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三菱電機とトヨタ自動車も登壇した「Fortinet Accelerate Japan 2026」基調講演

攻撃するAIと防御するAI 日本企業のセキュリティ対策にいま何が必要か?

2026年07月17日 09時00分更新

防御側だけではなく、攻撃者もAIを悪用

 しかし、防御側だけでなく攻撃者側もAIを悪用し、手口を高度化・高速化させている。マンキー氏が提示した「グローバル脅威レポート」によれば、脆弱性が公開されてから攻撃者がそれを武器化(エクスプロイト開発)するまでの時間が劇的に短縮されているという。マンキー氏は、「2年前はこの時間が5日間だったが、現在は平均的に24時間から48時間と言われている」と指摘。「これを可能にしているのがシャドーエージェントだ。攻撃者たちはダークウェブのCaaS(Crime as a Service)を活用しており、もはや手動での活動はなくなっている」と警鐘を鳴らした。

 また、ランサムウェア攻撃は389%も増加し、アイデンティティ(認証情報)が新たな標的となっている。日本のセンサーから得られた第1四半期のデータでは、攻撃の試行件数はすでに88億件に上り、活動の31%がポートスキャンなどの偵察行為だったという。「攻撃者たちは偵察してから、より早く、大量に実行へと移している。より計算的・正確に攻撃を行なっている」と分析する。

 攻撃者が利用するツールもコモディティ化し、安価に入手可能となっている。ガードレール(安全対策)が外された「FraudGPT」などの悪意あるAIツールは、年間1000ドル未満でライセンスが販売されている。「これらのツールを使うことで、偽のアイデンティティを作り、現地の言語でスピアフィッシングメールを作成したり、悪意あるコードを生成したりできる」とマンキー氏は脅威の実態を明かす。

AIを活用した犯罪サービス&ツール

 さらに、AIシステムそのものが新たな攻撃対象(アタックサーフェス)となっている点も指摘された。「モデルに対して威圧的な行動を取り、情報を漏えいさせる反転攻撃、ガードレールを回避するモデル回避、誤情報を注入するデータポイズニングなど、新しい攻撃領域が出てきている」とマンキー氏は指摘。特に、公開されているAIエージェントが乗っ取られた場合、「次世代のボットネット(C&C)になってしまう」と強い懸念を示した。

 このようなグローバルな脅威に対し、フォーティネットはサイバー犯罪の撲滅に向けて法執行機関とも密に連携している。たとえば、インターポールにおいては、40のラボが協力し、サイバー犯罪者の摘発・逮捕に至っている。また、世界初の犯罪通報報奨金制度を作り、犯罪者を特定・通報することで報奨金を提供するという新しい取り組みも開始。マンキー氏は、今後AI駆動型のセキュリティオペレーション(SecOps)であらゆる領域をカバーしていく決意を表明した。

AIエージェント時代に向けたセキュリティソリューションの進化

 続いて、米フォーティネットのプロダクトマネジメント担当グローバルVP兼フィールドCTOであるジャック・チャン氏が登壇し、具体的な製品のイノベーションと、防衛側がいかにAIを活用すべきかについて解説した。

米フォーティネット プロダクトマネジメント担当グローバルVP兼フィールドCTO ジャック・チャン氏

 「今年はエージェント型AIの時代となっている」と語り始めたチャン氏は、AIが攻撃に悪用される一方で、防御側にとっても強力な武器になることを強調した。「たとえば攻撃が行なわれている時に、おとりシステム(デコイ)を展開して証拠を収集し、それを法執行機関に渡すこともできる」と、AIによる自律的なインシデントレスポンスの可能性を提示した。

 一方で、企業内での無秩序なAIツールの利用(シャドウAI)は大きなリスクを伴う。データ主権やコンプライアンスの観点からも、企業はどのAIツールを許可し、何を禁止するかの明確なポリシーを持つ必要がある。「エージェントはデータを要約するだけでなく、データベースへのアクセスさえできてしまう。プロンプトインジェクションによって顧客のレコードを入手されるような事態も止めなくてはいけない」と警告した。

 こうした課題に対し、フォーティネットはAIを安全に導入するためのソリューションを提供している。チャン氏は最新の「FortiOS 8.0」の可視化機能である「オブザーバビリティセンター」を紹介。「ユーザーやエージェントがどのAIツールにアクセスしているかを深掘りして見ることができる。たとえば、契約社員がポリシーで許可されていないDeepSeekを使っていた場合、ドリルダウンしてIPアドレスを特定し、右クリックで承認するか否かを判断できる」と、シャドウAIを制御する実践的なデモ内容を語った。

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