スマホで動くローカルAIが進化、ツール操作で大型モデル超えも Liquid AI「LFM3」発表
2026年10月29日 14時40分更新
米Liquid AIは10月27日、iPhone 17 Proのようなスマートフォン端末内でも動作する、軽量なAIモデルシリーズ「LFM3」を発表した。文章、画像、動画、音声などに対応する6モデルを公開し、学習済みモデルをHugging Faceで配布している。
Liquid AIは、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の人工知能研究所から生まれた、2023年設立のAI企業。一般的な大規模言語モデルとは異なる独自の設計を研究しており、クラウドの巨大な計算設備に頼らず、スマホやPCで効率よく動くAIの開発に力を入れている。
発表の中心となる文章用モデル「LFM3-1.7B」は、約17億パラメーターの小型言語モデルで、日本語を含む16言語に対応する。データを4ビットに圧縮するとモデル本体は約1GBに収まり、スマホでも動作可能だ。長い文章を処理する際には別途メモリが必要になるものの、最大256Kトークンの入出力に対応する。
Liquid AIの公称ベンチマークでは、外部ツールの適切な呼び出しを評価する「BFCL V4」で71.39点を記録。中国Alibaba系の「Qwen3.5-9B」の62.83点を上回った。ブラウザー操作を評価する「WebArena-Verified」でも38.42点となり、Qwen3.5-9Bの28.94点を上回る。とりわけツール操作に強く、AIエージェント向けの設計だ。
一方、知識量や複雑な推論では大規模モデルに及ばない。難問への回答能力を測る「GPQA Diamond」ではLFM3-1.7Bが63.37点、Qwen3.5-9Bが80.40点。長い文章から情報を探す「RULER 128K」でも、65.56点に対して87.11点と、こちらも差がついている。
得意なのは、メールの分類、予定管理、文書からの情報抽出など、決まった手順に従って判断し、外部機能を呼び出す仕事だ。モデルは用途に合わせて追加学習できるので、特定の業務に特化させることもできるだろう。
LFM3は独自の「LFM Open License v1.0」で公開され、年間売上高1000万ドル以上の法人による商用利用はライセンスの許諾対象外となる。汎用機でのAIエージェント実用化を後押しするモデルになりそうだ。
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