現場の課題をプリンターで解決! 日本HPの新ソリューション「HP Build Workspace」
2026年09月04日 11時00分更新
日本HPは9月2日、建築・エンジニアリング・建設(AEC)業界向けのクラウドサービス「HP Build Workspace」の日本語版を提供開始した。
AEC業界におけるDXは目覚ましい進展を見せている。オフィス側ではCADやBIMを活用した3D設計やクラウド上でのリアルタイムなデータ管理が主流となり、デジタルデータによる迅速な情報共有が定着しつつある。
しかし、実際の施工現場に目を向けると状況は大きく異なる。全体を一目で把握できる一覧性の高さや、その場でメモなどをさっと書き込める使いやすさ、また屋外や地下、粉塵(ふんじん)の中でも確実に使える信頼性など、実用面での理由から、依然として「紙の図面」が現場の共通言語として広く使われ続けている
ここで課題となるのが「オフィスと現場の図面の不一致」だ。オフィス側で設計の修正や図面の更新が頻繁に行われても、現場で使われている紙図面が古いバージョンのまま更新されず、作業が進められてしまうケースが後を絶たない。
今回発表されたHP Build Workspaceは、こうした紙とデジタルのギャップを埋め、常に「最新かつ正しい情報」が現場へ届く一元管理環境を提供するものだという。
「HP Build Workspace」がもたらす4つの核となる機能
HP Build Workspaceは、紙図面とデジタル図面を一元管理し、図面の共有・管理・共同作業を効率化するクラウドサービスで、主な特徴は以下の4点だ。
【1. 常に全員が最新版で作業】
プロジェクトの図面データはすべてクラウド上で一元管理される。
図面が更新されると古いバージョンは自動的に最新版へと置き換わるため、設計者、現場監督、作業員などプロジェクトに関わる全員が、常に最新の図面を参照できる環境が整う。
【2. デジタルと紙をつなぐQRコード】
HPのプリンターから出力される印刷図面には、固有のQRコードが自動付与される。現場の作業員がスマートフォンやタブレットでこのQRコードをスキャンすると、手元にある紙図面が最新版であるかをその場で即座に判定する。
もし古いバージョンであった場合、HP Build Workspace上の印刷機能から、印刷ソフト「HP Click」を介してスムーズに最新の図面を再印刷・出力することが可能だ。
【3.現場・オフィス間のコミュニケーション】
施工現場で発見した問題点や確認事項、撮影した施工写真を、図面上の特定のポイントへピン留めして共有できる。
テキストや言葉だけでは伝わりにくい現地指示も、図面上の正確な位置と写真データが紐づくことで、オフィス側へ迅速かつ正確に伝達することが可能となる。
【4.図面業務の省力化「HP AI ベクタライゼーション」】
AIを活用し、PDFやスキャンされた紙図面などのラスターデータを、編集可能なCADデータ(DXF形式)へと自動変換する。
AIがドア、窓、壁、寸法線、日本語テキストなどの建築構成要素を自動で認識・判別し、適切なレイヤー分けまで自動処理する。これにより、設計修正作業の効率化を実現し、製図作業時間を最大80%削減できるとする。
スキャンからCAD化までを一気通貫する「新型ハードウェア」も登場
日本HPはプラットフォームの提供開始に合わせ、「HP Build Workspace」と直接連携する大判複合機の最新モデル「HP DesignJet T2600 dr PS MFP A0モデル PE|Build Connected」を同時発表した。
本体のフロントパネルには「スキャン to AI Vectorize」機能を新たに搭載。現場で紙図面を本体へスキャンするだけで、クラウドへのアップロードからAIによるCADデータ変換までをワンタッチで一気通貫処理できる仕組みを実現している。
さらに、グラフィックス用途向けの「Z6/Z9+ Plus Edition」などを含む計11機種のハードウェアラインナップを展開。
セキュリティー機能「HP Wolf Security」に対応し、現場のネットワーク接続性と安全性を飛躍的に高めている。
基本機能は無償・必要な際に従量課金制(トークン方式)
HP Build Workspaceは、プロジェクト管理、図面のバージョン確認、QRコード連携、現場コミュニケーションなどの基本機能を無償で利用できる。
また、注目の「AIベクタライゼーション」機能についても、図面の変換および結果プレビューの確認までは無料で行うことが可能だ。
変換されたDXF形式のCADデータを実際にダウンロードする段階で初めて費用が発生する「トークン制(従量課金)」を採用している。
トークンは10枚、50枚、100枚単位のパッケージで購入でき、従来の保守サービスや消耗品購入と同じチャネルで手軽に手配できるよう配慮されている。初期費用を抑えつつ、必要な分だけ利用できる柔軟なビジネスモデルとなっている。
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