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Apple Pencilとは別モノの魅力。「スタイラスツーウェイ」同じペン先でiPadにも紙にも書ける二刀流ガジェット

2026年07月09日 13時00分更新

紙とiPadの両方に書ける、ゼブラが開発した異色の「スタイラスツーウェイ」が7月31日に発売されます

 老舗の筆記具メーカー、ゼブラがiPadに対応するスタイラスペンを7月31日に発売します。このペンの特徴は、通常のジェルインクを使うボールペンとして、同じペン先で紙にも書けることです。

 PC周辺機器メーカーのエレコムとの共同開発から生まれた新商品「スタイラスツーウェイ」をレポートします。

ボールペンと同じ構造で、紙とiPadの両方に書ける

 スタイラスツーウェイは、見た目には高級感のあるボールペンです。本体側面のクリップをノック(押す)してペン先を出し入れします。

 クリップをノックしてペン先を出すと、本体の電源がオンになります。ペン先には微弱な電気信号が発生し、iPadの静電容量式タッチパネルがその変化を検知します。これにより、指で画面に触れた時と同じようにペン先の位置が認識され、文字やイラストが書けるという仕組みです。

 紙に書く時には従来のボールペンと同じように、ペン先にある小さなボールが回転しながら紙にインクを乗せていきます。従来のボールペンも、ガラスやプラスチックの板のように、つるつるとした平面上ではボールが回らなくなり、文具業界の用語的には「ツル抜け」と呼ばれる「書けない状態」が発生します。

 この「ツル抜け」を利用して、平滑性の高いiPadのカバーガラスにペン先を走らせても「インクが出ない=書けない」ようにしたことで、「同じペン先でiPadにも、紙にも書ける」独自の使い勝手を実現しました。

ペン先は従来のボールペンと同じ構造。「ツル抜け」の効果を巧みに利用して、iPadに同じペン先で書けるように設計されています

 ゼブラでは多くの種類の紙には書けて、iPadのディスプレー上ではこぼれないように、ペン先とインクを何度も試作しながら理想の組み合わせを探求してきました。同社の研究施設では、400パターンを超えるインクの調合が繰り返されたそうです。

 共同開発のパートナーであるエレコムは、この専用のインク芯に対応するペン本体の機構や回路の設計、試作評価や生産、品質管理を主に担っています。

 現在、このようなiPad対応のデジタルペンは他にも類がありません。ゼブラは本機に関連する複数の特許を申請し、一部は特許取得を果たしたそうです。

 スタイラスツーウェイは、iPadに書くために本体の充電が必要です。約30分の充電で、約7時間の連続使用に対応しています。iPadとのペアリングは不要。アプリによる細かな本体設定等も必要としないシンプルなデジタル文具です。

本体にUSB-C端子を搭載。電源をオンにすると青い色のインジケーターが点灯します

 ただ、ボールペンのインクは有限なので、定期的に交換が必要です。インクが尽きたら、本体に同梱するクリップを使って替え芯を引き抜いて交換します。本機のために調合した特殊な専用インクを使うため、替え芯も専用のものを使います。

 ペンの発売当初は、替え芯のバリエーションも0.5mmのボール径、カラーは黒1色に限定されています。理由はボール径を変えてしまうと筆記性能が大きく変わるためです。ゼブラでは発売後の反響を見ながら、替え芯のバリエーションを増やすことも検討しているそうです。

本機専用の特殊なインクを使う替え芯が同時期に発売されます

ペンのパッケージに同梱される器具でペン先から交換芯を引き抜きます

実機を試した! Apple Pencil Proとの違い

 筆者もゼブラが開催した新製品説明会に参加して、スタイラスツーウェイの筆記感を試しました。

 iPadのディスプレーとの相性はとても良いと思います。書き味が滑らかで、筆先が遅れる感覚もありません。筆圧や傾きの検知機能がなく、触覚フィードバックやスクイーズにダブルタップのようなアクションも使えないので、Apple Pencil Proユーザーは少しもの足りなさや不便さを感じるかもしれません。

対応するiPadのディスプレーに、テキストや記号、図形にイラストなどを滑らかに書けます

 ただ、その代わりに同じペン先を出したまま、ノートや紙のメモパッドに書けるシームレスな使い心地は、他のiPadに対応するデジタルスタイラスペンでは得られない体験です。ジェルインクを採用するボールペンの書き味としては、従来のボールペンと変わらない心地よさです。

紙の上にペンを走らせてみても従来のボールペンと同じ感覚で筆記できます

 この「二刀流のスタイラスペン」の特徴は、たとえばiPadと紙のノートや教科書を併用する学生、あるいはビジネスパーソンやクリエイターの仕事の現場に歓迎されそうです。ゼブラの担当者は「この頃はiPadを仕事に使っている病院の看護師や飛行機の客室乗務員も増えているようなので、ぜひプロフェッショナルの方々にスタイラスツーウェイが活かせる場所を見つけてほしい」と話しています。

 スタイラスツーウェイの価格は1万5000円前後。ボールペンとしては高値に感じられるかもしれません。また、Apple Pencil Proに比べると使える機能が限定されてしまいますが、このスタイラスツーウェイだからこそ、期待にジャストフィットする場面もたくさんありそうです。

 筆者はこのスタイラスツーウェイの書き味が、iPadと紙のどちらでも、とても滑らかだったことが印象的でした。発売後は文具店や、エレコムの商品を取り扱っている家電量販店などにも実機が展示されると思うので、ぜひ本機の書き味に触れてみることをオススメします。

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