電話が音声通話主流の時代、今から10年以上も前の2002年にパナソニックは手のひらに収まる超小型携帯電話『GD55』を台湾や香港で発売。これが大ヒットし定価の倍で価格で取り引きされるなど、まるで今のiPhoneのような人気製品となりました。それから1〜2年のパナソニックは超小型モデルに注力、2004年発売の『A100』は3色のカラフルボディーが特徴。当時は黒や銀色の端末が多かったのでこのカラバリは目立ちました。サイズは44(W)×17.8(D)×77(H)ミリで、今ならストラップフォンとして使えそうな大きさです。

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↑画面が開く変態ギミック。『X300』。

 そんな小型携帯電話に特化していた時代にリリースしたのが『X300』。これまた手のひらサイズの小型端末ですが、パナソニックの売りともいえる大きな機能を搭載していたのです。

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↑ワンプッシュでムービースタイル!

 X300はディスプレー部分が90度開き、ムービースタイルで写真や動画を撮影することが可能。ディスプレーは1.5インチ、カメラはVGA(640×480ドット)でしたが、こんなギミックをこのサイズのボディーに詰め込んだパナソニックの当時の技術力には感服します。カメラに強いパナソニックという印象を大きくアピールしたと同時に、変態製品もつくっちゃうメーカーとしても認知されたことでしょう。

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↑女子ケータイもつくってたイケイケ時代。『G70』。

 どこからどう見ても携帯電話には見えない『G70』。これも2003年と黎明期の時代の作品です。よく見ると本体上部には首からぶら下げるためのストラップを通す穴も見えます。G70のエレガントな書体、それとディスプレーを囲むように4つの宝石状のパーツを貼り付けるなど女性だけをターゲットにした携帯電話でした。

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↑開けばケータイ、ダイヤル配置も特殊。

 このように本体を開けば携帯電話として使えます。数字キーはアナログ電話のような円形配列で、電話をかけるときは操作はしにくかったかもしれません。ちなみにSIMと電池はこの数字キー部分を開いてその下に入れるというギミックも。カワイイ女性向け携帯電話でありながら、これまた変態端末として認定できる製品でしょう。

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↑イエデンワ系もいろいろ出しています。

 2000年台前半に変態系端末を出しすぎた反省なのか、その後のパナソニックは日本スタイルの折り畳み端末に特化していきます。しかし、スマホの急速な普及の波に追いつけず海外ではだんだん存在感を失ってしまいました。

 とはいえ、携帯電話の開発技術を持ったメーカーですから、地味ながらも特定ユーザーを狙った製品も出しています。この『KX-TU311』はコードレス電話タイプの携帯電話。日本でいう“イエデンワ”系の製品ですね。ただ、イエデンワと違いこのまま外に持ち出して使うことができます。パナソニックはいくつか製品を出していて、筆者も1台購入したことがあります

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↑最新バージョンが欲しい3Gイエデンワ。

 実はイエデンワ系の端末の3G版をパナソニックは2013年に発売しています。ヨーロッパで売られている『KX-PRX150』で、IFA2013で展示されていた様子は過去に簡単に記事で紹介しています。その後、後継モデルは出ていないようなのですが、大画面化&Android 5.0(Lollipop)対応のモデルなら日本でも十分売れるのではないでしょうか?

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↑パナソニックスマホの復活を期待したい。

 パナソニックが日本のコンシューマー向けスマートフォンから撤退したのは2013年。その後、日本のスマホ市場はMVNOの台頭やSIMフリー機が続々登場するなど環境は激しく変わりました。10万円越えのCM1が2000台完売してしまうのもその流れのひとつと言えるでしょう。

 これまで過去にさまざまな名機、そしてそれだけではなく変態的な端末も出してきたパナソニック。その技術力を絶やさないためにもスマートフォン市場への復活を強く望みたいものです。

(2015年5月12日18時50分追記:『CM1』の日本販売に関する記述を訂正いたしました。)

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