30以上に及ぶ大会運営アプリのインフラ監視から、3カ国/16スタジアムの運営支援まで
史上最大のワールドカップを支える“オフィスワーク”? TCCとTOCのテクノロジー
2026年07月11日 09時00分更新
およそ30の大会運営アプリのオブザーバビリティを確保、安定運用を図る
世界的な規模のスポーツイベントということで、サイバー攻撃のターゲットにもなりやすい。発生するサイバー攻撃の件数は「1日あたり3~5億件」だという。4年前のカタール大会では、会期中の合計で110億件のサイバー攻撃が発生したが、今回はその記録をあっという間に抜き去りそうだ。
「会期そのものも長くなっているうえ、地政学的な緊張の高まりや、3カ国共同開催という大会自体の注目度の高さもあって、大量のサイバー攻撃が発生している」(フレスコ氏)
TCCには、米国のFBI(連邦捜査局)などセキュリティ機関の担当者も常駐しており、さまざまな機関と情報を共有しながらサイバー攻撃を未然に防ぐ体制を整えているという。
今回の大会では、報道関係者向けポータル「Media Hub」など、およそ30の大会運営用アプリケーションが稼働している。その稼働状況が分かるオブザーバビリティの画面もあった。「シンセティックチェック」と呼ばれる手法で、各システムのIPアドレスへの疎通確認、ログの取得、トランザクション応答時間などの計測を継続的に行っている。監視の一部には、Lenovoと共同開発したAIエージェントも組み込まれ、自動化されている。
これまでに発生したシステム障害について尋ねると、「幸いにも試合中ではなかったが」と前置きしながら、スタジアムでメディアが利用するシステムで、データベースの負荷が急上昇したケースがあったという。こうした異常を検知すると、自動的にアラートが上がり、Lenovoや各パートナーのチームが連携してすぐに障害原因を確認する体制だという。ちなみにこのケースは、システムのオートスケーリングが想定どおりに作動しなかったことが原因で、試合開始までに解消したという。
TCCやTOCで使われているのが、Lenovoと共同開発したダッシュボードだ。正式名称は「インテリジェント・コマンドセンター(ICC)」だが、現場スタッフの間では「コックピット」の愛称で呼ばれている。
ICCは、大会全体の運営状況がリアルタイムに俯瞰できるダッシュボードであり、その時々の状況に応じて表示される情報が切り替わる。たとえば、試合開始の3時間前になれば入場状況が、キックオフ後は各種映像フィードやチケット情報、チームの移動状況などが表示される仕組みだ。
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