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「そういえば……」な疑問に30秒解説

「フルHD」の“フル”ってフルパワーの略で合ってますか←違います。

2026年08月13日 07時30分更新

フルHD液晶の「フル」……何をもってフルなのよ

まず「HD」は何の略なの?

 先回りしておくと、後ろのHDは「High Definition(ハイ・ディフィニション)」の頭文字で、ディフィニションは“定義”などと訳されることが多いのですが、映像の世界ではもう1つの“精細さ・解像度”といった意味のほうで使われます。つまり、HDは“高解像度”という意味ですね。

 一方、「フル(full)」のほうは一般的な“最大限”という意味だと思われます。ただ、すでに高解像度だと言ってるところに、わざわざ「フル」まで足すのは蛇足だと感じます。“最大限の高解像度”っていったい、何がどういうことなのでしょうか?

 まず、「フルHD」と「HD」では解像度が異なります。「フルHD」の解像度は1920×1080で、最近のテレビや液晶ディスプレーでおなじみの数字です。対して、「HD」の解像度は1280×720。今でも、安価で比較的小さな画面サイズのテレビはHD解像度だったりします。

 もともとは次世代の高解像度規格として「HD」が制定され、その解像度は1920×1080でした。しかし、制定当時は1920×1080解像度を実現する高精細なパネルを作ったり、計200万画素超の膨大なデータを一度に送信したりする技術は発展途上だったため、現実的に開発/送信可能な数値である1280×720も提言されていました。

もともと、「HD」は1920×1080を指すはずだったのだが……

 その結果、技術的に可能な範囲の1280×720解像度がHDとしてまず広まっていき、やがて技術の進展によって1920×1080解像度のテレビなどが発売される際、すでに広まっているHD(=1280×720)よりも高精細である旨をアピールするために、「フルHD」という呼称を使い始めた、というわけです。

 つまり「フルHD」の「フル」は、“当初制定されたHD規格の最大値・上限”という意味を持っているわけです。

 大きな目標である1920×1080=HDを掲げたものの、まずは妥協した1280×720が先に広まった結果、本来の目標数値に届く製品が作れるようになった頃には、1280×720=HDというイメージが一般に広まってしまっていたため、新たに「フルHD」というネーミングが生まれた、という経緯だと思っていただけますと幸いです。

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