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【追悼】『あしたのジョー』しか知らないあなたへ。ちばてつやが描いた「欠点だらけの人間たち」1巻33円から読める名作群【Kindle漫画セール情報】

2026年10月28日 18時00分更新

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 10月22日。仕事に出ていたうちのカミさんから「ちばてつやセンセイ亡くなっちゃったんだって。ショック」というLINEが届きました。そのニュースは私も見ていて、「ほんとにね。でもキミ、ちばセンセイの漫画なんてほとんど知らないんじゃないの?」と問うと「知ってるよ。『あしたのジョー』でしょ。『キャプテン』でしょ。『ドカベン』でしょ。あと『愛と誠』は違ったっけ?」との返事。「おいおい」と。「『キャプテン』はちょっと惜しくて確かにちばセンセイではあるが弟さんのほうだぞ」と。虚空に向かってツッコんだりして。

 彼女は女性だしそんなもんかもなとも思いますが、ちばてつやという漫画家の名前は、ほとんどの人にとって=『あしたのジョー』というイメージなんではないかと思います。(この記事を開いているくらいの漫画好きならそうでもないかもですが)。

 実はちばセンセイの著作は、テレビアニメ化されたものも含めて多くあって、結構な作品が普段からKindle版でかなりお安く手に入り、読みやすくなっています。今回は、ちばセンセイの追悼として、センセイの残した名作を私なりにご紹介してみようと思います。 

常に「欠陥のある人間」を描いてきたちばてつや作品

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おれは鉄兵
ちばてつや (著)
全33巻(完結)
1,921円  (1巻あたり33~97円)
※価格・還元ポイントは記事掲出のものです。購入時には必ず現在価格と還元ポイントをお確かめください。

 
作品紹介 
 『あしたのジョー』に続く時期の、ちばセンセイ単独による長編漫画。ボクシングドラマという明確なラインを持つ『あしたのジョー』に比べ、本作は主人公・鉄平の行動がハチャメチャで、立派な態度より自分の欲求を優先するため、実は私、連載当時はあまり好きになれかったけど、今は大好きなちば作品のひとつ。内容的には剣道が主軸にはなっていますが、作風は『ハリスの旋風』に代表されるような、周囲を巻き込む昭和的学園ドラマが主。めちゃくちゃなのに憎めない、行儀のよさでは測れない型破りな主人公の魅力がこの作品の醍醐味です。アニメ化もされました。

 埋蔵金探しに夢中の父と、山の中で暮らしてきた少年・上杉鉄兵。落盤事故をきっかけに東京の家族と再会した彼は、名門・王臨学園へ通うことになる。学校の常識も礼儀も知らない鉄兵は、行く先々で騒動を起こすが、剣道では抜群の運動神経と観察力、負けず嫌いを発揮する。やがて強豪・東台寺学園へ移り、手ごわい先輩やライバルたちと対決。型にはまらない発想と勝利への執念で、自分の居場所を切り開いていく。1973~1980年『週刊少年マガジン』連載。
 

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あした天気になあれ
ちばてつや (著)
全58巻(完結)
3,130円  (1巻あたり33~97円)
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作品紹介 
 勝負の駆け引きと、生活感のある人物描写を、ゴルフで大きく展開した長編。単行本は全58巻で、ちばてつや作品の中では最長編。本作の主人公、向太陽も、品行方正な優等生ではありませんが、鉄平よりはまだ素直なところがあり、無謀さと謙虚さ(というかナイーブさ)を両方持ち合わせた主人公。その一方で、『あしたのジョー』の力石をはじめ、ちば作品の主人公のライバルたちは、妙にストイックでニヒルな真面目タイプが多いですが、本作では、様々なタイプのライバルが登場し、都度反省したり対策を練ったり落ち込んだりといった主人公の葛藤を楽しむ漫画と言えるのではないかと思います。

 下町の定食屋の息子・向太陽は、プロゴルファーを夢見る中学生。早朝のゴルフ客への弁当売りや練習場のアルバイトで資金を稼ぎ、元プロの竜谷の指導を受けて腕を磨いている。学校の大会からプロ研修生の世界へ進んだ太陽は、強敵との駆け引きや難コースに苦戦しながら、プロテストに挑戦する。「チャー・シュー・メン」の掛け声でスイングのリズムを整え、やがて世界の名選手が集う全英オープンへ。持ち前の大胆さと粘り強さで頂点を目指す。1980~1991年『週刊少年マガジン』連載。
 

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少年よラケットを抱け
ちばてつや (著)
全12巻(完結)
780円  (1巻あたり33~97円)
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作品紹介 
 周囲巻き込み型主人公が、テニス部員たちに影響を与え、消極的だった部員たちをも変えていくテニス学園ドラマ。ボクシング部立て直しのために入部したテニス部でコテンパンにされたことで、ボクシングの技術を応用しテニスにのめり込み、上達していく過程や、周囲の部員たちに情熱が伝播していくドラマ性などは、『俺は鉄平』に通じています。

 ボクシングに打ち込むため、沖縄から九州の双葉学園へやってきた古賀大志。しかし、目当てのボクシング部は休部中だった。大志は男子テニス部を巻き込んで部の再建を企て、主将のマコトとテニスで対決する。身体能力を頼みに挑むものの、利き手すら使わない相手に完敗。雪辱を誓って練習を始めた大志は、ボクシング仕込みの動きと独特の発想で上達していく。やがて仲間と大会へ出場し、強敵との勝負を通じてテニスにのめり込んでいく。1990年代前半『週刊少年マガジン』連載。
 

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紫電改のタカ
ちばてつや (著)
全6巻(完結)
454円  (1巻あたり33~97円)
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作品紹介 
 空中戦の活躍を描きながら、戦う若者の側から戦争の悲惨さに迫った、『あしたのジョー』以前の初期の代表作のひとつ。操縦の腕を競い、強敵を認め、仲間との関係を深めるところには、後のスポーツ作品に通じるものがあります。しかし、相手を倒すことが相手の死につながる戦争という舞台、敵の生還を喜び、捕虜を手当てする姿が描かれるなど、勝った、負けたという勝負だけでは割り切れない余韻を残す作品。ちばセンセイは、子どもが戦争を格好いいと思ってしまうのでは、と心配したそうで、悲惨な面も描きたいと担当編集者に相談しながら描かれた作品です。

 太平洋戦争末期の昭和19年、台湾の高雄基地に少年飛行兵・滝城太郎が配属される。優れた操縦技術と大胆な行動で頭角を現した滝は、仲間とともに激しい空中戦をくぐり抜け、やがて新鋭戦闘機・紫電改に乗る。敵の飛行兵との交流や、戦友の死を経験するなかで、敵にも家族や守りたい暮らしがあることを知る滝。しかし、個人の思いとは関係なく戦争は続く。悪化する戦況のなか、生きたいという願いと軍の命令との間で、若者たちは追い詰められていく。1963~1965年『週刊少年マガジン』連載。
 

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ハリスの旋風
ちばてつや (著)
全8巻(完結)
328円  (1巻あたり33円|第1巻のみ97円)
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作品紹介 
 ちば作品で初めてアニメ化された、人気の広がりの節目となった作品。『俺は鉄平』のルーツとも見られる、スポーツ万能少年・石田国松が、様々な運動部を渡り歩いて活躍する学園漫画。本作が認められたことで、ちばセンセイの描く漫画は、優等生主人公を脱し、欠点だらけの人間性を持つ人物を中心に展開する物語が多くなっていきました。1966年に『ハリスの旋風』としてテレビアニメ化され、1971年には『国松さまのお通りだい』として再びアニメになりました。

 けんかと大食いに明け暮れる少年・石田国松は、名門ハリス学園の園長に見込まれ、しぶしぶ学校へ通い始める。抜群の運動神経を持つ国松は、うまい弁当につられて複数の運動部に入部。野球、剣道、ボクシングなど、さまざまな競技で騒動を巻き起こす。身勝手でけんかっ早い一方、理不尽な仕打ちには黙っていられない。先輩の横暴や番長との対立にも体当たりでぶつかる国松は、周囲を振り回しながら、仲間たちと学園を変えていく。で1965~1967年『週刊少年マガジン』連載。
 

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みそっかす
ちばてつや (著)
全3巻(完結)
291円  (1巻あたり97円)
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作品紹介 
 実は少女漫画も多く手掛けてきたちばセンセイ。『みそっかす』というタイトルには馴染みが薄いかもしれませんが、1968年に『あかねちゃん』というタイトルでアニメ化されたちばてつや少女漫画の代表作のひとつ。当時の私も『みそっかす』は知りませんでしたが、姉がいた関係で、『あかねちゃん』は見てました。本作の主人公である上条茜も、やはり型破り型の人物像ですが、負けん気が強いだけでなく、悔しくて泣く姿、自分の行いを反省する姿、秀麿に影響されてまじめに勉強する姿なども描かれます。元気な子が周囲を変えるだけでなく、その子自身も人との関わりで変わっていくという細かな感情の動きを、家庭と学校の両方で楽しめる作品です。良家の子どもが田舎暮らしのあと戻ってきたら破天荒だった、というのは『俺は鉄平』に通ずる設定です。

 名門・上条家の三女、茜は、幼い頃に体が弱かったため、紀伊の田舎で草介おじさんに育てられた。六年ぶりに実家へ戻った茜は、すっかり元気なおてんば娘に成長。家柄や体裁を重んじる家族とは折り合わず、入学した白樺学園でも騒動を巻き起こす。学園創立者の孫・秀麿と親しくなり、ともに勉強や学校の問題に向き合っていく茜。しかし、父の会社の倒産によって一家の暮らしは一変する。周囲の態度まで変わるなか、茜は自分にとって大切な居場所を探していく。1966~1967年『週刊少女フレンド』連載。
 

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あしたのジョー
ちばてつや (著)、高森朝雄 (原作)
全20巻(完結)
11,880円 
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作品紹介 
 型破りな少年を描く漫画家が強烈な原作者と出会い、物語で人生を懸けた勝負を描くという広がりを見せた、ちばてつや最大の代表作。ちばセンセイ自身がが「それまでの私にはなかった世界」と語り、知名度だけでなく、表現の幅を広げたという意味でも、大きな転機となった作品です。矢吹ジョーは、やはり国松や鉄平のように、素直に人に教えを請うような人物ではなく、反骨心に溢れた主人公ですが、ただ周囲をドタバタに巻き込んでいくだけの主人公から、自分の負けや失ったものなどを契機に、貪欲に吸収し、勝利することへの渇望や、勝利だけでは埋められない穴を抱えた生き方など、より深い人間描写がなされているのが特徴です。登場時のジョーはともすればいけ好かないただ不良ですが、のちに誰もが「カッコいい!」とあこがれるキャラになるのは、やはり生き様が描かれているからでしょう。

 東京のドヤ街に流れ着いた、身寄りのない少年・矢吹丈。けんかの強さにボクシングの才能を見いだした元ボクサー・丹下段平は、丈を選手に育てようとする。事件を起こして少年院に送られた丈は、そこで力石徹と出会い、初めて圧倒的な敗北を味わう。力石との再戦を目指してプロのリングへ進んだ丈は、強敵との闘いや喪失を重ねながら、自分のすべてをボクシングに注いでいく。やがてその前に、世界王者ホセ・メンドーサが立ちはだかる。1968年1号~1973年『週刊少年マガジン』連載。
 

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のたり松太郎
ちばてつや (著)
全36巻(完結)
27,324円
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作品紹介 
 才能と向上心が一致しない人間を描いた、『あしたのジョー』以後の作品。豪放な松太郎と、小心者なのに酒が入ると一変する田中。対照的な二人を中心に、親方や兄弟子、身近な人々との付き合いが続き、読んでいるうちに登場人物がだんだん好きになっていく相撲漫画。当初から相撲漫画を構想していたわけではなく、編集者が持ってきた格闘技の資料を見ながら、松太郎を相撲の世界に入れることになったらしい。

 落第を繰り返し、十九歳になっても中学校に通う坂口松太郎。勉強も勤労も嫌いだが、石炭運びで鍛えた怪力だけは人並み外れている。学校を中退した松太郎は、巡業中の力士と騒動を起こしたことから、その腕力を見込まれて相撲部屋へ入門する。しかし、厳しいしきたりの中でも身勝手な振る舞いは変わらない。気弱で努力家の田中らを巻き込み、土俵でも街でも大騒ぎ。才能に恵まれながら気分に左右される男と、彼を取り巻く人々の暮らしを描く。『ビッグコミック』1973年~1999年連載(途中、休載期間あり)。
 

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ひねもすのたり日記
ちばてつや (著)
全7巻(完結)
9,438円
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作品紹介 
 ちばセンセイが、自分と自分に身近な人々を描いた、晩年の自伝的エッセイ漫画。実は今回のコラムでいちばんおすすめしたいのが本作。当初は本作の紹介だけで書こうと思っていたのですが、それだけでは私のちば作品好きは伝わらないかなぁということで他の作品も織り交ぜてご紹介することに。今回ご紹介している中では、特にセール対象などになっているわけではないですが、ちばてつやという漫画家の目線を知るには一番よい作品だと思います。生涯を「人間を描くこと」に捧げたちばセンセイが、自分の周りの人々をどう見ていたのかがいちばん分かります。

 漫画家・ちばてつやが、家族との暮らしや日々の出来事を描きながら、自身の半生を振り返る。旧満州で過ごした幼少期、敗戦後の引き揚げ、漫画との出会い、仕事に追われた青年時代。手塚治虫や赤塚不二夫ら漫画家仲間との交流も、現在の生活からふとよみがえる。家族との小さな騒動や老いにまつわる失敗に、忘れられない戦争の記憶や大切な人との別れが重なる。過去と現在を行き来しながら、一人の漫画家が生きてきた時間をフルカラーでつづる。
  

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