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本丸は持続可能なオペレーションの改善

マニュアルが自動更新される世界へ 技術の継承に不安を抱える現場にスタディストが新構想

2026年10月09日 09時00分更新

 AIマニュアルを提供するスタディストは、Teachme BizのAI対応を強化するTeachmeシリーズの新機能である「Teachmeスタジオ」と、マニュアルの自動更新を可能にする新構想「CONNECT」および新製品「Teachme Knowledge」についての発表会を開催した。メインターゲットとなる製造業での技能の継承や変化に対応するオペレーション改善を実現すべく、AI前提で製品を強化する。

スタディスト代表取締役CEO鈴木悟史氏

マニュアルを作るAIから、自動更新するAIへ

 スタディストは2013年から、法人向けのクラウド型マニュアル作成・共有システムである「Teachme Biz」を提供しており、製造業を中心に国内外で2000社以上の導入社数を誇る。昨今はAIの導入を本格的に進めており、素材を放り込めば、自動的にマニュアルができあがるというレベルにまで精度を高めてきた。次に目指すのは、現場の変化を捉えて、自動的に更新し続ける「自律更新型のAI」だ。

 発表会に登壇したスタディスト代表取締役CEOの鈴木悟史氏は、こうした自動化の背景として、人手不足という社会課題を挙げる。同社がメインターゲットにする製造業は2002年以降、人材が3/4にまで減少している。2008年比では若手が約2割減り、65歳以上と外国人労働者は増加する一方。こうした中、技能の継承は大きな課題となっており、多くの製造業が不安を抱えているという。

技能の継承に不安を感じる製造業

 これに対して同社は、「リーンオペレーション」という概念を提唱している。リーンオペレーションは「ロスを減らし、最適な経営資源で成果を最大化するために、継続的に改善される一連のプロセス・作業・動作の連なり」と定義されており、現状の可視化から標準化、徹底化、価値強化までのフレームワークも用意されている。

お客さまはマニュアルを作りたいわけではない 手順やプロセスをよくしたい

 このリーンオペレーションのフレームワークを実現する手段が「Teachmeシリーズ」。そして、標準化や徹底化で用いられるプロダクトがTeachme Bizになる。「お客さまはマニュアルが欲しいわけではなく、手順やプロセスをよくしたい。技術の継承はマニュアルだけでは担保できないことはわれわれもわかっていた。手順を伝えるだけではなく、技能をどう伝えていくか考えた」と鈴木氏は語る。

 そしてリーンオペレーションを加速するためのプロダクト側の手段として、スタディストが数年前から取り組んできたのが、前述したAIの導入だ。「われわれはプロダクトを作りたいわけではなく、リーンオペレーションを実現する手段を提供したい。その意味では今一番イケてる技術がAIだ」と鈴木氏は語る。

 同社は2024年6月にマニュアルに利用する動画の分割や字幕、文章生成を自動化するTeachme AIを開発。その後、検索や編集支援を順次展開し、2026年3月からTeachme Bizに標準搭載した。そして、7月には複数素材の統合や画像対応を実現するTeachmeスタジオをリリースした。

 Teachme Bizスタジオでは、現場に散在する情報資産を取り込み、マニュアルを自動生成する。たとえば音声なしの作業動画と作業標準書を1つのマニュアルに統合する作業を大幅に高速化できる。「一度使ってもらえば、計り知れないインパクトを感じていただける」と鈴木氏はアピール。実際にスタジオ機能はリリースから2ヶ月で利用ユーザー数との会話数が約5倍、利用ユーザーも2.8倍に拡大しているという。

複数素材からマニュアルを自動生成する

会社の百科事典「Teachme Knowledge」とつながるプロダクト群

 マニュアルの作成や編集は楽になっても、現場の業務や知識は変わり続けているため、更新が重要になる。しかし、スタディストの調査によると、更新の必要性はほとんどが現場の指摘や点検、棚卸しなど人での気づきに依存しており、システムによる自動検知はまだまだ少ない。ただですら人手不足の状況で、更新作業を人が担い続けるには、負荷が重すぎるというわけだ。鈴木氏は、「自律的に更新できる状態を目指さないと、お客さまのペインは解消されない」と語る。

 こうした自動更新においても、期待はAIだ。変化を検知し、関連付け、影響を特定し、賛否を判断し、更新する。これを実現するには、現場固有の知識が必要になる。しかも、こうした記録は「ない」のではなく、「あるのに使えてない」のが現状。「探せない」「理解できない」「聞けない」の3つが情報活用の大きな壁となっている。

 こうした現場に眠る情報を組織で活用できる資産に変えるのが、10月から提供開始となった「Teachme Knowledge」になる。「会社の百科事典」を謳うTeachme Knowledgeは、Teachme Bizと同じく、どのような情報も雑に入れるだけで、AIが要約や構造化を行なってくれるという点が特徴だ。ユーザーは質問するだけで、蓄積されたナレッジから出典付きの回答を得ることができ、そこから得た知見を戻すことで「知の複利効果」とも呼べる新しいノートが追加される。

現場に眠る情報を活用できるTeachme Knowledge

 今後、スタディストは手順を伝えるTeachme Biz、知識を活用するためのTeachme Knowledgeのほか、さまざまなプロダクトを共通のデータソースを元に連携させていく「CONNECT」というビジョンを推進する。第一弾としては、Teachme Knowledgeに新しい知識が入ると影響範囲を調べ、Teachme Biz側に見直し箇所の候補と根拠が通知されるという連携が提供される。

 今後、CONNECTで連携するプロダクトとしてはTeachme BizとTeachme Knowledgeに加え、プロセス基盤の「Teachme Process」、人材情報の基盤「Teachme MySkill」、作業・設備点検の基盤「Teachme Check」、コミュニケーション基盤「Teachme Communication」などが挙げられた。これらの製品を連携することで、手順やプロセスの改善に加え、記録・点検、人の成長や配置などを実現し、現場全体を最適化。現場で生まれる知識を次の改善に循環させる「持続可能なオペレーションの改善」が実現するという。

持続可能なオペレーションを実現するための製品連携構想「CONNECT」

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