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IoT時代を先取りするCeBITのプレビューイベントで語られたこと

2015年02月06日 08時00分更新

 ドイツ・ハノーバーで毎年3月に開催される『CeBIT』(セビット)。その2015年版のプレビューイベントが、1月28日に開催されました。

CeBITプレビューイベント
↑ドイツ・ニーダーザクセン州の州都ハノーバー。バスやトラム、地下鉄が発達した典型的なドイツの都市だが、展示会がない時期は静かな町という。近郊にはコニカミノルタのドイツ法人がある。

 CeBITが開催されるのは、展示面積の広さが世界最大級というハノーバー国際見本市会場です。そのイベント内容は、2014年から大きくリニューアルし、ビジネス向けに特化したB2B見本市となっています。

CeBITプレビューイベント
↑CeBIT Press Preview 2015のプレゼンテーション会場。今年のテーマは、社会や経済のあらゆるセクターがデジタル化によって変革されていくという”d!conomy”。Internet of Things(IoT)もその主要なトレンドといえる。

■2015年のCeBITはIoTや中国に注目

 CeBITを主催するドイツメッセのオリバー・フレーゼ氏は、2015年のCeBITを展望し、IoTに言及。「CESやMWCといった展示会では、“インターネット冷蔵庫”のようなものが登場してはいるが、IoTの本質はそういったデバイスというよりも、背後にあるインフラやサービスではないか。これらに投資する企業が集まる展示会がCeBITである」と語り、国際展示会におけるCeBITのユニークなポジションを強調しました。

CeBITプレビューイベント
↑CeBITの顔というべき存在の、ドイツメッセ CeBIT担当取締役副社長のオリバー・フレーゼ氏。IoTの本質は急増するデバイスではなく、その背後にあるインフラやサービスであると指摘する。
CeBITプレビューイベント
↑IoTに取り組む企業にとって、CeBITが中心的な展示会になると強調した。

 CeBITでは毎年ひとつの国をパートナーカントリーとして取り上げていますが、2015年は中国がパートナーとなっています。

 その中国からは、在ドイツ中国大使のShi Mingde氏が登壇し、「これまでは中国で作られた”Made in China”の製品が世界に広がっていった。これからは中国で創造された”Created in China”が拡大する」と宣言。中国が単なる工場としてではなく、イノベーションを生み出していくと語りました。。

CeBITプレビューイベント
↑「“Made in China”から“Created in China”」と宣言した、在ドイツ中国大使のShi Mingde氏。
CeBITプレビューイベント
↑CeBIT 2015には600社の中国企業が出展。これはCeBITとして新記録を更新するという。

 さらに注目は、CeBITのオープニングセレモニーにアリババのジャック・マー氏、CeBITグローバルカンファレンスにはシャオミのレイ・ジュン氏が登壇するという点。いま世界で最も注目を集める中国企業2社のCEOだけに、ドイツで何を発信するのか、注目したいところです。

CeBITプレビューイベント
↑アリババのジャック・マー氏。2014年9月19日にはニューヨーク証券取引所に上場し、ソフトバンクに8兆円ともいわれる含み益をもたらしたことは記憶に新しい。
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↑“中国のスティーブ・ジョブズ”こと、シャオミのレイ・ジュン氏。次期フラグシップモデルや海外展開についての言及はあるのか、注目が集まる。

 CeBIT Press Previewの基調講演には、ルフトハンザ・ドイツ航空のグループ会社であるLufthansa Systems副社長のBernhard Kube氏が登壇。操縦士向けの電子フライトバッグとしてiPadを採用し、さらにタブレット向け機内エンターテイメントアプリを新たにWindows 8に対応させるなどの取り組みについて語りました。

CeBITプレビューイベント
↑ドイツ最大の航空会社、ルフトハンザ・ドイツ航空のシステムを手がけるBernhard Kube氏。ルフトハンザ全体としてIoTやビッグデータを活用しているという。
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↑タブレットを利用したエンターテイメントシステムをWindows 8にも対応。今後は飛行機にホテルなどにも展開していくという。

■CeBITの出展企業も集結、スタートアップコンテストも開催

 CeBIT Press Previewには出展企業も集結しました。CeBIT本番前ということもあり新製品の発表こそ少なかったものの、3月のCeBITに向けて期待感を高める展示が集まりました。

CeBITプレビューイベント
↑CeBIT Previewでは、出展社による展示やプレスカンファレンスも行われた。ドイツ語ベースの製品やサービスも多いものの、世界から集まったメディアに英語でアピールした。
CeBITプレビューイベント
↑日本でもカタカナ表記で知名度を上げたファーウェイは、ドイツ・ミュンヘンのR&Dセンターを重要拠点とみなしているという。CeBITでは主にエンタープライズ製品を出展する。
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↑2015年からロゴを刷新したZTEは、デュッセルドルフの拠点を中心にドイツに展開。CeBITではブース面積を3倍に拡大する。携帯電話だけでなくグリーンエネルギーや教育向けソリューションにも注力しているという。
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↑CeBITではスタートアップコンテスト”CODE_n”も開催される。欧州や北米を中心とした17カ国・50社のスタートアップがファイナリストとして残った。今年のテーマはIoTだけに、熾烈な争いになりそうだ。

 今年は3月16日から20日まで開催されるCeBIT 2015では、筆者も現地から最新情報をお届けする予定です。

■関連サイト
CeBIT

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