量子コンピューターも破れない? TOPPANが次世代ICカード
2026年08月03日 15時20分更新
TOPPANは8月3日、耐量子計算機暗号(PQC)に対応したデュアルインターフェイスICカード「PQC CARD Dual」を開発したと発表した。接触・非接触の両通信方式に対応するPQC搭載ICカードとして世界初をうたい、2027年度から行政・医療分野向けに提供を目指す。
接触型と非接触型の両方でPQCを利用できる点が最大の特徴。ICカードはメモリ容量が限られるため、従来よりデータ量や演算量が大きいPQCの実装は難しいとされてきた。TOPPANは独自の省メモリ技術により、この課題を解決したとしている。
搭載する暗号方式は、米国国立標準技術研究所(NIST)が標準化した鍵交換アルゴリズム「ML-KEM」と電子署名アルゴリズム「ML-DSA」に準拠する。加えて、RSAや楕円曲線暗号(ECC)といった現行方式も併載し、既存システムとの互換性を維持しながら段階的にPQCへ移行できる設計とした。
世界的に普及するICカード用OS「Java Card」上でPQCを実装。既存の決済や社員証、入退室管理などのアプリケーションをそのまま利用しつつ、暗号機能だけを耐量子暗号へ更新できるため、システム全体を作り直すことなく移行を進められる。
量子コンピューターの実用化はまだ途上だが、暗号技術の更新には長い時間がかかる。社会インフラを支えるICカードだからこそ、“いざというとき”がやってくる前の準備が重要になりそうだ。
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