※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーと愉快な仲間たちが夢と現実の境界線からお届けする、アンチ失われた古きASCIIの人柱精神を体現するモノであり、細かいことは大目に見ていただきたいコーナーです。
前回、『Surface Pro 2』にヌルっと滑ってMac OS Xが入ってしまった夢を見たシモケン局員。しかし、目的は“完全タブレット化”ですから、まだまだ夢から醒めるわけにはいきません。ドライバーを入れ、お触りオーケーにして夢精するまでがリスキーです。
Mac OS Xのセットアップが終わったら、何はさておきネットにつなぎたい。必要なソフトをインストールするにもネットにつながっていなければお話しになりませんからね。『Surface Pro 2』(以下、Surface)には無線LANが内蔵されているけれど、Mac OS X上ではドライバーが適合せず、現時点では使えない。無線LAN以外のデバイスについての利用法は日々編み出されているが、まだいろいろな制限があるのが現状。OSのインストールに成功したからと言ってすべてが終わるほど甘くはないのね……。
内蔵デバイスの稼働状況 | |
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すぐに使用可能 | 各部I/O(USB, Mini Display Port, microSDスロット) |
カメラ(フロント、リア) | |
タイプカバー類 | |
ドライバーをインストール して使用可能 (純正、非純正に関係なく、一部制限あり) | USB接続の無線、有線LANアダプタ ※筆者はプラネックス社製GW-450S, 450Dで動作確認 |
オーディオ(マイク、スピーカー) | |
Bluetooth | |
タッチパネル ※有償で配布しているTouch-Base社のUniversal Pointer Device Driverを使用すると指で操作できる | |
一部難あり | スリープ ※見た目はスリープしているようだが、スリープ中のパワーマネージメントが正しく働いていない? |
タッチペン(Surfaceペン) ※ポイントできるが、画面の四隅に近くなるとトラッキングがずれる | |
動作不可 | 内蔵無線LAN |
専用タッチペンでの筆圧変動検知 | |
加速度センサ、ジャイロスコープ、電子コンパス ※Mac OSがサポートしていないと思われる | |
その他 | Apple IDを登録する類は全滅。iCloudなどは一切使えない。しかし何故かiTunesは利用できた。 |
一般的なアプリケーションソフトウェアの大半は 問題無く使用可能 |
以前も書いたとおり、今回構築した環境下ではMac OS Xを起動させるまでが大変なだけで、起動さえしてしまえば安定する。起動用USBメモリーは不要になるので抜いてしまってオーケー。貴重なUSBポートが空くので、今回はそのUSBポートに無線LANアダプターを装着。えーい、ネットだネット。乱痴気騒ぎで抜き挿し試したなかで相性よかったのがプラネックスの『GW-450S』。小さくて邪魔にならないのも○。ほかにどうしても複数のUSBポートが必要な場合は、一般的なUSBハブで対処できる。カッコ悪いケド……。
↑今回使ったのはコレ。出っ張りも少なく、邪魔にならない。そんでもって安い。 |
有志による独自のドライバーソフトもそろいつつあり、それらを活用すればSurfaceの要である指やペンでの操作も実現する。オーディオやBluetoothも同様で、完全体になるまでにはそれほど時間も掛からないと思われる。
全体の処理速度についても申し分ない。サイレントアップデート後のSurfaceのCPUはCore i5-U4300 1.9GHzで、ほぼフルに使えていると思われる。『Office』や『Photoshop』『Illustrator』の動作も軽快だ。『Geekbench 3』でのベンチマークスコアはSingle-Coreで2929、Multi-Coreで5760と、CPUスペックの近い『MacBook Air』よりも優れたスコアをたたき出している。よく見るとクロックが2.5GHzになっているので、Turbo Boostが効いているのかもしれない。これは先日発表された新しいMacBookよりも速いスコアだったりする。
↑PhotoShopも僅かな時間で起動。自分の使っている『MacBook Air(Late2011)』と遜色ない。 |
↑ちなみに“MacBookAir6.2”と表示されているのは、Mac OS Xにそう見せかけて起動しているため。 |
ディスプレーについてはSurfaceの画面解像度がフルHD(1920×1080ドット)なので表示領域も十分。しかし、10.6インチなのでドットがかなり小さくなる。画面設定で1段階大きくした1600×900にすると見やすくなる。
バッテリー駆動時間は3~4時間程度だった。パワーマネージメントが働いていない状態と考えると十分だろう。なお、Windows稼働時ではウェブ閲覧で最大9時間前後。スリープも選択可能だが、バッテリーの減り具合が稼働状態と変わらないので、実際のところ正しくスリープできていないようだ。
↑作業効率がいいが、老眼にはツラい……。 |
気になるタブレットとしての使い勝手は、Mac OS Xがシンプルな操作形態であるためか、想像以上にフツーにできてしまう。メニューの一部が選択しづらいなど細かな部分に難はあるものの、大半の操作は指で行なえた。
タッチベースで使うには、Dockメニューを常時表示するようにしておくか、Mac OS X標準のLaunchpadを使うと便利。最初からタッチを想定していたかのような使い心地になる。
ドライバーとしてインストールしたTouch-Base社のUPDD(Universal Pointer Device Driver)は、ジェスチャーごとのコマンドも詳細に設定できるので、かなりのレベルまでタッチで対処できるようだ。
タッチペン(Surfaceペン)での使い勝手も期待をしたが、現状では筆圧とトラッキングを関知できず、中央から画面周囲に移動するにしたがって放射状にズレが生じてしまう。これはドライバーの登場を待つしかない。
↑まさにタッチ操作のためのランチャー。 |
↑さまざまなフィンガーコマンドが設定されているので、直感的な操作が行なえる。 |
いじょ。本記事は、「こんなこといいな、できたらいいな」という藤子的テーマをリスキー的に検証したまでで、これを推奨するモノではない。iOSのベースでもあるMac OS Xがタッチ対応に関して十分な可能性を秘めており、遠くない未来にそれぞれが融合していくと共に、そういうハードウェアが登場するのもさほど遠いことではないと、強く実感できた。
ちなみに筆者はSurfaceを元のWindows機として活用させていただいております。
●関連サイト
InsanelyMac
http://www.insanelymac.com/
Clover EFI bootloader
http://sourceforge.net/projects/cloverefiboot/
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