市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 9月19日~9月25日
開発業務へのAI適用、「品質やROIの把握」は未成熟/10月義務化のカスハラ対策、遅れる現状/AI利用で「幸福感が向上」は2割未満、ほか
2026年09月28日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2026年9月19日~9月25日)は、ソフトウェア開発現場のAI活用における品質影響やROIにまつわる課題、AIとウェルビーイングに関する生活者調査、10月から義務化されるカスハラ対策の現状、全世界規模のセキュリティ/プライバシー知識テストの結果についてのデータを紹介します。
[開発][AI] AI活用が浸透した開発プロセス、課題は「品質影響や投資対効果が把握できていないこと」(ファインディ、9月25日)
・開発プロセス全体にAI活用が浸透。設計、実装、コードレビューでそれぞれ9割超
・ただし、4割の組織は事業が求める開発スピードに追いついていない
・AI生成コードの品質影響、AIコストと成果のバランスなどが把握できていない課題も
開発責任者/マネジメント層185名を対象とした、ソフトウェア開発業務におけるAI活用の実態調査より。設計で92%、実装で98%、コードレビューで97%など、AI活用は開発プロセス全体に浸透している。ただし開発スピードについては、42%の組織が「事業要求を下回る」と答えた。AIが出力するコードや提案について「半分以上の手直しが必要」とした組織は合計59%。AI活用が「コードの品質」に与える影響については、36%の組織が「比較できる実績やデータがない/把握していない」としており、観測基盤がない現状も浮き彫りに。また、AIコストと成果についても「評価していない」「コスト不明/把握していない」の合計が33%となっている。
⇒ 開発業務においても、数年前の「AI投資を急ぐフェーズ」から「AI投資から事業成果が得られているかを検証するフェーズ」へと移行し、厳しい目が向けられ始めています。開発に限ったことではありませんが、AI活用の実態と成果を多面的に可視化し、観測する仕組みが求められそうです。
[AI][生活] “AIとウェルビーイング”調査、AIのプライベート利用率は7割超えだが「幸福感が向上」は2割未満(NEC、9月15日)
・全国2000名以上の生活者を調査、AIのプライベート利用率は7割以上に
・AI利用による「幸福感の広がり」は限定的、幸福感向上は2割未満にとどまる
・不安は「AIに行動を方向づけられる」「人と話す機会が減る」「スキルが衰える」など
全国の15~74歳、2057名を対象に実施した「AIとウェルビーイングに関する生活者調査」より。プライベートでのAI利用率は7割を超えたが、「幸福感が向上した」人は18.2%にとどまり、影響は限定的としている。また、AI利用によって「達成感が減った」(58.4%)人が過半数を占めたことも注目される。幸福感を左右するのは、AIによる偽情報やプライバシーへの不安ではなく、「AIに行動を方向づけられる不自由さ」「人と直接話す機会が減る寂しさ」「自分のスキルが衰える不安」など、“自律性・主体性が脅かされる不安”だと結論づけている。
⇒ プライベートな生活においてもAI利用が浸透し、便利さは増しましたが、人間の「幸福感」はもっと複雑なものであることを示す調査結果です。自分の力でやり遂げたい「プロセス重視派」であっても、「AIと対話/協働して使う」層であれば幸福スコアが高いという結果も出ており、単純に“AIを使う/使わない”だけで幸福感に近づけるかどうかは計れないようです。
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