マウスコンピューターは6月23日、同社の事業方針や製品ロードマップを説明するメディア関係者向けカンファレンスを開催した。
カンファレンスにはNVIDIAの日本代表で米国本社の副社長を務める大崎真孝氏も出席。マウスコンピューターの代表取締役 社長の軣 秀樹氏と対談する形で、NVIDIA RTX SparkやローカルAIがパソコン業界に与えるインパクトについて語った。
パソコン市場が大きく変化する中、マウスコンピューターも大きな変革の岐路に立っている。カンファレンスでは、「ものづくり」に立ち返り、国内生産・国内サポートができる日本のメーカーというブランド価値を最大化していく、堅実で力強さのある方針が示された。
同社では2024年から代表取締役 社長に就任した軣 秀樹氏のもと、価格=機能を超えた価値の提供(MOUSE QUALITY)に取り組んでおり、全従業員が製品・サービスの品質に関わる体制(QCサークル活動)も築いている。
高騰が続くパソコン、手ごろに買えるミニPCなどで独自性を
軣社長はカンファレンスの冒頭で、2025年度は売上高が過去最高となり、前期比112%の730億円を計上。台数ベースで前年比108%(PC)/104%(ディスプレー製品)を出荷するなど好調な成績を収めた点を報告。事業セグメント別の売上で見ても、個人向けパソコンのビジネスは前年比で113%、法人向けパソコンとiiyamaディスプレイのビジネスで114%と好調な成績を収めている。
2026年後半は、強みのあるゲーミングPC分野に加え、高度なAI性能を持ち、100Bパラメーターに達するようなローカルLLM処理を扱える「AIミニPC」や、12.2型でアンダー1㎏の「軽量モバイルノートPC」など、独自性のあるラインアップを展開していく計画だ。
一方で4月から始まった2026年度は、パーツの供給不足や価格の高騰、Windows 10 EOS後のパソコン需要の低下といった業界全体が抱える課題に直面しているのも事実だ。マウスも例外ではなく、地道な改善を通じて、機能・品質・安心を担保できる強い体制をどう実現していくかが問われている。
軣社長は、(1)価値を売上とシェアに変える、(2)スピード・品質・納期を「仕組み」で担保、(3)ユーザー価値を「製品+体験」へ拡張、(4)成長が止まらない会社構造へ、(5)人と組織の力を最大化という5大テーマのもと、事業強化に取り組んでいく点をアピールした。
また、パソコンや周辺機器の3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進する部署も新設し、「マウス整備済パソコン」などを通じて、安価で安心して買えるパソコンの選択肢を広げていく取り組みも進めている。
ミニPCの予告やゲーミングPC刷新など、2026年後半製品の予告も
会場では、全国高校eスポーツ大会や第20回アジア競技大会に100セットの機材提供をする「G TUNE PG-A7G80」や2026年後半に展開する予定の新製品など、多くのパソコンも展示されていた。
G TUNE PG-A7G80は、Ryzen 7 9800X3D、GeForce RTX 5080、32GBメモリーを搭載。SSDは2TBで、キオクシアのEXCERIA PRO G2を採用した充実スペック。
「mouse CA」はNUCスタイルのミニPCで、Ryzen 5 3501U/6600H、Ryzen 7 H255などを搭載可能。リビングにも映えるシンプルかつコンパクトなデザインで、パソコンが高騰する中、購入しやすい価格帯の選択肢として提供する。また、実機の展示はなかったが、法人向けのミニPCである「Mouse Pro CR」を引き続き展開していくほか、CRシリーズとは異なる新コンセプトの法人向けミニPCの展開も10月に予定しているという。
「NEXTGEAR J5」は気軽に始められるゲーミングPCとして展開するモデル。15.6型で高リフレッシュの液晶パネルを装備。RTX 3050を採用するなどして価格を抑えている。
DAIVシリーズでは、DCI-P3規格に対応した高画質ディスプレーを搭載したモデルや薄型で高性能なGPU、NPU搭載したモデルが予定されている。写真掲載している「DAIV Z4」や「DAIV Z6」のほか、Copilot+ PCに対応したクリエイター向けPCで、Core Ultra 7 356HやRTX 5070(8GB)を搭載。15.3型で15.9mm/1.54㎏と薄型軽量の「DAIV Z5」なども予定されている。
法人向けのMouse Proや個人向けのmouseシリーズでは、20mmを切る薄さの筐体でAMDのCPUやGPUを搭載した「Mouse Pro C4/C5」やデュアルファン搭載で39dBの静音性にこだわった「mouse A4/A5」などを投入予定だ。末尾が4のモデルは14型、5のモデルは15.6型の製品となる。
ディスプレー関連ではニーズが高まっているデュアルモード液晶パネルや、高画質な有機ELパネル搭載モデルなどに加え、世界標準の色見本を手掛けるPantone(パントーン)の基準に対して正確な色再現ができるパネルや映画業界で標準となっているDCI-P3規格対応のディスプレーなどクリエイター向け製品も拡充し、順次市場投入していく。
このほかゲーミングセグメント向けの大きな新製品投入が予告されたほか、AI処理や携帯性、静音性などに配慮したノートパソコンのロードマップも公開。2026年の後半にかけて、豊富な新製品が登場してくることを期待させてくれた。
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