AMD、アダプティブコンピューティングの最新戦略を発表 フィジカルAI時代に向け2045年までの長期供給を強化
2026年10月28日 14時30分更新
米AMDは現地時間、同社シニアバイスプレジデント兼アダプティブ&エンベデッドコンピューティンググループ事業本部長のサリル・ラジェ(Salil Raje)氏によるブログ記事「The State of Adaptive Computing: Building on Innovation; Designing for What's Next」を公開した。
ロボティクスや自動運転といった現実世界で動作する「フィジカルAI(Physical AI)」の台頭や組み込みシステムの複雑化を見据え、同社のアダプティブ コンピューティングおよびFPGA事業における最新戦略を明らかにしている。
Xilinx買収から40製品以上を投入
モジュラー式セミカスタム事業も展開
AMDは2022年の旧Xilinx買収以降、組み込み向けポートフォリオの刷新を加速させており、すでに40製品以上の新製品を市場へ投入している。
エントリー向けの「Spartan 7」「UltraScale+」「Zynq UltraScale+」、ミッドレンジの「Versal Prime」「Kintex UltraScale+ Gen 2」、ハイエンドの「Versal Premium Gen 2」、そしてx86組み込み向けプロセッサーに至るまで、共通の開発ツール群(Vivado、Vitis)で包括的にカバーする体制を整えた。
さらにAMDは、CPU、GPU、FPGA、アダプティブSoC、NPU、ネットワークIPなどを単一ベンダーで包括的に保有する強みを活かし、セミカスタムシリコンソリューションの提供を拡大している。
モジュラー型のチプレット設計手法を採用することで、実証済みのダイの再利用や異なる製造プロセスの混載が可能となり、サードパーティーからのIPライセンス調達や複雑な統合リスクを負うことなく、顧客専用SoCの経済性と市場投入スピードを改善できるとしている。
メモリー直結パッケージ「MoP」や
TSMCとの先端パッケージング技術
ハードウェア面では、TSMCとの長期にわたる協業により、28nm世代から培ってきた積層シリコンインターコネクト(SSI)などの先端パッケージング技術が大きな強みとなっている。
無線通信分野では、RFコンバーター、信号処理、プログラマブルロジック、Armサブシステムを1チップに集約した第5世代の直接RFソリューション「Versal RF」シリーズを展開。
また、アダプティブSoCのパッケージ内に32GBのLPDDR5Xメモリーを直結した「Versal Premium Series Gen 2 Memory on Package(MoP)」を投入した。ボード面積を最大60%削減しながら最大288GB/sの帯域幅を実現し、データセンター向けのサイクルが短いHBMに依存することなく、産業用途に求められる15年以上の長期ライフサイクルを確保できる点が特徴だ。
最長2045年までの供給保証と
エージェントAI「AMD Ross」による開発支援
産業・航空宇宙・車載といった組み込み市場で重要視される製品供給期間について、AMDは「AMD 7シリーズ」FPGAを2040年まで、「UltraScale+」および「Versal」シリーズを少なくとも2045年まで製造供給を継続するロードマップを提示している。
開発環境の面では、自然言語で対話しながら組み込みシステムの設計、最適化、デバッグ、デプロイを支援する自律型AIアシスタント「AMD Ross」を導入した。VivadoやVitis HLSと連携し、開発者の管理権限を維持したまま、複雑化するヘテロジニアス環境の開発ワークフローを効率化するとしている。
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