第285回
日本は力を持ったとき、それをどう使うべきか? 「自衛隊」という組織での戦闘の難しさを描く『空母いぶき』【Amazonマンガ週末祭】
2026年09月26日 16時00分更新
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その中から、今回はかわぐちかいじセンセイ、軍事ジャーナリストの惠谷治さん制作協力の『空母いぶき』をご紹介。
現実を背景にしたリアルな架空戦記の作られ方
本作の舞台は、日本が事実上の空母「いぶき」を持った世界。連載開始は2014年ですから、すでに12年前のことです。当時の実際の日本を取り巻く世界情勢を反映し、日本の自衛隊が空母を持ったとしたら世界はどう反応するのか? また、日本はその空母をどう使うのか? に焦点を当てた、架空シミュレーションのようなリアリティを持った漫画です。
その『空母いぶき』の制作現場では、かわぐちかいじセンセイが「こうなったら漫画として面白い」とまず面白さ優先で展開を考え、そのアイデアを軍事ジャーナリストの惠谷治さんが「それは無理」「自衛隊はそんなことをしない」とダメ出しする方式でストーリーを決めていったそうです。漫画の都合で現実を曲げるのではなく、そのダメ出しを受けて、では現実の自衛隊ならどう動くのかを考え直す。その積み重ねで物語が作られていました。
そのため、『空母いぶき』は、「日本に空母があったら無双できてカッコいい」といった単純なバトル漫画にはなっていません。
戦闘機もミサイルも潜水艦も出てきますが、本作でより多く描かれるのは、それを「撃つ」シーンより「撃っていいのかどうか」を判断するシーン。先に撃てば何が起きるのか、専守防衛の自衛隊がどこまで武力を使えるのか、現場の判断を政府がどう受け止めるのか。戦闘そのものより、その手前の判断にかなりのページが使われています。
もし本当に日本がこういう状況に置かれたら、自衛隊はどう動くのか。そもそも、どこまで動ける組織であるべきなのか。『空母いぶき』は架空の戦争を描きながら、現実の自衛隊のあり方まで考えさせる漫画なのです。
かっこいいだけの漫画じゃないとは言ったけど、
カバー絵はめちゃかっこいい
空母いぶき
かわぐちかいじ (著)、惠谷治 (協力)
全13巻(完結)
9,009円 +ポイント還元 4,511 pt (50%)
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