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新たなホームオーディオ「COVE」も披露

むちゃレア! JBL創立80周年を記念し、歴代名機が原宿に集結、2400万円スピーカーでレコードも聴ける!

2026年10月02日 18時35分更新

 ハーマンインターナショナルは、10月3日と4日の2日間、東京・原宿のWeWork アイスバーグで、JBLのブランド80周年を記念したポップアップイベント「JBL 80 YEARS POWERING VOICES in TOKYO」を開催する。

 ロサンゼルスを皮切りに、アムステルダム、ウィーン、ミュンヘンなど世界を回ってきたイベントで、東京の次は韓国ソウルでの開催も決定している。

 入場料は無料で、開催時刻は10月3日が11:00〜20:00。10月4日が10:00〜17:00。会場では歴代製品を紹介する「Playback Gallery」のほか、来場者が持参したレコードやCDを楽しめるリスニングエリア、ヘッドホンやポータブルスピーカーなどを試せるパーソナルリスニングルーム、JBLのカーオーディオを体験できる車両展示などを展開する予定だ。

JBLの80年を「音」でたどるイベント

 10月2日にはメディア向けの内覧会が行われ、JBLの80年にわたる歴史を象徴するアーカイブスピーカーから、発売前の新しいワイヤレスホームオーディオシステム「JBL COVE」まで、幅広い製品が公開された。

Summit Everest

 会場の中心的な企画の一つが「Live Listening Session」だ。

 ゲストキュレーターが選んだレコードを、JBLの最新フラッグシップスピーカー「Summit Everest」で再生。単に音楽を聴くだけでなく、その曲を選んだ理由や楽曲にまつわるストーリーとともに楽しむ内容となる。

 開催前日のプレス向け内覧会では、ディスクユニオン新宿ロックレコードストアの店長でレコードバイヤーである山中明氏がゲストとして登場。持参したレコードを再生しながら、「Summit Everest」について「量感のある音」に加え、特にボーカルの響きが印象的だったと語った。

 JBL側の担当者によると、Live Listening Sessionには8人のキュレーターが参加。それぞれが自身の思い入れのあるレコードを持ち寄り、音楽との出会いや記憶を共有する場にするという。『ソ連ファンク 共産グルーヴ・ディスクガイド』の著者としても知られる山中氏も、ロックの名盤に加えて、旧ソ連時代の「肋骨レコード」を持参して再生する予定だという。

旧ソ連時代、レントゲン写真に溝を刻んで流通していた肋骨レコード

 会場では「Bring Your Own Record(BYOR)」企画として、来場者自身が“大切な一枚”を持ち込み、JBL最高峰の環境で聴くことができる企画も実施する。先日、日本に上陸した「Summit Everest」は巨大なスピーカーということもあり、そもそも国内で聞ける場所自体が少ない。音楽好きやオーディオ好きにとっても魅力ある趣向と言えるだろう。

 また、「80年後に残したい一曲」をレコード型のコースターに記入して会場内に掲出する企画も用意され、お気に入りの曲と一緒にコースターを渡すとコーヒーのサービスも受けられる。

JBLの原点から現代まで――歴代名機を展示

 また、展示で目を引くのが、JBLの前身(1927年設立のランシング・マニュファクチャリング)時代から現代までをたどるPlayback Galleryだ。歴代製品の貴重な実機を目にできる。

 JBLの歴史は1946年10月1日の創立から始まるが、創業者ジェームス・B・ランシングは1920年代後半からロサンゼルスでラジオ向けのスピーカードライバーの開発を手掛けており、1930年代には15インチのフィールドコイルドライバーを開発。これが後のJBLへとつながる技術の源流の一つとなった。

Jackson-Bell 63(1923)

 1934年にはハリウッドのMGMスタジオから映画館向けの2ウェイスピーカー開発を依頼され、1936年には「Shearer Horn」を採用したシステムが完成。従来のフルレンジ方式に対し、低域と高域を分ける2ウェイ方式を採用したもので、米国の映画館へ広がっていったという。

 映画館向けの大型スピーカーから、より小型のスタジオ用へと展開する中で生まれたのが「Lansing Iconic」だ。さらに、その技術を家庭向けに美しい木製キャビネットで仕上げた「Iconic Salon」も展示されている。担当者によれば、1937年の製品で、現存する個体は世界でも数台しか確認されていないという。

Iconic Monitor(1937)、そもそも生産数が少なく、世界で現存しているのは2〜3代とか。

 JBL創立後の初期製品として紹介されたのが、15インチドライバーの「D130」だ。D130は家庭用スピーカーだけでなく、ギターアンプ、コンサートなどさまざまな用途に使われた。1950年代にはレオ・フェンダーがエレクトリックギター向けに採用し、1969年のウッドストック・フェスティバルや、グレイトフル・デッドの「Wall of Sound」にも使われたという説明もあった。

D-130(1947)

 これら「プロフェッショナル向けに開発された技術が、家庭用にも展開される」という流れは、JBLの歴史を理解するうえで重要なポイントだ。業務用機器とコンシューマー機器を別々に発展させるのではなく、プロの現場で培った技術を家庭へ持ち込むという考え方が、80年にわたって繰り返されてきた。

 その象徴として展示されたのが、1953年に登場した「Hartsfield」だ。当時はまだステレオが普及しておらず、モノラル再生を前提としたスピーカーだった。特徴的なキャビネット形状は、部屋の角に設置することを前提としたもの。部屋のコーナーによる音響的な効果を利用して、豊かな音を再現する設計だった。Hartsfieldは1954年から1964年まで生産され、ロサンゼルスの著名人の家庭などにも置かれたという。米Life誌が「究極のラグジュアリースピーカー」と評したことでも知られる。

Hartsfield(1954)

 モノラルからステレオへと音楽再生の環境が変化すると、JBLは新たな製品を投入する。その代表例が1957年に登場した「Paragon」だ。

 Paragonは、JBL初期のステレオフォニック機器を代表するモデル。1957年から1983年まで生産され、製造数は約1000台とされる。発売当時の価格は2000ドルで、現在の価値に換算すると約2万3000ドル。キャビネットには1台あたり100時間以上の木工作業を要したという。

 初期のParagonにはD130ドライバーを左右に1基ずつ搭載。左右のスピーカーを離して配置する一般的な方式ではなく、一つの大型キャビネットに左右の音源を収め、中央に座って聴くことでステレオイメージを得る設計だ。

 内覧会では実際に動作する個体からフランク・シナトラの楽曲を再生。担当者は、正しい位置、いわゆる「スイートスポット」(正面から2〜3m離れて低いソファーに座った高さ)で聴くことで、Paragonならではのステレオ効果を体験できると説明した。

Paragon(1957)、こちらは実際の音を聞くことができた。

 その後も、より小型のホームオーディオとして「Olympus」、レコーディングスタジオで広く使われた「4310」、その技術を家庭用に展開した「L100 Century」、大型スタジオモニター「4350」、さらに「D55000 Everest」「K2 S9900」など、JBLの歴史を象徴するモデルが並ぶ。

 特に「4310」は、世界中のレコーディングスタジオで使用された代表的なスタジオモニター。クインシー・ジョーンズもJBLのスタジオモニターを愛用し、後継モデルの4311を使ってレコーディングしたという。

Olympus(1960)

ホーンを説明するために、販促担当者が称していたというメガホンも置いてあった。

4310 Studio Monitor(1968)

 1970年代には、スタジオモニターの技術を家庭用に展開したL100 Centuryが登場。黒いグリルが一般的だった当時、JBLはオレンジ色の「Quadrex(クアドレックス)フォームグリル」を採用し、音響機器でありながら家具としても存在感のあるデザインを打ち出した。内覧会では1970年代初頭のオリジナル個体が実際に動作する状態で展示されていた。こうした歴代モデルをたどると、JBLの80年は単純な「高級スピーカーの歴史」ではないことが分かる。映画館、レコーディングスタジオ、コンサート、家庭、そして現在のBluetoothスピーカーへと、音楽を取り巻く環境の変化に合わせて技術の用途を広げてきた歴史でもある。

L100 Century(1970)

4350B Studio Monitor(1980)

Everest DD5500(1985)

K2 S9900(2009)

VTX V Series(2012)

初代の「Flip」(2012)

現代の製品であるJBL Go 5。マイクをつないでPAとしても活用していた。

写真は手書きされたJBLのロゴのデザインスケッチ(当時)をプリントアウトしたもの。JBLは創業者ジェームス・B・ランシングのイニシャルだが、1946年の会社設立時は「Lansing Sound Inc.」という社名だった。しかし、このLansingの使用については、同氏が以前関わっていたAltec Lansingとの間で商標上の問題が生じた。JBLの3文字がブランドとして使われ始めたのは1950年代で、その後、感嘆符を組み合わせたロゴがブランドの象徴になった。現在のロゴにつながるデザインはParagonのデザインも担当したアーノルド・ウルフが手掛け、1967年に、四角い枠の中に「JBL」と感嘆符を配置したデザインが登場したという。

ストリーミング時代に向けた新シリーズ「JBL COVE」

 こうした歴史的な名機と並んでイベントで注目されるのが、国内初披露となる「JBL COVE」だ。

 JBL COVEは、ストリーミング時代のホームオーディオとして開発された、ワイヤレスホームオーディオシステム。「COVE X1」「COVE P1」「COVE M1」の3モデルをラインアップし、いずれもWi-Fi接続で音楽を楽しむことができる。発売は2026年10月下旬を予定している。

 このうちX1とP1はDolby Atmosの再生に対応。上部には30mm径のハイトスピーカーも装備している。「JBL ONE」アプリを使用して複数の機器を同時にコントロールしてマルチルーム再生も楽しめる。

 スマホ接続やストリーミングサービスは、AirPlay 2、Google Cast、Spotify Connect、Qobuz Connectなどが利用可能。担当者の説明によると、iPhoneを使用した場合、AirPlay経由でDolby Atmos Musicの再生も可能だという。また、Spotify Connectではロスレス再生になるほか、JBL ONEを使用すればAmazon Musicのハイレゾ/Dolby Atmos再生も可能となるそうだ。

 上位モデルのCOVE X1は、6基のスピーカーを合計200Wのアンプで駆動。Dolby Atmos Musicに対応し、ハイトスピーカーを含む構成によって、1台でも立体的な音場を構築する。JBLオンラインストアでの販売価格は7万4800円。

 COVE P1は、シリーズ唯一のポータブルモデルで、最大14時間のバッテリー駆動とIP56の防塵・防水性能を備え、充電クレードルにも対応する。X1と同じくDolby Atmos Musicに対応し、リビングだけでなくキッチンやテラスなどへ持ち運んで使える。価格は6万8200円。

 COVE M1は3モデルの中では最もコンパクトなエントリーモデルで、20mm径ツイーター3基と100mm径ウーファーを搭載。JBLオンラインストア価格は3万5200円となる。

ワイヤレス接続できるCOVE P1。サウンドバーのリアスピーカーとしても活用できるという。

 COVEの特徴は、単体で音楽を聴くだけではない。2台を組み合わせたステレオ再生や、複数の部屋をまたいだマルチルーム再生に加え、対応する「JBL BAR MK2」シリーズのサウンドバーと組み合わせ、COVEをリアスピーカーとして利用することも可能だ。

 内覧会では、実際に複数のCOVEを接続した状態でデモを実施。担当者は、リビングで音楽を聴いていて別の部屋へ移動する際にも、スピーカー側の操作によって同じ音楽を引き継げる機能を紹介した。音楽を一つの部屋で聴くためのスピーカーから、「家の中で音楽をつなぐ」システムへと用途を広げているのがCOVEの特徴だ。

操作はタッチパネル

2時の方向にあるボタンを押すだけで簡単にマルチルーム再生が可能になるなど、操作も優れている。

会場では通常オンラインでしか購入できない限定色なども展示、その場で購入もできる。

ヘッドホン、モノラル再生、ステレオペア再生の違いを個室でじっくり体験できるスペースも用意されている。

 JBL創立80周年を記念する今回のイベントは、単に歴代製品を並べるだけの展示ではなく、映画館やスタジオ、コンサート会場で使われた技術が家庭へ入り、さらにBluetoothやWi-Fi、ストリーミングへと形を変えてきたJBLの歩みを、実際の音と製品を通じて体験できる構成になっている。

 80年前の創業日に近いタイミングで東京に集められた歴代の名機と、ストリーミング時代の新製品COVE。プロフェッショナルオーディオから家庭のリスニング環境まで、JBLが音楽を届ける方法をどのように変化させてきたのか。その連続性を一度に体験できるイベントに注目だ!

JBLのサウンドシステムを搭載したランドクルーザー

Hi-Fiオーディオの世界にも浸れる

もちろん、現行のBluetoothスピーカーなども展示されている。

「JBL 80 YEARS POWERING VOICES in TOKYO」開催概要

開催日時:2026年10月3日(土)11:00~20:00、10月4日(日)10:00~17:00
会場:WeWork Iceberg(東京都渋谷区神宮前6丁目12-18)
入場料:無料
会場ではPlayback Gallery、BYOR、Live Listening Session、最新製品の試聴・体験などを展開。イベントの詳細はJBL公式サイトで案内されている。

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