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【KDDI SUMMIT 2026】AIは人の仕事を奪うのか? ロボット・自動運転・アバター接客がもたらす「AI前提社会」の衝撃

2026年10月28日 10時00分更新

 KDDIは10月27日、グループ最大級のビジネスイベント「KDDI SUMMIT 2026」をTAKANAWA GATEWAY Convention Centerで開催した。4回目を迎えた今回のテーマは「一人ひとりを輝かせる AIの可能性を、現実へ」。

 今年5月に発表した中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」にもとづき、通信とAIが融合する「AI前提社会」に向けて、同社がどのようなインフラとパートナーシップで社会実装を進めるのか。基調講演と展示からレポートする。

「KDDI SUMMIT 2026」がTAKANAWA GATEWAY Convention Centerにて開催

AI前提社会と「カスタマーイナーシャ」

 基調講演に登壇したKDDI代表取締役社長 CEOの松田浩路氏は、2026年に始動した新ブランドメッセージ「Spark Your Journey」に触れ、顧客一人ひとりの挑戦に寄り添う姿勢を強調した。通信規格が3Gから5Gへと進化し、接続対象がスマートフォンから産業全般へと広がる中で、現在は「AIが社会インフラとして当たり前に存在する“AI前提社会”に突入した」と分析する。

基調講演に登壇したKDDI代表取締役社長 CEOの松田浩路氏

AI前提社会が到来

 このAI前提社会においてビジネスの前提を変える概念として、松田氏が提示したのが「カスタマーイナーシャ(顧客の慣性)」だ。購買行動において、AIエージェントは価格やスペックを瞬時に比較して合理的に判断する。一方で人間は、信頼や愛着、応援といった感情に基づいて選択を行なう。AIによる購買代理が加速するからこそ、人間の感情に働きかける価値や顧客体験の設計が、企業の差別化要因になると指摘した。

ビジネスの前提を変える概念として「カスタマーイナーシャ」を提示

ショップ接客と通信品質を「AIでバフ」する2つの方程式

 KDDIは、人間とAIの協働で成果を最大化するアプローチを「AIでバフをかける」と表現し、2つの方程式を示した。

 1つ目は「ショップ接客の方程式(専門知識×応対の型×人ならではの温かみ)」だ。店頭での上位プランへの変更率がオンラインの3倍に達するというデータに基づき、AVITAとの協業による「KDDI Avatar Canvas」を導入。全国のau Styleやauショップに「AIロープレ」を展開し、AIアバターを相手にした反復練習で接客品質の向上を図る。

ショップ接客の方程式

AIアバターを使って、接客品質の向上を目指す

 2つ目は「エリア品質の方程式(ロケーション×通信容量×パラメーター最適化)」。これまで人手で約2年を要していた基地局のパラメーター最適化に、基地局ごとのAIと全体を学習するAIが連携する「分散型AI」を導入し、1ヵ月弱での自動最適化を実現している。

エリア品質の方程式

 上り通信の干渉抑制には量子アニーリング技術も適用。その結果、調査会社Opensignalの2026年10月のレポートでは、通信品質評価の全2部門とアプリ評価の全8部門、計10部門で1位を獲得し、国内最多受賞の5連覇を達成した。

Opensignalの2026年10月のレポートで、通信品質評価の全2部門とアプリ評価の全8部門、計10部門で1位を獲得

社会実装を牽引する「アライアンスパーク・プロジェクト」と3つの拠点

 さらに松田氏は、新産業創出の実践拠点となる「アライアンスパーク・プロジェクト」の始動を発表した。全国を強力なネットワークと低遅延の計算基盤で結ぶ「デジタルベルト構想」を土台に、高輪(未来への実験場)、山口(宇宙との玄関口)、大阪・堺(AI実装の発進基地)の3拠点を核として展開する。

イベント開催場所の高輪(未来への実験場)に加え、山口(宇宙との玄関口)と大阪・堺(AI実装の発進基地)の3拠点を核に

 2026年1月に稼働した「大阪堺データセンター」(オール水冷対応)には、2027年度にNVIDIAの次世代GPU「Rubin」を導入する予定だ。強化された同拠点の計算基盤を活用し、自動運転、ロボティクス、ドローン配送の3領域で、検証から社会実装までを推進するという。

大阪堺データセンターには、来年度にNVIDIAの次世代GPU「Rubin」を導入

 自動運転領域では、大阪で約1700台のタクシーを運行するnewmo、およびRimoと連携。走行データを大阪堺データセンターのGPUで学習させ、2028年度に堺エリアでレベル4自動運転タクシーの商用運行を目指す。

レベル4自動運転タクシーの商用運行を2028年度に目指す

 ロボティクス領域では、10月1日に事業を開始した「ELYZA Robotics」を通じて、2030年度までに研究開発費300億円を投資。大阪堺データセンター内の実証フィールドを活用し、1000台以上のロボットの現場導入を見据えている。

ELYZA Roboticsと連携し、ロボットの現場導入を目指す

 さらにドローン配送領域では、Alphabet傘下のWing Aviationと提携し、ローソンの商品などを注文から30分以内に届けるドローン配送を、2027年中に一部エリアで開始すると発表した。

ドローン配送も2027年中に一部エリアでスタート予定

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