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「撮って出し」の立体感に唸る。α9 III×ソニーの「白レンズ」新超望遠でモータースポーツを追う

 10月4日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで、オートバイレースの最高峰であるMotoGPの日本グランプリが行なわれた。世界中を転戦し、年間22戦で争われるシリーズの第16戦にあたる日本GPは、10万人を超えるファンを集めるビッグイベントだ。

Gマスターを冠した、小型軽量の超望遠レンズ2本

 そのイベントに、ソニーの望遠レンズ「FE 400mm F4.5 GM OSS」(49万5000円)と「FE 600mm F6.3 GM OSS」(69万8500円)を持ち込んだ。ソニーには「FE 400mm F2.8 GM OSS」や「FE 600mm F4 GM OSS」という大口径の上位モデルがあるので、従来であれば、この2本はその廉価版と考えるところだ。しかし今回は様子が違う。

ソニー「FE 400mm F4.5 GM OSS」(手前)、「FE 600mm F6.3 GM OSS」

 GMとはG Master(Gマスター)の略で、ソニーのEマウントレンズの最高峰を表す称号。上位モデルが存在しながら、この2本にもGMの名が冠されているのだ。GMの描写性能を備えながら、価格も手頃というのであれば、テストしない理由はない。短い時間ではあったが、両レンズを使用できたので、使用感をレビューしていこうと思う。

α9 IIIの「撮って出し」で描写をチェック

 使用カメラはソニー「α9 III」。色を決めるクリエイティブルックは「ST」で、後処理を考慮してシャープネスは標準より1段階下げて「2」に設定した。なお、作例はすべて無加工の、いわゆる「撮って出し」であることをお断りしておく。

FE 400mm F4.5 GM OSS:逆光でもシャドウが潰れない

 まず400mmのほうだが、作例1(1/320秒、F9)は、低い光が斜め前から入っている半逆光の状態。個人的に最も好きな光の入り方のひとつだ。蛍光カラーのボディが白飛びしないよう、ハイライト部分に露出を合わせている。そのぶんシャドウ部は潰れてしまいがちなのだが、潰れ切ることなく、キレイに再現されているのがわかる。それでいてコントラストも申し分なく、補正なしの状態でも満足のいく画像になっている。

、作例1(1/320、F9)

 作例2(1/400秒、F9)は、作例1よりさらに逆光に近い瞬間を撮影したもの。シャドウ部が増えているため、暗部の再現性がさらに重要になる。作例を見ると、光の当たっていない部分でも、ペイント、レザー、金属など、反射率の異なる素材の違いがわかる。しかも、丸いものは丸く、平らなところは平らに表現されている。

作例2(1/400、F9)

 言葉にすれば当たり前のことなのだが、それを表現するにはレンズの高い解像力が求められる。もちろん、このレンズはその条件を軽々とクリアしている。

 作例3(1/640秒、F9)は、順光のいわゆるベタ光で撮影したものだ。順光で撮影したときに筆者が求めるのは、色がベタっとせず、物の形がわかること。つまり、同じ色の中の濃淡を忠実に再現し、丸いものは丸く、角のあるものはエッジが立っていることが重要なファクターだ。

 特に、ヘルメットやカウルのように反射率の高い素材でも、形をしっかり表現できているのは特筆すべき点だ。この点からも、このレンズが高い表現力を持っていることがわかる。

作例3(1/640、F9)

FE 600mm F6.3 GM OSS:中間トーンを大切にした描写

 次に600mmだが、作例1(1/400、F16)は逆光で撮影している。400mmと同様、シャドウ部までしっかりと表現できている。全体のコントラストは低めに抑えられ、中間トーンを大切にしているように感じる。蛍光のペイント部分も破綻なく表現できている点を見ても、レンズの素性の良さを感じる。発色も良く、派手すぎないがくすみもしない、ちょうど良い感じで使いやすそうだ。

作例1(1/400秒、F16)

 作例2(1/320秒、F16)は、ほぼ順光で撮影した。こちらも400mmと同様、解像力の高さを感じる。ダイナミックレンジからはみ出しやすい蛍光色も、色が飽和することなく、被写体の形を表現できている。色調も実際に見ていた色とほぼ同じで、安心できる。シャープネスも、このレベルであれば不満を感じることはないだろう。

作例2(1/320、F16)

【まとめ】1kgを切る軽さで、超望遠でも手持ち撮影が現実的に

 最後に実際に使ってみた感想だが、とにかく小さくて軽い。2本とも重量は1kgを切っており(三脚座を除く)、全長も30cmを切っている。手持ちでも十分に扱えるレベルで、実際に今回の撮影でも、400mmは手持ちで撮影している。

 今回は試すことができなかったが、2本とも1.4倍と2倍のテレコンバーターに対応しており、このレベルの解像力であれば、1.4倍テレコンバーターを装着しても十分な画質が得られるのではないかと想像する。小型軽量の超望遠レンズでありながら、プロの現場でも十分に使用に耐えるレベルだ。

 スペックは下記のURLから確認できるので、興味のある方はチェックしてほしい。

■筆者紹介───折原弘之

 1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。2012年より日本でレース撮影を開始する。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー

■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン

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