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開発背景も解説!

Technics、磁性流体ドライバー採用のワイヤレスヘッドホン「EAH-A1000」を発表

2026年09月30日 13時10分更新

EAHA1000、カラーは2色展開だ。

 パナソニックは9月30日、ワイヤレスヘッドホンの新製品「EAH-A1000」を発表した。価格はオープンプライスで、実売価格は6万円前後になる見込み。発売は11月19日を予定し、カラーはプラチナグレージュとブラックの2色展開だ。

プラチナグレージュ

ブラック

Technicsらしさ全開、磁性流体ドライバー採用ヘッドホン

 EAH-A1000は、Technicsのブランドで展開するハイエンドのワイヤレスヘッドホン。ノイズキャンセル性能に加え、高音質にもこだわっている。

 Technicsのコンセプトである、(1)音の持つ無限の可能性を拓き、人生に喜びと感動をもたらすというミッション、(2)パーソナル空間の価値向上に技術で貢献するというヴィジョン、(3)音楽を愛し、あらゆる音の体験に高いクオリティを求めるというニーズを満たし、アーティストの「ありのまま」を伝える音楽再生を目指して開発された。

 技術面で「ブランドらしさ」を感じさせるのが「磁性流体」を使用した独自開発のドライバーだ。

 磁性流体とは、液体のように自由に動く性質を持ちながら、磁石に吸い寄せられる性質を持つ素材のこと。液体のように隙間に流すことができ、EAH-A1000のドライバーでは、ボイスコイルを動かすために空いている隙間(磁石とヨークのギャップ)に使用している。電圧をかけることで、振動板に取り付けたボイスコイルが前後に震える動作(ピストンモーション)時に発生する横揺れ(ブレ)を抑え、正確なストローク動作をさせるのが目的だ。

 ちなみに、Hi-Fiスピーカーなどでは、摩擦熱を逃すことを目的に磁性流体を使うがあるが、Technicsの場合は、ただ隙間を開けるだけでなく、そこに液体を使用することで動きを安定させることが主目的だそうだ。イメージとしてはエンジンにオイルを流してシリンダーやピストンが滑らかな動作になるのと似ている。

磁性流体ドライバーを説明する模型。ボイスコイルの内側の隙間に流すことで、ストローク動作を滑らかで安定した動きにする。

 Technicsではこれまで、2019年の「EAH-TZ700」や2025年の完全ワイヤレスイヤホン「EAH-AZ100」など、イヤホン製品のフラッグシップ機向けに、磁性流体ドライバーを展開してきた。開発の実績も重ねてきたことになる。

 ただ、EAH-AZ100のドライバーは10mm程度の直径で、本機のものよりかなり小型だ。これを40mm径と大きなヘッドホン用のドライバーに採用するためには、後述するようにかなりの試行錯誤があったという。

EAH-TZ700

中央手前がEAH-AZ100

 振動板には軽量でたわみにくいコーン形状のカーボンファイバー素材を使用している。イヤホンに比べて大口径化した振動板を歪みなく動かすために、やわらかいエッジ部を設けているが、ここにも工夫がある。Technicsのハイエンドスピーカー「SB-R1」(受注生産、148万2000円/本)でも採用している、「SSTエッジ」という構造を採用しているのだ。

 これ以外にも、ドライバーユニットを取り付ける面(バッフル面)の凹凸をなくして不要な反響音が出ないようにする「バッフルフラット構造」で中高域の濁りを抑えたり、ドライバー後方に大きな空間を空け、かつ背面に通気口を備え、空気の流れを最適化する「アコースティックコントロールチャンバー」を装備しているといった特徴がある。

 これらはヘッドホンならではの自然な空間の広がりを出すための工夫だ。

ドライバー技術の主要なポイント

SB-R1のSSTエッジ。写真では振動板の円周部(エッジ)が6分割されており、前側に張り出している部分と、後ろ側に張り出している部分が交互に組み合わされている。こうすることで、前後に動く際の空気の量を均一にする技術だ。

バッフル面の凹凸を減らすことで滑らかな音の流れを作る

新製品のドライバー取り付け部アップ

海外で販売していた従来モデルのドライバー取り付け部アップ

アコースティックコントロールチャンバーの解説スライド

シンプルながら上質なデザイン、業界最高クラスのANCも

 装着感や仕上げもEAH-A1000のこだわりポイントだ。プラチナグレージュの新色も用意されている。フェイスプレートにEAH-AZ100など既存製品と親和性が高い、同心円状の加工(サーキュラー加工)を採用。さらに、金属的な質感とシンプルで流れるような変化を両立した片持ち構造のフローアームや柔らかな曲面で構成されたサイド部分など、使い勝手と上質さを両立できるデザインを重視している。

特徴的なスピンドル形状のフェイスプレートと独特な局面を持つ片持ちのアーム

内側から見たところ。左右の区別などもしやすい工夫がある。

操作部材は右側に集中している。

アームは片側でハウジング部を吊るタイプ。独特な形状のアームによって、平らにした際にハウジングの面とアームが揃うのも美しい。

 機能面でも、業界最高クラスの性能を持つアダプティブノイズキャンセル機能に加え、最大3台の機器と同時接続できるマルチポイント接続機能、最大で90時間(ANCやLDACを使用した場合でも最大40時間)の連続再生が可能なスタミナバッテリーなど、随所にパナソニックらしさを感じさせるものとなっている。

 さらに本機はDolby Atmosの空間オーディオ再生にも対応しており、ステレオ音源をDolbyの技術でアップミックスして広がりのある音を楽しむことが可能だ。ヘッドトラッキングを使用することで、頭を動かしても定位感が崩れない自然な空間表現が可能となっている。

 本体の重量は約306gで、BluetoothコーデックはSBC、AAC、LDAC、LC3に対応。USB-C、3.5mmの有線接続も可能だ。

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