Galaxyの2つ折り三兄弟を徹底比較してみた=「Z Fold8 Ultra」「Z Fold8」「Z Flip8」実機レビュー
2026年08月07日 00時01分更新
折り畳みスマホ市場を開拓してきたサムスンが、新たな段階へ踏み出した。2026年のラインナップは「Galaxy Z Fold8 Ultra」、「Galaxy Z Fold8」、「Galaxy Z Flip8」の3機種となったのだ。
従来はFoldとFlipを1機種ずつ展開していたが、今回はこれまでのFoldに相当するモデルをUltraへと格上げし、スタンダードモデルとして無印のFoldを追加した。
このGalaxy Z Fold8は、いわば折り畳みスマホのスタンダードを担う製品である。サムスンが折り畳みスマホを本格普及させる段階に入った証と言えるだろう。
サムスンから試用機を借りたので、この3機種にFold7を加えてベンチマークスコアやカメラ画質を比較しつつ、新モデル3機種でコンテンツがどのように見えるのかをチェック。それぞれのモデルが、どのようなユーザーに向いているのかという視点から実機レビューをお届けしよう。
プロセッサーは3機種共通
ディスプレーとカメラが大きな違い
まずは3機種の主要スペックを押さえておこう。プロセッサーは、いずれも「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」を採用する。メモリーとストレージの構成は、Fold8 UltraとFold8が12GB/256GB、12GB/512GB、16GB/1TBの3モデルで、Flip8には16GB/1TBはなく2モデルだ。
最大の違いはディスプレーだ。Flip8は前モデルのFlip7を踏襲しているが、Fold8にはFold7とは異なるアスペクト比4:3のディスプレーが採用されている。Fold8 Ultraより解像度を抑えつつ、コンテンツ視聴に適したアスペクト比としている。
・Fold8 Ultra
メイン8型(2504×2256ドット)
サブ6.5型(2520×1080ドット)
・Fold8
メイン7.6型(1848×2448ドット)
サブ5.5型(1972×1248ドット)
・Flip8
メイン6.9型(2520×1080ドット)
サブ4.1型(1048×948ドット)
なお、Fold8 UltraとFold8のディスプレーには「Flex Titanium」が採用されている。ディスプレー最下部の衝撃吸収層に2層のチタニウムを搭載することで、強度を高めているとのことだ。Flex TitaniumはFlip8には採用されていない。
ふたつ目の大きな違いはカメラ構成だ。
・Fold8 Ultra
200MP広角、50MP超広角、10MP望遠
10MPカバーカメラ、10MPフロントカメラ
・Fold8
50MP広角、50MP超広角
10MPカバーカメラ、10MPフロントカメラ
・Flip8
50MP広角、12MP超広角
10MPフロントカメラ
Fold8は広角カメラを200MPから50MPへ変更し、さらに望遠カメラを省略している。これも、横折りスマホのスタンダードモデルとして価格を抑えるための変更と考えられる。
Fold8 Ultra、Fold8、Flip8は、主にディスプレーのサイズやアスペクト比、カメラ構成の違いにより、本体サイズと重量も下記のように異なっている。
・Fold8 Ultra 展開時:143.2×158.4×4.1mm 折り畳み時:72.8×158.4×8.9mm 重量:215g
・Fold8 展開時:161.4×123.9×4.5mm 折り畳み時:81.9×123.9×9.7mm 重量:201g
・Flip8 展開時:75.4×166.9×6.1mm 折り畳み時:75.4×85.7×13.1mm 重量:180g
日常用途なら200MPと50MPの違いは
気にならないレベルだ
カメラ画質については、日常的な撮影であれば、200MPと50MPという画素数の差があっても、はっきり言って画質の違いはほとんどわからない。
200MPカメラの真価が発揮されるのは、200MPモードで撮影するときだ。また、夜景、特に夜景動画では、Fold8 Ultraの強さがはっきり表われるだろう。
一方、望遠カメラの有無による違いは大きい。望遠カメラを搭載していないFold8とFlip8は、デジタルズームも最大10倍までとなる。
スポーツ観戦や野鳥撮影などで望遠撮影を頻繁に行なうのであれば、望遠カメラを搭載するFold8 Ultraを選ぶべきだ。
映像とコミックで
画面サイズとアスペクト比の最適解は異なる
折り畳みスマホ最大の利点は、大きな画面をコンパクトに持ち運べることだ。そして今回の3機種で最も大きく異なるのが、展開時にコンテンツがどのように表示されるかという点である。
今回は代表的な例として、映像コンテンツとコミックの見え方を比較してみよう。
まず映像については、当然ながらコンテンツ自体のアスペクト比にも左右される。劇場映画のシネスコサイズ(21:9)や、ビスタサイズ(16:9)ように横長の作品では、Fold8 UltraとFold8のどちらも画面の上下に黒帯が入る。テレビドラマやYouTubeの16:9でも同様だ。
映像を画面いっぱいに表示するという点では、16:9か、それ以上に横長のアスペクト比が適している。
一方、コミックを読むのであれば、Fold8の4:3というアスペクト比は非常に相性がよかった。横向きにすれば見開きがちょうどよく収まり、縦向きにすれば1ページを大きく表示できる。コミックを読むという点では、Fold8がぶっちぎりで適したアスペクト比と言えるだろう。
Flip8の縦長ディスプレーでコミックを表示すると、縦向きでも横向きでも大きな余白が生じる。正直なところ、Flip8は縦読みタイプ以外のコミックにはあまり適していないと思う。
ただし、意外と面白いのが、折り畳んだ状態でのコミック鑑賞だ。余白はできてしまうものの、カバーディスプレーには下記のように3つの表示モードが用意されており、コンパクトな状態でコミックを読む体験はなかなか楽しい。
とはいえ、老眼がかなり進行している筆者の世代にとって、カバーディスプレーに1ページぶんのコミックを表示して読むのは至難の業だ。ハズキルーペ的なメガネが必須となる。しかし、近距離でもピントを合わせやすい若い世代であれば、満員電車などで周囲が混雑しているときでも、Flip8を折り畳んだままコミックを読むという使い方は意外に便利かもしれない。お試しあれ。
新モデル3機種の速度は同等
1世代の進化としては十分な性能向上
ベンチマークについては、Fold8 Ultra、Fold8、Flip8に加えて、比較対象としてFold7でも計測を実施した。結果は下記のとおりだ。
「AnTuTu Benchmark V11.1.4」の総合スコアは、
Fold8 Ultra:3417148
Fold8:3526421
Flip8:3415430
Fold7:2937525
だった。
「3DMark」のSteel Nomad Lightは、
Fold8 Ultra:2557
Fold8:2629
Flip8:2493
Fold7:2380
Solar Bay Extremeは、
Fold8 Ultra:1157
Fold8:1118
Flip8:1009
Fold7:889
となった。
前述のとおり、Fold8 Ultra、Fold8、Flip8は、いずれも「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」を搭載している。一方、Fold7に採用されているのは、1世代前の「Snapdragon 8 Elite for Galaxy」だ。
新モデル3機種のスコアには多少のばらつきが見られるものの、総合的な性能はおおむね同等と考えていいだろう。3機種の平均値をFold7と比較すると、AnTuTu Benchmarkは総合スコアが約18%、CPUが約5%、GPUが約31%、MEMが約13%、UXが約17%向上した。3DMarkについては、Steel Nomad Lightが約8%、Solar Bay Extremeが約23%高い。
1世代の進化としては十分な性能向上だ。特にGPU関連のスコアは大きく伸びており、高負荷な3Dゲームでは差が表われる可能性がある。一方、一般的なアプリや日常利用では、Fold7との差を明確に体感できる場面は限定的だろう。
Fold7ユーザーが性能だけを理由に買い替える必要性は低い。だが、Fold6以前のユーザーであれば、機種変更を検討する価値は十分ありそうだ。
コミック好きの筆者が気に入ったのはFold8
あとは価格だけ
今回、サムスンの最新折り畳みスマホ3機種を試用したが、筆者が最も気に入ったのはFold8だ。というのも、筆者はかなりのマンガ読みで、毎日1冊以上のペースで単行本を購入している。
もちろんセールなどを狙って購入しているが、ほぼ積ん読することなく、どんどん読破している。そんな筆者にとって、コミックにぴったり合う4:3のアスペクト比を採用したFold8は、非常に魅力的な端末だ。
Fold8のヒンジはディスプレーを約90度に開いた状態では保持できないが、個人的にはまったく気にならない。そもそもプライベートで、この状態で撮影したことが一度もないからだ。
唯一残念なのは、円安とメモリー不足のダブルパンチに見舞われている現在、言っても仕方のないことではあるが、価格だ。折り畳みスマホの普及を担うスタンダードモデルとしては、もう少し価格を下げてほしかった。そのためなら、プロセッサーを1世代前のものにしてもよかったと思う。無印のFold8ではなく、「Galaxy Z Fold8 FE」という位置づけでもよかったのではないだろうか。
折り畳みスマホには、一度使ったら手放せなくなるほどの使い勝手のよさがある。今回のFold8も十分に魅力的だが、次世代ではさらなる低価格化に期待したいところだ。
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