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「BLE」って何? 電池で長時間動く、IoTセンサーを支えるBluetoothの通信規格

2026年10月08日 12時00分更新

【BLE(ビーエルイー)】

 温度センサーや忘れ物防止タグの説明で、「BLE対応」という文字を見かけることがあります。Bluetoothならイヤホンやマウスでおなじみですが、BLEは何が違うのでしょうか。今回は、BLEの意味と省電力で通信できる仕組み、IoTでどのように使われるのかをやさしく解説します。

 BLEは「Bluetooth Low Energy」の略称として一般に使われている言葉です。Bluetooth SIGでは「Bluetooth LE」という表記が使われています。少ない電力で通信することを重視したBluetoothの通信規格で、Wi-Fiなどでも使われる2.4GHz帯の電波を使い、近くにある機器同士でデータをやり取りします。

 消費電力を抑えられる大きな理由の1つは、ずっと電波を出し続けるのではなく、必要なときだけ短時間で通信する使い方ができることです。たとえば温度センサーなら、温度を測ったあとに短いデータを送り、それ以外の時間は通信を休ませます。通信する回数や送信するデータを減らせば、小さな電池でも長く動かしやすくなります。

 Bluetoothと聞くと、最初にスマートフォンと機器を「ペアリング」するイメージがありますが、BLEでは必ずしもペアリングが必要なわけではありません。ビーコンと呼ばれる機器のように、「私はここにいます」と短い情報を一定間隔で一方的に発信し、近くのスマートフォンや受信機に見つけてもらう使い方もできます。

 Bluetoothには、BLEとは別に「Bluetooth Classic」と呼ばれる方式があります。Bluetooth Classicは、これまでイヤホンなどで音声を連続して送る用途に広く使われてきました。一方、BLEは、IoTではセンサーの測定値や機器の状態など、少量のデータをときどき送る用途と相性がよい規格です。BLEでは1Mb/sの通信方式が基本で、対応機器では2Mbpsの方式も使えますが、写真や動画のような大きなデータを大量に送り続ける用途には向きません。

 「Low Energyだから通信距離も短い」とは限りません。届く距離は送信する電波の強さやアンテナ、壁や金属などの障害物、機器が対応する通信方式によって変わります。

BLEはIoTでどう使われる?

 IoTでは、BLEはセンサーとクラウドの間の「最初の短い区間」に使われることがよくあります。たとえば温度センサーがBLEで測定値を送り、近くに置いたゲートウェイが受信します。ゲートウェイとは、センサーとインターネットの橋渡しをする中継機器です。受け取ったデータは、そこからWi-Fiや携帯電話回線を通ってクラウドへ送られます。

 わかりやすい例が、冷蔵庫や倉庫の温度監視です。複数の場所にBLE対応の温度センサーを置き、1台のゲートウェイでまとめてデータを受信すれば、すべてのセンサーに通信回線やLANケーブルを用意せずに済みます。配線しにくい場所や、センサーを後から増やしたい場所でも使いやすいのが特徴です。

 もう1つは、工具や台車、商品などの所在確認です。それぞれのアイテムに小型のBLEビーコンを取り付け、建物内の受信機がその電波を拾えば、「この機器がこのエリアにある」といった情報を記録できます。GPSが入りにくい屋内でも使えますが、単純なビーコン受信だけで数センチ単位の正確な位置が分かるわけではありません。まずは「ある、ない」「どの受信機の近くにある」といった確認に向いています。

 工場では、設備に付けた温度や振動のセンサーからBLEでデータを集める方法も考えられます。ただし、振動の波形を細かく大量に送り続けると、BLEの省電力という利点を活かしにくくなります。センサー側で「振動が基準を超えた」「現在の振動レベルはこの値」とデータを絞って送るなど、必要な情報量に合わせた設計が重要です。

 ソラコムのIoTストアでは、BLEビーコンを受信し、携帯電話網を使うLTE-Mでデータをクラウドへ送信できる「GPS + Beacon Edge Unit SORACOM Edition」が販売されています。BLEビーコンを現場に配置し、その情報を短距離のBLEで集め、外部への通信をゲートウェイ側にまとめたい構成で利用できます。

オールインワン型IoTデバイス 「GPS + Beacon Edge Unit SORACOM Edition」

 国内でBLE機器を使うときは、日本の電波法に適合した機器を選ぶ必要があります。市販の完成品や無線モジュールを利用する場合は、いわゆる「技適マーク」の表示があるかを確認しましょう。電池寿命は、送信間隔や電波の強さ、センサー自体の消費電力によって大きく変わります。どのくらいの頻度で測定や送信が必要なのかを考え、それに合わせて設定を決めることが重要です。

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